Virginia Woolf~From the United Kingdom

2025.04.21

英国史雑学

清楚で美しい容姿のヴァージニア・ウルフが、ロンドンの裕福な家庭に生まれたのが1882年。母親のジュリアも美しい人で、当時名を売り出したラファエル前派の画のモデルも務めています。母親は最初の結婚で夫と死別し、ヴァージニアの父親となるレスリー・スティーブンと再婚します。両親とも前の結婚での連れ子がいて、大勢の子どもたちと暮らしています。

ヴァージニア・ウルフはキングスカレッジロンドンで教育を受けます。美しい容姿と文才に恵まれたヴァージニア。母親のジュリアが1895年に急逝するとその精神が次第に病んでいきます。母親の死因はインフルエンザでした。13才のヴァージニアにとってそれはつらい別れです。その5年後にはヴァージニアはプロの作家として活動を始め、知識人たちとの交流も深めます。

1912年にはレナウン・ウルフと結婚、その名がヴァージニア・ウルフの名になります。結婚生活は死ぬまで続きますが、ヴァージニア・ウルフは新しい交友関係を広げていきます。親友だった女性との関係を持ったようです。ものを書くことのために世界を広げますが、不安な精神は頭をもたげます。今では統合失調症と呼ばれている病気に、ヴァージニア・ウルフは終生苦しめられました。

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考えがまとまらない、自分の気持ちがわからない、妄想、幻覚に襲われ、その病に罹った者は感情が乏しくなり、無表情になってしまいます。他者とのつきあい方もわからなくなり、自分の世界に引きこもってしまいます。ヴァージニア・ウルフの静謐な横顔は確かに何も見ていないように思われます。

どうにもならない時が来てしまいます。1941年3月28日ヴァージニア・ウルフは服のポケットに大きな石をたくさん入れたまま、戻りませんでした。夫に遺した手紙にはもう回復できないことを記しています。夫との生活をこれ以上苦しめないための自死。夫との結婚生活に感謝し、59才の人生を終えてしまいました。

※写真は ヴァージニアが両親たちと住んだ家