Effigy~From the United Kingdom

2024.07.20

英国史雑学

小学生の頃に買ってもらった世界の美術の本に、彫刻といっしょにこのeffigy、彫像が載っていたのを覚えています。それは棺のようで 教会の墓所にありました。横たわった彫像は、そこに眠る人の生前の姿をカタチにしています。胸元で手を組み、まるでその中にご遺体があるようです。このeffigyはヒト型にした墓の彫像。イギリスやフランスの王室の墓所にあります。キリストは復活の時は東から現れる。だから西を枕に、東に足を置いて、キリストを迎えるように埋葬されているというわけです。

  • Effigy~From the United Kingdom
  • Effigy~From the United Kingdom

ウエストミンスター寺院には、1603年69才で薨去されたエリザベス1世の墓があります。やはりeffigyがあり、その場所で永遠の眠りにつかれています。エリザベス1世と覇権を競ったスコットランド女王メアリー・ステュアートは、エリザベス1世の暗殺計画でロンドン塔に幽閉され、1587年その命を絶たれます。同じ時代に生まれ、姻戚でありながら、お互い持つ国と宗教の違いが運命を変えていきました。実はメアリー・ステュアートも、エリザベス1世と同じウエストミンスター寺院に、そのeffigyの下に埋葬されています。しかしその場所は寺院の北と南に分かれ、その死後も寄り添うことは許されなかったようです。

またイギリスのダービーシャーのハドンホールのチャペルには、9才で亡くなった公爵の長男のeffigyがあります。母親のヴァイオレットが自ら製作したeffigy。その台座には若くして逝った我が子を見守るように、両親と家族たちの横顔がメダリオン、円形のレリーフに彫られています。そのお話は…
●情報はこちら

※写真はパリにあるフランス王アンリ2世とカトリーヌ妃の墓所等です。
次にウエストミンスター寺院を訪れたら、因縁のエリザベス1世とメアリーのお墓を探してみたいと思っています。