映画や海外のTVドラマを字幕なしで観たい-Possession

2024.09.12

お役立ち情報

映画や海外のTVドラマを字幕なしで観たい 
字幕にばかり頼っていてはリアルなセリフはわかりません。映画を観るときは英語の世界にひたってみましょう。

何気なく聞いていた映画のセリフ。このシーンにこの言葉。はっと意味がわかった時、英語が身近になった気がするかもしれません。

  • Possession~From the United Kingdom

「Possession」の原作は、英国の小説家アントニア・S・バイアットが1990年にブッカー賞を受賞した作品。ヴィクトリア時代の桂冠詩人と女性詩人との恋が、長い時を超えて明らかになります。詩人たちは実在ではないようですが、モデルは特定されていません。隠されていた恋の書簡を最初に見つけたのは、アメリカから来た研究者ローランド。大英博物館の所属している教授にほのめかすと、

Surprised me!
「任せるよ」と言いながらも小馬鹿にした物言いです。この教授の英語も聴き取りやすく、また役柄のいい味を出しています。よく大学の研究者たちが口にする、

Publish or perish?
論文で発表しなければ消え去れ、と言うフレーズも他の研究者が口にします。これは研究がモノにならなければやめろという、研究者たちの心理的な圧迫を示しているフレーズです。研究は地道な作業。千載一遇の機会をモノにするか、しないか。その発表までがその研究の成果です。

やがて、女性詩人の研究者のモードと出会ったローランドは、詩の言葉の謎解きをしながら、隠された過去のふたりの詩人やりとりを探していきます。女性詩人の末裔でもあったモードは、彼女の家で詩に隠されたメッセージを見つけ、ローランドとともにふたりの旅路を辿ります。現代の研究者ふたりとヴィクトリア時代のふたりの詩人が、呼応するように登場して、お互いの恋も進んでいきます。

美しい英国のヴィクトリア時代の過去の場所を、同じ場所を現代に引き継ぎ、お話は進みます。最初に登場する大英博物館の中で実際の撮影も行われていますので、博物館の裏側も興味深く観ることもできます。また最初にローランドが詩人の書簡を見つけたロンドン図書館もなかなか見られるところではありません。

さあ、それぞれの恋の行方はどうなったのでしょうか。想像通りなのか、意外な結末なのか… 映画でお確かめください。

ちなみに桂冠詩人は英語でpoet laureate。発音しづらいlaureateは、ローレル、月桂樹の冠をいただくから派生した英単語で、受賞者の意味としても使われます。

※写真はローランドが勤務する大英博物館の図書室。大英博物館のリーディングルームは、グレートコートの内側にある美しい図書室です。チャールズ・ディケンズ、オスカー・ワイルドらのイギリスの作家をはじめ、ドイツの経済学者カール・マルクス、ロシアの政治家ウラジミール・レーニンらもこの図書室に通っていたそうです。