世界のユニークな祝祭日(4~6月編)
2024.12.18
海外旅行をしていて、たまたま祝祭日で目当てのお店がまさかのクローズだったり、「こんな面白い祝日があるの⁉」と思ったりした経験、ありませんか?
今回は旅行好きの私から、世界のユニークな祝祭日をいくつかピックアップしてお届けします。
想像していた以上にボリュームのある内容になったので、春夏秋冬で3か月ずつ、分けて更新していきます。
世界のユニークな祝祭日1~3月編
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4月
欧米ではイースターは春の到来です。日が長くなりやっと開放的な気分になれる、そんな待ち遠しいイースターからご紹介しましょう。
【4月上旬:イースターの日】
キリスト教の国々を中心に、取り入れられている休日・祝日です。別名「復活祭」とも呼ばれ、イエス・キリストの復活を象徴する日となっています。当日は“命の象徴”イースターエッグや“子沢山の象徴”イースターバニーを飾り付けられ、「イースターの日」を境に前の金曜日を「グッドフライデー」、後の日曜日を「イースターサンデー」、月曜日を「イースターマンデー」と呼び、この時期にキリシタンの国を訪れると各地でカラフルな卵やカラフルなウサギが見られます。
【4月13日~15日:ソンクラーンの日(タイの正月)】
タイで開催される、通称「水かけ祭り」とも呼ばれるこの祭典は、太陽の軌道が12ヶ月の周期を終え、新しい時期に入ることをお祝いする伝統行事となっています。ユネスコ無形文化遺産にも登録されており、当日はみんなびちゃびちゃ。期間中は「水をかける行為=敬意を払う行為」とされるだけに、観光客だろうが旅行者だろうが関係ありません。カメラやスマホを持っていても問答無用で水をかけられるので、防水対策や着替えの準備など、万全にして楽しんで。
東南アジアの国々ではタイ以外でも「水かけ祭り」が開催されるので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
5月
5月は「労働者の日」から始まります。まずはその歴史から…
【5月1日:メーデー】
働く人すべてに贈る「労働者の日」です。始まりは1886年5月1日、アメリカのシカゴで1日12時間から14時間勤務が当たり前だった労働環境の改善を求め、8時間労働への短縮を要求したことに由来します。今ではすっかり“労働者の祭典という扱い”ですが、当初の目的は労働者の救済と呼べるものでした。
この出来事以来、5月1日は世界中でデモ行進が行われています。日本でも1920年にデモ行進が開催されたものの第二次世界大戦を機に禁止。それ以降、日本ではあまり「メーデー」が根付いていません。残業大国と揶揄される日本ですが、現在もその名残は残っているものの、少しずつ「メーデー」が受け入れられているのではないでしょうか。より多くの、いえ、すべての労働者にとって、「メーデー」が浸透することを願っています!
【5月第一月曜日:メイバンクホリデー(イギリス)】
ここでは5月第一月曜日にある「メイバンクホリデー」を紹介していますが、イギリスでは銀行員の休みの日を「バンクホリデー」と呼んで休日化・祝日化しています。他にも春の「スプリングバンクホリデー」や夏の「サマーバンクホリデー」などがあり、定期的にお休みとなります。
働きすぎの日本… イギリスの「バンクホリデー」も見習いたいところです!
6月
6月。日本は梅雨の時期ですが、他の国では日照時間が1年で一番長い6月は過ごしやすく快適な季節でもあります。ハワイもベストシーズン到来です。
【6月11日:キングカメハメハデー(ハワイ)】
ハワイ建国を行った英雄、カメハメハ大王の生涯を称える日となっています。この日は公共機関も休みとなり、各地でパレードが開催されます。ダイヤモンドヘッドやワイキキビーチと並んで知名度、露出度の高い観光名所でもある、カメハメハ大王像の前では厳粛なセレモニーも開催されるなど、ハワイにとってはとても重要な1日です。ただし、どちらかというと祭事に近いもので一般人の見学も可能。気になる人はぜひ現地でパレードを楽しんでください。
【6月25日~27日:シェケルバイラムの日(トルコの正月)】
トルコの断食、ラマダン明けを祝う日です。トルコに限らず、イスラム教の国では約1ヶ月間のラマダンが定期的に行われます。ラマダンの間、現地の人々は日中に限り飲食が禁止されます。その断食が終わった翌日から3日間に開催されるのが「シェケルバイラムの日」、別名「砂糖祭」です。当日は甘いものを摂取し、子供たちにはお小遣いやおもちゃを配る……ちょっと変わった休日・祝日と言えるかもしれません。
以上、世界のユニークな祝祭日(4~6月)でした。
先ほど5月で紹介しました「メーデー」労働者の日について、少し掘り下げてご紹介します。
~意外と知らない「メーデー」-労働者の日をご紹介~
実はこの労働者の日は5月のほか、9月に「レイバー・デー」と呼ばれる祝日もあります。どちらも趣旨は同じですが、祝われる時期や国が異なります。
「メーデー」は国際連合などの国際機関によって定められた国際デーで、世界各地で祝われるのに対して「レイバー・デー」はアメリカ、オーストラリア、カナダなどで祝われる労働者の日です。アメリカでは毎年9月の第1月曜日で、夏のシーズンの終わりを告げる日ともされています。
また、ヨーロッパでは「メーデー」はもともと夏の訪れを祝う日でしたが、1886年のアメリカ・シカゴで発生したストライキをきっかけに、労働者の権利を主張する日として位置づけられるようになりました。
こうして知っていくと、日本でなぜ「メーデー」が祝日にならないか、気になりませんか?
祝日にならない1つ目の説として、そもそも日本は「メーデー」にあたる5月1日はゴールデンウィークで大型連休中。5月1日も祝日にすると連休がさらに長くなり、経済活動が停止してしまうと懸念されているためです。
2つ目の説として、11月23日に「勤労感謝の日」があり、「メーデー」と趣旨が似ているため、5月1日は祝日にならないと言われているようです。
いかがでしたでしょうか?
世界には、日本で日常生活を行っているだけではなかなか知り得ない、さまざまな祝日があって面白いですよね。
祝日ができた背景や、その時期に行われる活動、国民の祝日の過ごし方を知っていくうちに、色々な国の文化や国民性なども知れていくようで、より、海外に興味が湧きます。
今回ご紹介した祝日の中にも、現地で実際の様子を見てみたい!と思えるものもあったのではないでしょうか?
ぜひ、祝日を理解した上で足を運んでみて、現地の方と目一杯楽しんでみてください。
きっと新しい発見があったり、異文化を理解したり、世界観がどんどん広がっていくはずです。
みなさまの旅行が充実したものになりますように!