Jermyn Street~From the United Kingdom
2024.12.07
英国コラム
ロンドンの中心にジャーミンストリートという通りがありますが。この通りの名を知ったのは、その通りの帽子店で猫のビンクスに会えると聞いたからです。猫のビンクスはある日、ジャーミンストリートの店に姿を現します。それが1921年のこと。すっかり帽子店に慣れてしまったビンクス。亡くなるまで、その帽子店に出入りします。ビンクスという名も店のスタッフたちがつけました。やがて死んでしまったビンクスの亡骸を、店主は剥製にします。店のシルクハットを粋にかぶったビンクス。今でも店内で見られるのでしょうか。以前行った時は店の場所が変わっていて、紳士服の店の中に間借りしているようでした。
ジャーミンストリートは元々高級店ばかり連なっています。王室御用達、高級紳士服店、紳士靴店の数々。ビスポークと呼ばれる注文に合わせた服や靴を作ってくれる高級店ばかりです。元々ビスポーク(bespoke)は、be spokenからきていると言われています。顧客とよく話し、その人の好みや使い勝手をよく知ったうえでモノづくりをしています。ジャーミンストリートの歴史は古く、宮殿がセント・ジェームスだった17世紀には、紳士の身だしなみための店が創業されたようです。今でも英国の粋を結集した紳士服、靴、香水などの名店が軒を連ねます。日本にも出店している高級食材店、フォートナム&メイソンもジャーミンストリート側からはちょっと趣きが異なります。
1職人が顧客の好みに合わせて製作するbespoke。ちなみに日本で言うオーダーメイドは和製英語ですので、英語では使えません。カタカナだからといって通用しないものが多く、英語は英語で身につけましょう。