こんなに違うの!? 海外の年末年始の過ごし方まとめ

2024.11.25

異文化理解

日本の年末は年越しそばやおせち、お雑煮を食べる文化があるけれど、海外で年末年始に食べる料理ってあるの?
日本のお正月は初詣に行ったり年賀状をもらうのが定番だけど、世界各国のお正月ってどう過ごしているの?
年末年始、海外旅行に行く人必見! 海外での年末年始の過ごし方、まとめてみました。

海外の年末年始の過ごし方

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国別にどんな年末年始を送っているのでしょうか。欧米では年末年始はクリスマスの延長と聞いたことがあります。

イギリス


クリスマスに向けての準備があまりにも忙しいイギリス人の人たち。クリスマスが終われば、特にお正月へに向けての準備は何もしません。クリスマスは家族、大晦日は友人と過ごすのが一般的で、友人宅でホームパーティーをする人も多いようです。

ロンドンでは、毎年新年になるとビッグベンの時計台の近辺で、新年を迎えた瞬間に花火が上がります。新年へのカウントダウンは観光客も多く出ています。テレビで特別番組が放映されているのは、日本と同じですね。

クリスマスは十二夜と呼ばれるクリスマスから12日めでお仕舞いです。この時はトウェルフスケーキを食べる習慣もあったようですが、今はどうなのでしょう。
 

アメリカ


アメリカでもお正月より、キリストの生誕を祝うクリスマスが長く続きます。日本のクリスマスツリーは12月25日を過ぎると片付けてしまいますが、アメリカでは1月6日までの12日間飾り続けます。キリストの生誕を祝うため三賢者が訪れるまでの期間、それが12日間だったからのようです。1月6日に片付けないと、悪いことが起こるとの言い伝えもあるようです。

広過ぎるアメリカ。ニューヨークからハワイまで時差が6時間もあり、新年のカウントダウンが続きます。アメリカではカウントダウンパーティーに家族や友人集まることが多く、ホームパーティーで盛り上がります。またカウントダウンで一番有名なのものは動画で観たことがあるかもしれません。ニューヨークのタイムズスクエアのライブで盛り上がり、みんなで一斉に新年を待ち、お祝いをします。
 

フランス


フランスもキリスト教徒が多いためクリスマスは続きます。クリスマスが過ぎてもショップやレストランのはクリスマスデコレーションはそのままです。クリスマスツリーも年が明けてから片付けるのは、イギリスと同じです。

新年は家族と過ごすのではなく、友達と家に集まってカウントダウンパーティーが多いフランス。カウントダウンは華やかに、レヴェイヨンと呼ばれる「目覚め」の意味の年越しパーティーがあります。牡蠣や海老、フォアグラのご馳走と、美味しいシャンパンやワインを楽しみます。レヴェイヨンはひと晩中続き、新しい年を祝います。

またフランスでは新年にレンズ豆のスープを食べるのが伝統的だそうで、質素なものを食べることによって、その一年が実り豊かになるよう願いを込めます。でもカウントダウンの飲み過ぎ食べ過ぎをまるで自省しているようてすね。
 

イタリア


クリスマスや大晦日は恋人や友人たちと過ごす方が多いイタリア。イタリアのクリスマスが終わるのは1月6日のEpifania-エピファニア-と呼ばれる祝日で、これはアメリカと同じです。クリスマスツリーやクリスマスのイルミネーションはこの日まで飾られています。

イタリアも大晦日とお正月にはレンズ豆を食べるそうで、これはフランスと同じです。イタリアの大晦日の夜12時になる前にレンズ豆を食べるとお金持ちになれるというおまじないもあり、レンズ豆はコテキ―ノと呼ばれる豚肉ソーセージと食べるそうです。

またイタリアでは新年に赤い下着を身につける習慣があるそう。赤い下着を身につけると縁起がいいという伝統があるためです。12月は赤いパンツが売り出されるのでしょうか。なかなか日本では赤いパンツがないので、ちょっと気になります。
 

スペイン


日本では煩悩の数108回鐘をつき厄を落とし、新しい年を迎えます。スペインでは12回鐘を鳴らすそうです。有名なものはマドリードのプエルタ・デル・ソルにある時計台の鐘が12回鳴らされ、年越しのイベントが行われます。これはテレビ中継もされ、何万人も集まる大イベントです。

さらに年越しの鐘に合わせて、12個の白ブドウを食べるのがスペインの習慣。新しい年のひと月ひと月に幸せがあるよう、白ブドウに願いを込めるようです。でも鐘に合わせてると口の中がブドウでいっぱいになりそうですね。最近は種無しの食べやすいブドウもあるようで、早めに買わないと売り切れてしまうこともあるようです。
 

オーストラリア


オーストラリアは南半球なので真夏のクリスマスとお正月。日本からの海外渡航先としてもオーストラリアは人気です。友達と集まってパーティーをしながら、賑やかに新年を迎えるのがオージー流。

シドニーでは、夕方近くになると盛大に行われるカウントダウン花火に合わせて、ハーバーブリッジやオペラハウス周辺に人が多く集まり始めます。ブリスベンでは夜8時半からの家族で楽しむ花火と、新年を祝うカウントダウン花火が上がります。街中がお祭りムードに包まれ、賑やかになります。夏なので半袖の新年、日本とは違って快適そうですね。

元旦は年が明けて最初の休日という感覚で、日本とは全く違います。元旦は普通の休日と過ごし方とあまり変わらないそうです。バーベキューやピクニックなどのんびり過ごす人が多く、2日からの仕事の鋭気を養っているんでしょうか。

 
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タイ


タイには新年が3回あるんです。またこれも不思議です。新年を家族とともに過ごすことが一般的。カウントダウンイベントに参加する人や、お寺で年越しをする人で賑わいます。

1月1日はタンブンと呼ばれる僧侶やお寺にお布施をしたりすることから始まるそうです。世界中で有名なタイの行事といえばソンクラーン祭り。タイ全土で水かけを行う「水かけ祭り」です。仏像や仏塔や年長者などの手に水をかけてお清めをする伝統的な風習から生まれたソンクラーン。一年で最も気温の上がる季節のタイのお正月では、暑さをしのぐことができそうです。
 

ベトナム


ベトナムでは旧正月のことを「テト」と呼びます。旧正月の飾りつけは桃の花や、金柑の木で、テトが近づくと、桃の木や金柑の鉢植えの路上市場があちこちで賑わい、その飾りつけを載せて運ぶ光景がこの時期の風物詩になります。ベトナムでは仏教とキリスト教を信仰する家庭が多く、日本の初詣のように新年には寺院や教会に出向きます。

テトの時に食べる料理があります。それは旧正月のご馳走。「バインチュン」と呼ばれるベトナム風ちまき、らっきょう漬け、「ゾー」と呼ばれるベトナムのハム、肉のゼリー、揚げ春巻きなどです。お年玉の習慣があるのも日本と同じ。日本とは違うのは、知らない人でも来客者にはお年玉渡すこと。さらに職場で上司から部下にお年玉を渡すという習慣もあり、幸福をもたらすラッキーマネーの2ドル札や200ドン札をお年玉として渡すそうです。でもドル高だと出費がかさみます。
 

中国


中国のお正月と言えば春節。春節にはあちこちを「赤」で飾り付けるという風習があるようです。旧正月では年が明ける深夜0時ごろに爆竹を鳴らし、盛大に花火を打ち上げるのが習慣です。中国の旧正月の夕食は「団欒飯」と呼ばれ、1年で最も重要な食事になります。

「紅包」と呼ばれるお年玉は、日本と同じように目上の人から目下の者や子どもたちにあげるお正月の習慣です。幸運の象徴である赤い紙で包むのも大切な習慣だそうです。

春節の中国でのご馳走は餃子を食べるのが一般的で、春巻き、お餅、蜜柑や柚子なども並ぶそうです。また春節はまとまった休みになるので旅行に行く人が多く、それが日本のニュースにもよく流れていますね。
 

韓国


家族が集まり、特別な料理を共にすることで新年を祝うの韓国。「ソルラル」は旧暦の1月1日で、韓国では西暦ではなく、旧暦の1月1日をお祝いする習慣です。

先祖をたたえる「茶礼-チャレ」をしたり、子どもたちは新年の挨拶を目上の人に行ったりする韓国のお正月。日本のお年玉のようにお小遣いにあたる「セベットン」もあるようです。先祖を大切にする韓国の「チャレ」の儀式。テーブルに先祖の好きだった料理など20種類ほど並べます。その後で一家の主人から最敬礼をします。これは韓国のお辞儀で、膝をつき両手をついて行います。韓国では新年の挨拶からも先祖に大切にしていることがわかります。

また韓国では民族衣装として有名な「チマチョゴリ」や、「チョゴリ」をがお正月の晴れ着になります。またお正月に食べる伝統的な料理には、「トックッ」というお雑煮にあたる料理と「ジョン」というチヂミ、「チャプチェ」、「カルビチム」などがあるようです。


 

新年のお楽しみ、トゥエルフスナイトまではクリスマスタイド

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トゥエルフスナイト、十二夜まではクリスマスが欧米ではあたりまえのようです。ここまでをクリスマスタイドと呼び、この12日間をクリスマスとしているからです。だから新年を迎えてもクリスマスツリーやリースが飾られていたわけです。

イギリスではクリスマスから12日めの1月6日に、ケーキを食べる習慣があります。それがTwelfth Night Cake、十二夜のケーキです。伝統的なケーキでこれをクリスマスケーキと呼ぶ人もいるようです。昔は十二夜のケーキの中に豆を入れ、それがに当たった人が王さままたは女王さまと呼ばれ、紙の王冠が授けられました。今では豆ではなく指ぬきなどに変わっています。

フランスで新年のお祝いに欠かせない伝統的なお菓子、それがガレット・デ・ロワ。王さまのケーキの意味です。紙の王冠を乗せた丸い形をしたケーキを作ります。パイ生地の中にアーモンドクリームを入れて焼き上げ、フェーブと呼ばれる陶器製の小さな人形を1つ入れます。切り分けた時このにフェーブが入っていた人は、その年の王さままたは女王さまになれます。

イギリスもフランスも十二夜のケーキは同じようです。王冠を被って新年の王さまと女王さまを決めるのも楽しい習慣ですね。

新年を海外で迎えるのも素敵ですが、海外での年末年始は国によってショップやレストラン、交通機関が休んでしまうことに気ををつけなければなりません。クリスマスは家族で過ごすことを大切にしているので仕方ないようです。けれどそれも1月1日まで。2日からは仕事が始まります。日本のように3が日はお休み、松の内はノンビリしているのとはまるで違います。海外に向かう人たちは異文化理解しながら、素敵な年末年始をお過ごしください。