Pet~From the United Kingdom
2025.01.20
イギリスのヴィクトリア時代に犬や猫、うさぎ、小鳥、金魚などをペットにする風潮が生まれます。小動物たちといっしょに暮らすことで、子どもたちへの教育も兼ねていたようです。
小さきものを大切にし、毎日の面倒をみることで、子どもたちに心の優しさや責任感を芽生えさせます。また自分たちよりも寿命の短い小動物たちと暮らすことで、命の尊さも考えるきっかけを作ります。またオウムやインコ、カナリヤの鳥かごもインテリアとして、室内を華やかにさせる効果がありました。
トカゲやカメ、カエル、ハリネズミまでも飼っていたのは少女の頃のビアトリクス・ポター。彼女は後に「ピーターラビットのおはなし」で世界中の人々を魅了することになります。しかしポターは動物たちを愛玩するだけではなく、その生態を観察をしていました。どんなふうに身体が動くのか、その骨格までに興味は広がります。ある日死んだうさぎを煮てその骨格を確認したこともあったそうです。擬人化した動物たちが登場する「ピーターラビットのおはなし」は、ポターが動物たちの正確な描写に基づいて描かれています。
イギリスではペットとして犬と猫、どちらが多いのでしょうか。イギリス人のご家庭の半数でペットが飼われているそうで、犬が多いと思いきや猫が多いとのこと。日本も犬が多いかと思いきやダントツに猫でした。犬たちはお散歩と称した排泄のため外に出ているので、多いと感じてしまうのでしょうか。お犬さまばかり目立っていたと思っていましたが、猫はお家にいるからというわけのようです。イギリスの貴族の犬たちは元々狩猟のために、ご主人様たちと出かけています。愛らしいプードルもビーグルも、レトリバーも銃で撃った鳥を拾い、うさぎやキツネを追い詰める能力を持っているのです。
また猫たちも元々はねずみを獲るために飼われ、イギリスでは有能なウィスキーキャットのお話も残っています。また貧しく労働を強いられていた少年が、飼い猫がたくさんのねずみを捕まえたので、その猫がたくさんのお金をくれて、やがて名声と地位を手に入れるお話もあります。「ディック・ウィッティントンと猫」のお話は、イギリスではとても有名なお話。犬や猫たちはかつて共に暮らすペットだけではなく、生活を助けてくれる存在だったようです。
※ケンジントンガーデンでお散歩中のフォックステリア。その視線の先にはどうやらカラスがいるようです。