Brown's Hotel~From the United Kingdom
2025.04.15
アガサ·クリスティも愛したロンドンの高級ホテル、ブラウンズホテル。ブラウンズホテルは、ロンドンの中心部にありながも意外に静かな場所にあります。リージェントストリートやピカデリーの大通りの奥のアルバマールストリート。ホテルの窓がすぐそばにあり、手が届きそうな近さでした。
ブラウンズホテルは1832年に設立され、たくさんの著名人たちの滞在場所となりました。アガサ・クリスティはこのホテルで「バードラム・ホテルにて」の着想を得ています。アメリカのかつての大統領セオドア・ルーズベルトはロンドンの教会で挙式し結婚許可証を得るために、ブラウンズホテルに半月ほど滞在していたそうです。けれどブラウンズホテルは5つ星なのでその宿泊費は破格です。今の金額では1泊で格安航空券のロンドン行きが買えるくらいです。もちろん直行ではありませんが、かなり無理をする金額です。でも客室ごとに違うデザイン、格式のあるインテリア。一度は泊まってみたいホテルです。
その昔仕事に便乗してかなり高級なホテルに宿泊させてもらったことがあります。高級ホテルに泊まるにはそれなりのマナーが必要だったと泊まっている時に気づきます。チップの渡し方にも苦労しました。またチェックアウト時にポーターを呼ばなかったばかりに、見事な装飾のリフトに大荷物で乗ってしまい、リフトの中でヒヤヒヤしたことを覚えています。若気の至りとはいえ、高級ホテルでは荷物は自分で運んではいけません。ちゃんと電話してポーターを呼びましょう。
宿泊は無理でも、ブラウンズホテルのアフタヌーンティはいただけそうです。伝統的な三段トレイ、スリーティアーズにサンドイッチ、スコーン、ケーキの数々。アフタヌーンティをいただけるティルームのThe Drawing Roomという名も、高貴な邸宅の応接室のネーミングになっています。その昔ヴィクトリア女王も、また若きエリザベス女王がここでアフタヌーンティをいただいたそうです。
ブラウンズホテルはその名の通り、1832年にサラとジェームス・ブラウンの2人が始めたホテルでした。長い間家族経営でやっていたそうですが、1948年に売却され、2003年にはロッコフォルテの傘下になってしまったそうです。アガサ・クリスティやルーズベルト大統領がいた時間とはまた違ってしまっているのかもしれません。ホテルの当初のホスピタリティが維持できているとよいのですが…