Bedford Square~From the United Kingdom
2025.02.08
ラッセルスクエアから大英博物館に向かって歩いていくと、広いスクエアにたどり着きました。ロンドン市内には住宅などの間にスクエアと呼ばれる広場を設けています。さっき通ってきたラッセルスクエアは駅名にもなり広大なスクエアですが、このスクエアも少し大きい広場です。ここがベドフォードスクエア。
ベドフォードの名を聞いて、アフタヌーンティーを思い浮かべた人は、かなりのイギリス通です。第7代ベドフォード公爵の夫人アンナ・マリアが郊外の邸宅、ウーバンアビーで始めたアフタヌーンティーは、今やイギリスのティータイムの代名詞になっています。このスクエアも、大富豪ベドフォード公爵の所有していた土地で、その名がつけられたそうです。
ロンドン市内におけるスクエア。四角い土地を囲みその回りを高級住宅地として開発されたのが、17世紀後半のことです。だからスクエアのある住宅地はお金持ちたちのロンドンの家というわけです。集合住宅のため、広い庭がないのでスクエアを散歩し、窓からスクエアの緑を見て和む場所でもあったようです。17世紀、ロンドンは人口が倍増し、住宅を整備する必要がありました。市内の中心には日本でいう一軒家、デタッチド・ハウスはほとんどなく、テラスハウスと呼ばれる集合住宅ばかりです。
ベドフォードスクエアを囲む四辺のテラスハウスは、建築された18世紀後半のままで、とてもきれいに年月を重ねてきています。ジョージアンハウスのこげ茶の煉瓦、白い窓枠、玄関の採光のための半円形の窓が美しいまま残されています。東京は関東大震災、太平洋戦争で被災し、遠い昔の建築物が残っているのは皇居内だけでしょう。また21世紀になっての都市開発の波はすさまじく、昭和の建物が残っている場所も少なくなりました。耐震性を高めるためには仕方がないことですが、歴史の中を歩いているロンドンと違い、残念な感じはします。
そうそう、この周辺を歩いているのには、もうひとつわけがありました。高級住宅街のこの周辺はブルー・プラークの宝庫なのです。青い銘板にはかつてそこに住んだ著名人の名や、歴史的な出来事を記しています。家々の壁にあちらこちらと、丸く青い銘板が見えています。さてあの銘板は誰のものでしょうか。このブルー・プラークのお話はまた別の機会にいたします。