Gargoyle~From the United Kingdom

2024.05.02

異文化理解

ずっと昔のシェーンにいた講師のお話です。彼はオックスフォード出身で建築を専攻していたと聞いたので、1枚の写真を見せました。それはオックスフォードで撮影した写真だったのですが、壁に人のような顔があったのです。ずっとこれは何かと不思議に思っていたところ、講師の一言は、gargoyle。初めて聞いた言葉です。

  • Gargoyle~From the United Kingdom

  • Gargoyle~From the United Kingdom

ガーゴイルとは雨樋に装飾したもので、物の怪のようなカタチを模して作られています。ヨーロッパの建築物に多く、パリのノートルダム大聖堂にもあるそうです。

オックスフォードにもたくさんのカーゴイルがあり、たまたま優しいお顔のものを見つけて撮影したのですが、もっと恐ろしいものもあったようです。セント・メアリー教会の細く狭い階段を登った先は、オックスフォードの街を一望できる展望スペースがありました。長い階段を息切らせて登ったのですが、急に空が晴れ、その疲れも忘れるほどにオックスフォードの街を撮影し始めました。確かに教会の彫刻も見事だったのを覚えています。ドーム型の図書館、ラッドクリフカメラも陽を浴びて美しく輝いていました。無心にカメラのシャッターを切っていたのですが、その横にもガーゴイルがあったようなのです。それも聖母マリア様が口を開けて、恐ろしい顔をしているガーゴイルが… その口から溜まった雨水が流れていくのでしょう。それにしてもマリア様のお顔にしなくてもいいのにと思います。ラッドクリフカメラの全景に夢中で、マリア様のガーゴイルを見つけなくてかえってよかったと思います。

日本でも寺院に、瓦の先端などに鬼瓦を置きます。大きな口を開けて邪気を払うその姿は、ガーゴイルと同じなのかもしれません。ただし鬼瓦は雨樋ではなく、雨仕舞いの役割を果たすそうで、屋根の雨が漏れないようにしているそうです。ガーゴイルも鬼瓦も、建造物を雨から守るために作られていたようです。それも世にも恐ろしい顔で守り続けています。