【えっ!こんなに違うの?】海外のクリスマスの過ごし方まとめ

2023.10.28

異文化理解

ハロウィンが終わってしまうと、次はクリスマス。日本では家族や恋人と過ごすのが定番ですが、海外のクリスマスの過ごし方は日本と違うのでしょうか? またクリスマスといえばクリスマスケーキ! でも海外でもクリスマスケーキって食べるのしょうか?

今回はクリスマスがテーマです。クリスマスの雑学などを交えながら、クリスマスの異文化理解を深めていきましょう。まずはクリスマスって、何の日だったか、それはご存知ですよね…

クリスマスの基本情報

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意外と知らないクリスマスのこと。イエス・キリストの誕生日が12月25日だと思っていたのですが、実は違うようです。

▼クリスマスとは

クリスマスはイエス・キリストの降誕を祝う行事で、元々はキリスト教徒たちのお祭りです。12月25日が誕生日という記述はどこにもないようです。またキリスト教では「誕生」ではなく、「降誕」という言葉が使われているようです。聖書にはNativity of Jesus―イエスの降誕―と記されています。12月25日の北半球は、1年で日照時間が短くなる冬至の時期に当たります。その暗く寒い時期にあえてイエス・キリストの降誕祭を設けて、人々に光と希望を運んでいるように思われます。

またクリスマスの言葉は英語表記にすると、「Christmas」。これはキリストの「Christ」とミサの「mass」を併せて成り立っている言葉です。英語でXmasと記される時もありますが、これはギリシャ語から由来しています。X’masと書かれていた時期もありましたが、どうやらこれは書かない方が好さそうです。英語でクリスマスを表記する時は、Christmasと書きましょう。

▼クリスマスイブとは

「イブ=前日の夜」という意味ではないようです。「eve」は古い言葉の「even」―夕方や晩の意味の「evening」と同じ意味―を省略した言葉で、クリスマス・イブはクリスマス当日の夜を指すのが本来の意味のようです。教会の暦では24日の日没がもうイブになり、降誕祭は始まっています。宗教と暦の昔からの習慣を、日本ではクリスマスの前夜24日をイブとして、わかりやすくしていたのかもしれません。

ただ「eve」には前夜の意味もあります。新年を迎える大晦日は、英語では「New Year’s Eve」と呼んでいます。海外ではクリスマスから新年の1月1日までが休みになり、1月2日からは会社も学校も始まります。日本のようなお正月や松の内はありませんが、11月下旬頃からクリスマスの準備に入り、お休み気分の1ヵ月は新年でお仕舞いというわけです。

▼サンタクロースとは

サンタクロースの由来は、4世紀頃のキリスト教の司祭、セント・ニコラスと言われています。セント・ニコラスは姿を変えては人知れず貧しい子どもたちに救いの手を差し伸べていたそうです。セント・ニコラスが行ったことは伝説となり、その崇敬は中東からギリシャの東ヨーロッパの東方教会から、ローマカトリックを始めとした西方教会まで広がり、サンタクロースとしてその名を残していったようです。

今ではフィンランドにサンタクロースの街があり、雪とトナカイといっしょの印象が強いサンタクロースですが、実在のセント・ニコラスは今のトルコの地にあったキリスト教会の司祭だったそうです。意外かと思われますが、イエスの降誕地はベツレヘムと言われています。今のイスラエル、パレスチナ、ヨルダン、シリア、トルコ、エジプト、ギリシャあたりまでさまざまな逸話が残っているのも、イエス・キリストの家族たちを含めてヨーロッパより東が生活拠点だったからです。


海外のクリスマスの過ごし方

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クリスマスは特別な日。今ではキリスト教徒だけではなく、世界中で楽しみにしている日です。各国のクリスマスの過ごし方をご紹介していきましょう。

▼イギリス

イギリスでは家族みんなで過ごすのが一般的です。クリスマスのためのアドベント(待降節)カレンダーというものがあります。12月1日から1日ずつ窓を開けて、クリスマスまでの日々を指折り数えて待ちます。アドベントカレンダーには隠されたチョコレートなどのお菓子やプレゼントがあり、毎日開ける楽しみもあります。

またイギリスのクリスマスは、クリスマスプディング作りから始まると言われています。クリスマスプディングはイギリスのクリスマスの定番ケーキ。Stir-up Sunday―クリスマスの5週間前の日曜日から、クリスマスブディング作りが始まります。プディングの中身のドライフルーツなどをかき混ぜる(stir up)ことから、この日をStir-up Sundayと呼んでいます。5週間前に作ることで、ドライフルーツとお酒が馴染んでよりクリスマスブディングは美味しくなるそうです。プディンのグの上には柊の葉と実を飾るのが一般的です。

そしてクリスマスツリーは本物のモミの木。シェーンのある講師は日本に住んでいる今でも、クリスマスツリーには本物のモミの木を探して毎年飾っているようです。

▼アメリカ

アメリカでもクリスマスは家族で過ごす日です。クリスマスツリーの下に、家族や親戚からのプレゼントが山のように積まれます。クリスマス料理はローストターキーかローストポークが一般的のようです。クリスマスケーキを食べる習慣はないようですが、代わりにクリスマスクッキーを焼くことが多く、星やジンジャーマンなどの形になっているクッキーをよく見かけます。

またクリスマスホリデーシーズンの定番の飲み物は、エッグノッグ。エッグノッグは牛乳とクリーム、砂糖、溶き卵にブランデーやラム酒などのアルコールを混ぜた独特なカスタードドリンク。海外では生で卵を食べる習慣のないことが多いのですが、エッグノッグは特別で、そのためにアルコールを入れたり、ミルクで温めたりしているようです。

またクリスマスツリーは本物のモミの木を飾る家庭も多いようで、サンクスギビングディを終えると、クリスマスツリーの準備が始まります。アメリカの巨大なツリーたちは街を華やかにし、クリスマスの暗い夜を彩ります。有名なニューヨークのロックフェラーセンターのクリスマスツリーをはじめ、取引証券所のクリスマスツリー、メトロポリタン美術館と、クリスマスシーズンにニューヨークに出かけたら、一度は見てみたいクリスマスツリーたちです。

▼ドイツ

ドイツはクリスマスの本場かもしれません。ドイツには世界最古のクリスマスマーケットもあります。クリスマスマーケットでクリスマスの準備が始まりす。アドベント(待降節)の期間中は、街中クリスマスで一色です。クリスマスツリーをモミの木にしたのはドイツからと言われています。冬でも生き生きとした緑のモミの木は、三角形のカタチにも見えるので、キリスト教の教えの「三位一体」になぞらえて、イエスの降誕をモミの木のクリスマスツリーで祝うことになったようです。

またドイツのクリスマススイーツの定番は「シュトレン」。バターたっぷりの生地に、ブランデーに漬け込んだドライフルーツ、雪のようにたっぷりまぶされた粉砂糖。11月末からのアドベントの期間中、少しずつスライスして食べ、クリスマスを楽しみに待つのもドイツ流です。

▼フランス

フランス語でクリスマスは「ノエル」。フランスのクリスマスのケーキの定番は「ブッシュドノエル」です。クリスマスの薪を意味するこのケーキはロールケーキ。大きな薪を暖炉にくべて、クリスマスから新年にかけて部屋を暖めることから、この大きな薪がフランスのクリスマスケーキになりました。

フランスのクリスマスシーズンは11月末頃から始まり、24日のクリスマスイブが近づくと、家族と過ごすために帰省ラッシュも始まります。フランスでは、家族一人ひとりにプレゼントを用意するのが一般的だそうです。家族が囲むクリスマステーブルも気になります。24日はシーフード中心のディナーです。スモークサーモンやフォアグラを使った前菜から、生牡蠣をはじめとするシーフードの盛り合わせが定番のフランスのクリスマスディナー。25日のディナーはターキーが定番でしたが、最近はローストチキンやローストビーフも一般的になっています。フランスではシャンパンとともに何時間も、美味なクリスマスディナーを堪能しているようです。

▼オーストラリア

オーストラリアは南半球なので真夏のクリスマスになります。やはり家族とゆっくり過ごすための大切な日がクリスマス。オーストラリアらしく、ビーチでBBQをする人たちもいるようです。

クリスマスツリーには赤や黄色など暖色系の飾りが多く用いられますが、真夏のオーストラリアは青や白などの涼しげな寒色系の飾りが多く見られるようです。イギリスから伝わった26日のボクシングディの休日もあります。これクリスマス翌日の26日は、元々は仕事をしていた使用人たちのための休日で、家の主人は使用人たちのためにボックスに入れた贈り物をすることに由来しています。今ではボクシングディセールがあり、オーストラリアの中でも1,2を争う一大セールが開催されているようです。

▼韓国

日本と同じように友達や恋人、家族などそれぞれの大切な人と過ごすのが韓国のクリスマス。家族でホームパーティをしたり、カップルで映画やミュージカル、コンサートを行ったり、思い思いに過ごしているのは日本と同じようです。

韓国はクリスチャンが多く、クリスチャンはクリスマスイブと当日にはカトリック教徒は聖堂でミサを、プロテスタント教徒は教会で礼拝に出かけます。クリスマスのテーブルには韓国料理はもちろん、日本と同じようにクリスマスケーキやピザ、パスタなども並び、いろいろな味を楽しんでいます。また欧米と同じように、大切な人へのクリスマスカードを送る習慣も韓国では定着しているようです。


「クリスマスの習慣」アレコレ、その始まりは…

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最後に意外と知らないクリスマスの習慣の由来もご紹介しましょう。クリスマスツリーはドイツでモミの木に飾ることが始まりましたが、それを一般家庭に浸透させたのは… さて誰だったのでしょうか。

▼クリスマスツリーは

イギリスの19世紀の君主、ヴィクトリア女王の夫君はドイツ中部の公国ご出身。ヴィクトリア女王とはいとこ同士でしたが、女王の一目惚れで1840年6月に結婚しイギリスで新しい生活を始められます。ご結婚後間もなく、アルバート公はドイツからの習慣のクリスマスツリーを、女王一家の住むウィンザー城に飾ります。
それを広めたのは当時のマスメディアです。画に描かれた大きなモミの木のツリーも、女王一家の近況とともに新聞で公開されます。アルバート公は開かれた王室を目指すとともに、国民にとって理想的な家族の姿を示されたかったようです。そこに女王一家の幸せそうな姿と、輝くクリスマスツリー。人々はそのクリスマスツリーに憧れ、一般家庭でもクリスマスツリーが飾られるきっかけとなったのです。

▼クリスマスケーキは

イギリスのクリスマスプディング、ドイツのシュトレン、フランスのブッシュドノエルと三カ国のクリスマスケーキをご紹介してきましたが、クリスマスケーキって、いつ頃から食べられるようになったのでしょうか。

元々はイギリスのドライフルーツのケーキがクリスマスケーキの始まりだったようですが、今ではイギリスのクリスマスは、クリスマスプディングに代わっています。イギリスのクリスマスプディングも、ドイツのシュトレンも日持ちがするケーキです。その理由はドライフルーツを使っていることと、特にシュトレンは生地に乳酸菌や酵母菌が入っていて、さらに長持ちするケーキとしても有名です。

日本のクリスマスケーキの起源はバースディケーキからのようです。日本ではクリスマスケーキと言えばストロベリーに生クリームのケーキが定番です。これはフランスのガトーフレーズというストロベリーケーキがその元となっています。クリスマスケーキにろうそくを立てる習慣もどうやら日本だけのようですが、イエス・キリストの降誕なのでそれがバースディケーキになり、ろうそくを立てお祝いしたのかもしれません。

では、今年も素敵なクリスマスになりますように…

Warmest wishes for a wonderful Christmas and a Happy New Year.
素晴らしいクリスマスと新しい年をお迎えできるよう、心から願っています。

「クリスマスメッセージを英語で書くには」… シェーンの「お役立ち情報」のライブラリーでご紹介しています。
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