Royal Warrant-新しいイギリス王室御用達
2024.09.21
イギリスのロイヤルファミリーがお使いになるものはロイヤルワラント、イギリス王室御用達として認定されています。かつてはその紋章の数は4つ。エリザベス2世と母君のエリザベス皇太后、夫君のエディンバラ公と皇太子だったチャールズ国王たちがお使いのものが選ばれていました。
2002年にエリザベス皇太后が薨去され、ロイヤルワラントの紋章は3つに。そしてまた時代は変わろうとしています。今までのイギリス王室御用達の品々と、新しく認定されるものはどんなものか、今回調べてみました。
ロイヤルワラントの歴史
ロイヤルワラントは12世紀にはすでにあったようです。特定の王族が商品やサービスを受けているところに認定していました。もちろん時代によってその品々は変わっていきます。1840年にはロイヤルワラントを管理するロイヤルワラントホルダー協会が設立され、エリザベス2世の時代には約800もの商品とサービスがホルダーされています。
エリザベス2世が認定したロイヤルワラントは700近くあり、今でもロイヤルワラントとして認定されているものは600ほどありますが、2024年末にはその認定を失うことになるものも出てきます。
紅茶ではトワイニングス、ダーヴィルなどがありますが、トワイニングスはチャールズ国王の認定を受けているので継続できました。デパートのジョンルイス、キャドバリーのチョコレート、バードケージの傘で有名になったフルトンなどはエリザベス2世だけのロイヤルワラントなので、その認定はどうなるのでしょうか。
※写真はフレグランスのフローリスのショップにかかるロイヤルワラント。ロンドンのジャーミンストリートのショップではライオンもユニコーンも彫像です。
4つのロイヤルワラントから3つのロイヤルワラントへ
20年ほど前にはエリザベス2世と母君のエリザベス皇太后、夫君のエディンバラ公とチャールズ皇太子の時代の4つの紋章のロイヤルワラントがありました。4つともロイヤルワラントに認定されたのが、ハルシオンディズ、スマイソンなど8つ。3つのロイヤルワラントはダックスに与えられていました。
エリザベス2世がお使いだった数多くのロイヤルワラント。ホテル、スーパーマーケット、クリーニングやケータリング、カーケアと多岐にわたっていました。特に馬関係が多いのも特徴です。スコットランドの居城、バルモラル城の近くのバラター村のベーカリーや食料品店にも王室御用達はついていました。猶予の2024年にはその数多くのロイヤルワラントは失効してしまうのでしょうか、今はまだ審査されている段階だそうです。
※写真はダックスのエリザベス2世とエディバラ公、チャールズ皇太子時代のロイヤルワラントとフォートナム&メイソンのロイヤルワラント。
新しいロイヤルワラントへ
2024年5月、チャールズ国王とカミラ王妃のロイヤルワラントが発表されました。チュールズ国王が認定したロイヤルワラントは145社、カミラ王妃はわずか7社。2025年からのロイヤルワラントとして認定されることになりました。
国王夫妻ともにロイヤルワラントとなったのは、デパートのフォートナム&メイソン、ワインのコーニー&バローとキャメルバリー・コーンウォール、ケア用品のD.R.ハリス、ステーショナリーとレザーグッズのスマイソン、花のシェーン・コノリー&カンパニー、宝飾品のウォルツスキーの7社。カミラ王妃は国王と同じところを選んでいます。まだ発表にはなっていませんが、次はウィリアム皇太子がお使いのものが認定されます。
カミラ王妃のロイヤルワラントがとても少なくて残念ですが、いろいろとお気遣いもあるのでしょう。けれど嗜好や趣味などが反映されるロイヤルワラントには、女性の着眼点がやはり大切な気もします。まだ審査中なので、これから発表されるロイヤルワラントを楽しみに待つことにします。