異文化理解いろいろ イギリスで見聞きしたことアレコレ

2024.09.18

異文化理解
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海外の接客業の人たちは日本の接客業の人たちとは違います。日本人のような笑顔はほどほど、対応もそんなに丁寧には感じられません。でもそれが海外の流儀なのです。郷に入っては郷に従えと割り切らなければいけません。さていろいろとイギリスで見聞き、体験したことをご紹介していきましょう。

例えば海外旅行へ行く時に乗る飛行機のキャビンクルー。笑顔を最大のおもてなしとする日本人のクルーとは何か違います。英語のストレートなモノ言いなのか、それともすぐに対応しないことなのか、先日乗った飛行機でこんなことがありました。

キャビンクルーの対応は業務のプライオリティ重視

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長時間のフライトの楽しみは映画。でもシートバックモニターが動きません。この不具合、いったい何人のキャビンクルーに声をかけたことか、シートナンバーを確認したキャビンクルーは3人以上いました。でもその時のキャビンクルーはドリンクサービスから、ミールサービスで忙しいタイミングで、なかなか他に手が回らないようです。

このフライトはプレミアムエコノミーでしたが、ビジネスならすぐにコンプレインの対応をしてくれたのでしょうか。プレミアムエコノミーのシートピッチはエコノミーより少し広い感じで、窓際の3席は2席で流石にゆったりはできました。けれど真ん中の通路側は4席。エコノミーと同じでした。少しは広いのでしょうか。疑問は残ったまま往復してしまいました。 

ミールサービスが終わるまでには裏でシートバックモニターの調整ができたようで、食事中の映画鑑賞はできました。けれど1時間半以上何も動かないモニターを前にしていたことになります。海外のエアラインは機材の不具合も多く、以前にもシートバックモニターが故障したまま、半分以上飛んでいたこともありました。

ロンドン便ではまだ日本のエアラインを使ったことがないので、次回は使ってみたいとは思っています。でも素っ気なく、スタイリッシュではない海外のキャビンクルーの対応も嫌いではないので、迷うところです。

スーパーマーケットのキャッシャーのスタッフは座っている

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日本のスーパーマーケットではレジで誰も座ってはいません。立ったままでレジを通した商品はカゴに移していきます。でもイギリスのキャッシャーの仕方は違います。キャッシャーのスタッフは座って業務に就いています。

イギリスでのスーパーマーケットで、カゴやカートを使って買い物を進めていくのは日本と同じです。でもキャッシャーは商品が10点以下と指定されているところも見ました。たくさんの買い物と分けているようです。以前はOne Basket Onlyとも表示されていました。では並んでみます。

前の人たちはカゴから商品を出し、レジ横のベルトゾーンに置いていきます。カゴは手前の所定の位置に重ねます。レジ横から平たいスタンドが流れてきます。これで前の人の買い物と区別します。前の人が精算を終えると、ベルトゾーンは動き、レジを通していきます。支払いはキャッシュかカードかを伝えます。精算している間に買い物したものをまとめて完了です。

イギリスのレジ袋は60ベンスほど、日本円で100円ちょっとでした。でも日本のレジ袋とは違い、しっかりしたバッグで、何度も使えて便利そうです。バッグは精算前のレジ横に並んでいるので、自分で取って精算します。これは日本と同じです。

スーパーマーケットのキャッシャーが座ってできるので、年配の人たちも安心して働けるようです。日本はお客様を立たせて、スタッフが座っているのは不謹慎とでも考えているのでしょうか。この辺りの働き方改革も考えてほしいように思います。だって駅の切符の窓口のスタッフは座っているのですから。

でもでも…ニュースで見ました。日本のスーパーマーケットも座ってレジ打ちを始めたところが出てきたようです。働き方改革大切です。お金を触らないよう、機械が対応するところが増えているのも、働く方の負担も減ってよい傾向になっています。

ホテルのハウスキーパーはチップを受け取らない

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ホテルのハウスキーパーへのチップで頭を悩ませていましたが、イギリスの人たちは部屋にはチップは置かないと聞きました。枕銭と呼ばれているハウスキーパー用のチップを、それでもナイトテーブルの上に置いて出かけます。でも外出から帰るとそのままになっていました。

何か特別のことをしてもらったら、チップは渡していましたが、今はホテルの宿泊費にサービス料が含まれているので、ハウスキーパーには置かないし、取らない傾向に変わっていました。

ロンドン最後の日に、近くで買い物をしてホテルに戻ると、ちょうどハウスキーパーの女性が部屋で仕事をしています。少し早い時間に戻ったので、まだ掃除が終わっていなかったようです。アジア系のその女性に、小銭でいっぱいになっていたコインを出して、「とても細かいけど、どうぞ」と渡そうとすると、遠慮がちに受け取ろうとしません。「明日帰ってしまうから、もう使わないの。それとも細かいのは嫌?」と勧めると、「いえ」と言うので小銭をありったけ手に乗せます。とても感じの好い人だったので、ほとんどのコインを渡しました。その女性の嬉しそうな笑顔が素敵でした。

コンシェルジュやベルボーイたちはチップを受け取るのに、ハウスキーパーたちは取らないよう教育されているのかもしれません。そう時気づきましたが、ほんとうのところはどうなのでしょう。

ショップのスタッフは鼻歌まじりで書類を用意

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これは相当昔のお話ですが、超有名なプランドショップで頼まれたバッグを買いに出かけたことがあります。いくつか見せてもらって手に取って、「コレください」と買う意思を示すと、小柄な男性のスタッフはタックスリファウンドの手続きを始め、書類の用意をします。

パスポートの提示をして書類を作成してもらうのですが、鼻歌まじりでご機嫌なご様子。いっしょにいた友人は、独特な革の匂いで充満している店内から外に避難しています。やっと鼻歌が終わって、書類の完成。商品とともに受け取ります。有名ブランドとは言え、何だか小馬鹿にされているようで、大金を払った客の気持ちではありませんでした。ちなみにフランスのブランドです。

先日行ったロンドンのブランドショップでは、メンズのフロアを訊ねるとリフトのボタンを押して2Fに案内してくれました。イギリスでは3Fです。そのフロアに私たちが着くと、息を切らせて案内してくれた女性スタッフが階段をかけ上がってきます。あらあら、大変。売り気満々です。でも残念ながら品数が少なく、デザインも今ひとつなので、その日購入するものはありませんでした。でもあんなに売り気なスタッフは初めて見ました。ちなみにこちらはイギリスブランドで、王室御用達です。でも後で気づきました。イギリスはタックスリファウンドをやめてしまい、売り上げは激減とか。だから階段をかけ上がってきたのでした。

イギリスの接客態度は素っ気なく冷たい、そう思うことも多々ありますが、みな悪いわけではありません。とても親切にしてくれるスタッフももちろんいます。駅やバスターミナルのスタッフの横柄さにも慣れました。けれど以前、親切にウィークエンドチケットを勧めてくれたチケット売り場のスタッフがいました。その話をシェーンの講師にすると、「あり得ない~」と言い張りますがほんとうにあったお話。

海外での接客では日本のような対応は期待しないこと。異文化理解を積み重ねながら、楽しい海外滞在を過ごしましょう。より多くの異文化理解は、英語でのコミュニケーション力を高めていけるはずです。