Tea Bag~From the United Kingdom

2025.01.30

英国食生活

ポットに紅茶の葉を入れて熱いお湯を注ぐ、そんなアフタヌーンティの紅茶も確かに美味しいのですが、ポットやティーカップ、ソーサー、ティーストレイナーと、準備も後片付けも面倒です。イギリスではお茶の時間を今でも大切にしていますが、今やマグカップにティバッグがほとんど。マグに並々と注がれた紅茶をいただいているようです。でもこんな便利なティバッグ、いったい誰が発明したのでしょう。

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ティバッグの発明は1896年に、イギリス人のA.V.スミスによって成されたようですが、A.V.スミスのお名まえはなかなか出てきません。1908年にトーマス・サリバンがティバッグを発明し、アメリカでやがて大人気になったお話は出てきました。A.V.スミスがティバッグの歴史から消えてしまったのには、やはり簡易的なものは好まないイギリスの気風があったのでしょうか。

イギリスで紅茶と言えばピクニックでもお湯を沸かし、ティセットなどをハンパーと呼ばれるバスケットに用意した時代もあったようです。ヴィクトリア時代には、上流階級ではこのハンパーを持って出かけることが1つのステイタスでした。そんな伝統と格式を重んじるイギリス人たちが、インスタントの紅茶を受け入れることもなく、A.V.スミスの名は忘れ去られてしまいました。1896年にティバッグで特許を得たA.V.スミス。今ではほとんどのイギリス人がティバッグの紅茶を消費しているのに、その名が消えてしまったのはお気の毒です。

シェーンの講師たちのティバッグの好みもいろいろ。PGティップス、ヨークシャティ、アーマッドティなど、イギリスに行ってくると言うと、お土産のリクエストもみんな違います。できるだけ大きなマグカップの紅茶を愉しむティタイム。でもカップを温めたり、冷たい牛乳にこだわったり、イギリスの紅茶の文化はきちんと受け継いでいます。

銀のボットでいただく紅茶も格別ですが、銀はお手入れも大変。毎日磨かないといけません。やはりあれはホテルのアフタヌーンティなど特別な時のもの。普段は大きなマグカップとティバッグで紅茶を愉しむことにします。