Battersea Power Station~From the United Kingdom
2024.09.30
昔イギリスのロックバンド、ピンクフロイドのアルバムのカバーデザインで見たピンクのぶたと4本の巨大な煙突。それがテムズ河クルーズのボートから発見!! ここはバターシーパワーステーション。以前火力発電所だった場所です。
バターシーパワーステーションは1983年まで稼働していました。でもすぐに取り壊すことはできません。1980年にグレードⅡの指定建築物になり、イングランドの国家遺産リストに登録されてしまったからです。煉瓦造りの建造物としては世界最大、凝ったアールデコの内装が施されていたのですが、手つかずのまま2008年には危機遺産リストにまで加わってしまいます。
そのままいろいろな計画があがっていきますが進まず、何度も持ち主が変わります。発電所が閉鎖されてから39年後の2022年10月、バターシーパワーステーションは複合施設にやっと生まれ変わります。ショップ、レストラン、バー、展望台、映画館、ホテル、アパートメント、オフィスが煉瓦の建物とその周辺に建てられました。そして今ではあの巨大煙突中はリフト!! 地上109メートルの高さから、テムズ沿岸の景色が360度楽しめるそうです。
イギリスの建造物が昔の姿のままで残り、リノベーションされていくことは喜ばしい限りなのですが、グレードⅡの指定にされなければとうの昔に再開発され、巨大な集合住宅が建っていたはずです。今やロンドンの西からテムズ河を下っていくと、左側にはまだ古い建物や緑の公園が広がっているのですが、右側テムズの南岸は高層の建物が建ち並んで、まるでロンドンではないようです。
すぐに壊して膨大な建材ゴミであふれかえっている日本。イギリスは地震国ではないので、古き佳き建造物がこれからも保護されることを願います。昔からの風景のパゴタやバターシーパワーステーションの姿が見えると、やはりほっとします。
※下の写真2枚はテムズ河のボートから見たバターシーパークとバターシーパワーステーション。バターシーパークのパゴタ(仏塔)近づくと一斉にカメラが向けられ、すぐに4本の煙突が見えてきます。