Wales~From the United Kingdom

2023.11.20

英国史雑学

ウエールズはイギリスのグレートブリテンの中にあります。イギリスはイングランド、ウエールズ、スコットランド、北アイルランドの連合国。その連合国の1つのウエールズは、グレートブリテン島の南西部に位置しています。ウエールズの国旗はシンボルのレッドドラゴン。ユニオンジャックにこれが採用されなかったのは、すでにウエールズはイングランドと併合されていたからだそうで、確かにレッドドラゴンは全く他とは違う意匠ですから、ユニオンジャックとしてまとまらなかったかもしれません。

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イギリスは連合国ですのでロンドンの首都以外にも、スコットランドはエディンバラ、北アイルランドはベルファストと首都がそれぞれ定められています。ウエールズの首都はカーディフ。ウエールズの地にあまり馴染みがないせいか、なかなかこの地名が出てきません。ウエールズの首都のカーディフ城はウエールズのランドマーク。ローマ人が城塞を築いてから2000年もの歴史を経たカーディフ城は、ローマ人、ノルマン人、クレア、ディスペンサー、ビーシャンプス、ネヴィルの一族らの居城となっていました。ネヴィル家は15世紀の王となったリチャード3世の細君のご実家に当たります。カーディフ城にリチャード3世ご夫妻の美しいステンドグラスがあったのは、そういうわけだったようです。歴史は学んだことがつながって、はじめて合点がいきます。

エドワード1世とリチャード3世のお話はこちらでご紹介しています。
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ウエールズにはエドワード1世のお話も出てきます。その昔ウエールズにはルウェリンという王がいました。13世紀後期にイングランド王エドワード1世によって征服されたウエールズ。敗れたルウェリンの一族の血脈は途絶えましたが、ルウェリンの名は今でも引き継がれています。ルウェリンからはく奪したプリンスオブウエールズの称号を1301年にエドワード1世が息子に与え、それからはその称号が皇太子の代名詞となり、イングランドがウエールズを一体となったことを明確にしました。その後ウエールズは15世紀にも反乱を起こしますが、その鎮圧後はイングランドに戦いを仕掛けることはしませんでした。

ウエールズの海辺の街、アベリストゥイスにある邸宅がありました。1738年に建てられたその邸宅。実はかつてここに居た人たちの気配が感じられるそうで、なかなかイギリスらしい邸宅です。今はホテルとなって宿泊客を迎えていますが、当時のチャールズ皇太子、プリンスオブウエールズもアベリストゥィスを訪問された時にもここに立ち寄られました。イギリスに留学していた知り合いが、その邸宅に行ったことがあるのですが、「ロンドンからもとても遠かった」と言っていました。彼女は霊感がないのと疲れていたので、「熟睡していたから、何もわからなかったわよ」とのこと。霊感のある方はスリリングな宿泊になりそうです。

※写真はウエールズのシンボルのレッドドラゴンと、アベリストゥイスの邸宅から見える牧歌的な景色