Chimney~From the United Kingdom
2024.10.25
あと2カ月でクリスマス。今回はちょっとクリスマスにも関する煙突のお話をご紹介します。
イギリスの人たちがとても大切にしているのは暖炉。どの家にも煙突があるのがわかります。暖炉はその部屋に入った時に一番先に目がいく場所で、フォーカルポイントと呼ばれています。暖房器具として使わない家でも、暖炉は部屋の中のフォーカルポイントとしての役目を果たしています。植物を置いたり、置物を飾ったりして大切な場所にしています。
ロンドンの街並みに数多くの煙突が見えるのも、そんな暖炉を大切にするこだわりです。そして煙突はクリスマスになるともっと大切なものになります。そう、サンタクロースがプレゼントを運んでくる導線になるからです。でもなぜ、サンタクロースは煙突から入ってくるのでしょう。それはサンタクロースのモデルとなった聖ニコラウスが、貧しい人たちの家に煙突からコインを投げ入れていたからのようです。そのコインは偶然干してあった靴下の中に入り、それが今のクリスマスブーツの起源にもなりました。
イギリスでは今あまり使われなくなっていた暖炉ですが、エネルギー代が高騰しているため、数年前から復活させているご家庭も多くなっているそうです。使い始めるには煙突掃除が必要です。映画「メアリーポピンズ」の歌にあった、Chim Chim Cher-ee~♪の煙突掃除人の出番です。イギリスでは煙突掃除人と出会うと幸運になれるという、言い伝えがあるそう。煙突掃除は大変なお仕事ですが、暖炉とともにイギリスでは愛されている仕事です。
そしてエネルギー高騰で暖炉を復活させたお家では、掃除をしてみたら思いも寄らない過去の産物が出てきたそうです。それは遠い昔のラブレターや、指輪、紙幣などなど。それもとてもイギリスらしいお話です。