National Gallery~From the United Kingdom
2025.02.20
ロンドンのトラファルガースクエアにあるナショナルギャラリー。イギリスを代表する美術館です。
実は一度しかナショナルギャラリーへ行ったことがありません。初めてロンドンを訪れた時の初日に出かけたのですが、ナショナルギャラリーを侮っていました。イギリスの美術館は日本とは全く違います。
その膨大なコレクションと、その広大な館内。ひと巡りするのも大変なのです。ナショナルギャラリーのコレクションは、イギリス人画家以外の作品も展示され、ティツィアーノの「バッカスとアドリオネ」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「岩窟の生母」、ヤン・ファン・エイクの「アルノルフィニ夫妻の肖像」などの名作も鑑賞できます。
実は行った日に「レディ・ジェーン・グレイの処刑」を目の当たりにし、その臨場感に慄いてしまいました。この作品は1833年にフランスの画家ポール・ドラローシュが描いたもので、中野京子氏の著作「怖い絵 泣く女篇」の表紙にもなっている絵画。それからイタリア人画家のアーニョロ・ブロンズィーノの「愛の寓意」を観てしまい、キューピッドとヴィーナスの何とも摩訶不思議な、艶めかしい愛の姿に頭の中が飽和状態になります。おかげでどっと疲れて果ててしまいました。絵画の鑑賞は心穏やかになれるものをおすすめします。
日本の美術館は絵画を保護するために照明が暗いことが多く、また作品より来場者が多く感じられます。人気の作品には人だかりで、絵をゆっくり鑑賞することができないのが残念です。パンデミック後は予約制で入場制限もしていますが、入場料が高いうえに展示作品が多くはありません。まあ海外の美術館から貸し出してもらい、輸送し、高い保険をかけているので仕方がありません。
イギリスの美術館のほとんどは無料なので、1日で回りきれなくても、また次の日も出かけられます。予定をぎっしりと詰めこんだ旅ではなく、美術館と博物館巡りのロンドンの旅もおススメです。天候のよくない冬の時期でも美術館巡りは楽しめます。
※写真は学校の課外授業でナショナルギャラリーに向かう子どもたち。ギャラリーでの課外授業は冬の雨の日でも問題ありません。