英検Ⓡのスピーキング対策どうする?1級~5級の試験内容と勉強法  

2023.05.02

試験対策

英検一次試験の筆記試験が合格すると、次は面接委員との対面の面接試験に進みます。英検合格のためにはこのスピーキングの練習を積み重ねていくことが大事です。日本語でも緊張してしまう面接を英語でするのですから、平常心を保つことは難しいところです。相手の英語に耳を傾け、何を問われているのか考え、英語で解答する力をつけていく必要があります。そのためにはどんな勉強法がおすすめなのか、また面接に当たっての注意点や対策方法などを今回ご紹介します。最初に英検のスピーキングテストがどんなものか、のぞいてみましょう。

英検Ⓡのスピーキングテストについて

  • 英検Ⓡの二次試験の対策方法とは?流れやポイント、使えるフレーズ 

英検はお子さまから社会人の方まで5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級とレベルが上がるごとに難易度は高くなります。特に準1級から1級への壁は厚く、話題もアカデミックな内容にまで及んで最後まで気が抜けません。スピーキングテストが必須になるのは3級からで、中学卒業程度のレベルからスピーキング力が試されることになります。

英検Ⓡのスピーキングテストとは

スピーキングテストとは英語を口頭でアウトプットする力をチェックします。国際社会では英語が基本のコミュニケーション。英語のリスニング、スピーキング、 リーディング、ライティングの4スキルをバランスよく身につけていく必要があります。特に日本人が苦手する、リスニングとスピーキングのトレーニングを強化していかなければなりません。

スピーキングテストの実施日

スピーキングテストは毎年3回実施されます。英検3級以上は一次試験合格者が二次試験でスピーキングテストへと進むことが可能になります。5級と4級では希望者のみがスピーキングテストを受けることができ、スピーキングテストのための練習方法としての活用ができます。

英検の公式サイトでは試験日程や、試験の内容など詳細が掲載されていますのでご確認ください。

英検Ⓡの1級~5級のスピーキングテストの概要

  • 英検Ⓡの二次試験の対策方法とは?流れやポイント、使えるフレーズ 

次に級別の英検のスピーキングテストをご紹介していきます。5級と4級は希望者のみオンラインでの受験ができます。

4級と5級のスピーキングテスト

4級と5級のスピーキングテストは希望者のみが自宅で受けることができます。級の合格点には影響しないので、気軽に模擬試験として受けてみましょう。スピーキングテストを合格はウエブサイトで後日閲覧できます。

1級~3級のスピーキングテスト

1級~3級のスピーキングテストでは面接官との個人面談が行われます。スピーキングテストはイラストと問題文が載った問題カードが最初に渡されて、その内容に合わせた質問が英語のみで進んでいきます。面接官は日本人かネイティブかは事前にはわかりません。パッセージを音読した後に、イラストの描かれた問題カードの内容について質問が行われます。準2級以上のスピーキングテストでは自分の意見を的確に発信する能力を求められ、級が上がるにつれネイティブに準じた英語力が問われます。

英検Ⓡの1級~5級のスピーキングテストの問題構成

  • 英検Ⓡの二次試験の対策方法とは?流れやポイント、使えるフレーズ 

どんな面接形式なのか、級別に挙げていきましょう。5級と4級は模擬テスト感覚で、希望者のみが受験できます。パッセージ(英文)を読むので音読練習は絶対必要です。黙読して、英語を発話する練習はスマホなどに録音して確認していくこともおすすめです。

5級のスピーキングテストの問題構成

〈5級の問題構成〉
形式・課題 問題数 内容
音読 1 ・20語程度の英文を読む。
質問回答(文章) 1 ・読んだ英文に関する質問に答える。
質問回答(イラスト) 1 ・イラストに描写されている人物や物に関する質問に答える。
受験者自身について 1 ・日常生活に関する質問に答える。

4級のスピーキングテストの問題構成

〈4級の問題構成〉
形式・課題 問題数 内容
音読 1 ・25語程度の英文を読む。
質問回答(文章) 2 ・読んだ英文に関する質問に答える。
質問回答(イラスト) 1 ・イラストに描写されている人物や物に関する質問に答える。
受験者自身について 1 ・日常生活に関する質問に答える。

3級のスピーキングテストの問題構成

〈3級の問題構成〉
形式・課題 問題数 内容
音読 1 ・30語程度の英文を読む。
面接官は発音や流暢さをチェック。意味を理解したうえで面接官に伝わるように音読する。面接官とのコミュニケーションや態度も評価の対象となる。
質問回答(文章) 1 ・読んだ英文に関する質問に答える。
質問回答(イラスト) 2 ・イラストに描写されている人物や物に関する質問に答える。
受験者自身について 2 ・日常生活に関する質問に答える。
身近なことがトピックとして使われています。過去形などの時制もうまく使いわけて話せるよう練習していきましょう。たくさんの練習は安心と自信をもたらしてくれるはずです。

準2級のスピーキングテストの問題構成

〈準2級の問題構成〉
形式・課題 問題数 内容
音読 1 ・50語程度の英文を読む。
質問回答(文章) 1 ・読んだ英文に関する質問に答える。
「Why~?」「How~?」と質問されることが多い。
質問回答(イラスト) 1 ・イラストに描写されている複数の人物が何をしているのかを答える。
質問回答(イラスト) 1 ・イラストの中の人物の状況を答える。
登場人物が何を思っているのか、どうしたいのかを答える。
受験者自身の意見(問題カードに関連) 1 ・基本的に「Do you think~?」と質問される。
「Yes」「No」で回答する。「Yes」と答えた場合は「Why?」「Please tell me more」、「No」と答えた場合は「Why not?」と理由を訊かれる。
受験者自身の意見(問題カードに直接関連しない) 1 ・身近な日常生活に関する内容の「Yes」か「No」で答える質問がされる。
家のこと学校のことに加えて、自分の地域などの状況も出てきます。学校のことや趣味のこと、スポーツ・映画・音楽・歴史や食事・海外の文化・自然と幅広いトピックが想定されています。自分のことが説明できる英語力を持つことを心がけます。

2級のスピーキングテストの問題構成

〈2級の問題構成〉
形式・課題 問題数 内容
音読 1 ・60語程度の英文を読む。
質問回答(文章) 1 ・読んだ英文に関する質問に答える。
「Why~?」「How~?」と質問されることが多い。
質問回答(イラスト) 1 ・問題カードに描かれている3コマイラストの展開を説明する。
イラストを見て考える時間は20秒与えられる。
受験者自身の意見(問題カードに関連) 1 ・多くの問題は「Some people say that~」などと意見を紹介したうえで、「What do you think about that?」と質問される。
受験者自身の意見(問題カードに直接関連しない) 1 ・問題カードとは関連のない現在の社会現象が説明されて、「Do you think~?」と問われる質問が多い。
2級以上はトピックが社会的なものが出題されます。環境問題やエネルギー問題などに日頃から目を向けて、自分の意見を伝えられるよう練習しましょう。

準1級のスピーキングテストの問題構成

〈準1級の問題構成〉
形式・課題 問題数 内容
自由会話 ・面接官との簡単な日常会話を行う。
試験としての配点はないが、態度・姿勢の評価には影響する。
ナレーション 1 ・4コマのイラストのストーリーを順次立てて説明する。
制限時間は2分間ほど。
受験者自身の意見など 1 ・4コマのイラストに関連した内容の質問に答える。
自分がイラストの登場人物だった場合の考えを問う問題がよく出題される。
受験者自身の意見など 2 ・イラストのトピックに関連した内容についての質問に答える。
「Do you~?」「Should~?」などの形で質問されることが多い。
受験者自身の意見など 1 ・イラストのトピックにやや関連した、社会性のある内容についての質問に答える。
トピックとかけ離れた内容であることもあるので、注意深く質問に耳を傾ける。

1級のスピーキングテストの問題構成

〈1級の問題構成〉
形式・課題 問題数 内容
自由会話 ・簡単な自己紹介や当日どのようにして試験会場に来たかなどを訊かれる。
試験としての配点はないが、態度・姿勢の評価には影響する。
スピーチ 1 ・「トピックカード」に書かれた5つのトピックから1つを選んでスピーチをする。
制限時間は2分間ほど。
質問回答 ・受験者のスピーチに基づいて、5問程度質問される。
準1級・1級の高レベルになると、英語圏の思考も取り入れていく必要が出てきます。ロジカルシンキングと呼ばれる自分の考えを論理的にまとめる必要があります。演繹法や帰納法を用いて、事柄などの説明を順序だてわかりやすく説明していく力も求められてきます。
 

【4級・5級】英検Ⓡのスピーキングテストの対策

試験内容に合わせてどんな面接対策をしていけばよいのでしょうか。まずは5級と4級からその傾向と英検対策を見つけていきましょう。

疑問詞を聞き取れるようにする

疑問詞で質問されるため、その対象を明確にしていく必要があります。疑問詞を聴き取れないと、問題の内容がわからなってしまいます。5W1Hと呼ばれる疑問詞の、「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」をしっかりとマスターしていきましょう。

代名詞で答える練習をする

質問に対して基本的に彼や彼女などの代名詞で答えることが多いようです。He・She・This・These・Thatなどと、対象の代名詞の使い分けを押さえていきます。

身近にあるものを英単語で覚えておくと、円滑なコミュニケーションがはかれます。5級で使う英単語のレベルは中学1年生の初期までに習う内容で、4級では5級よりもややレベルが上がってきます。中学1、2年生までに習う英語の単語を積極的に身につけることを心がけましょう。

【1級~3級】英検Ⓡのスピーキングテストの対策

英語の基本から3級からネイティブレペルの英語力を証明する1級まで、そのスピーキングテストの難易度とその特徴は違いますが、総論の二次対策を考えて、英語学習の準備を進めます。1級で合格率が極端に下がるそうです。このレベルでは旺文社の発行する問題集も参考書も関係なくなりそうです。効果的に合格ラインをクリアするには自分しか頼れません。一発合格できた人の英語力は驚異的です。

基本的な英文法をマスターしておく

級別に必要とされる英単語や英文法などを徹底的に身につけます。知らない英単語や英文法は、実際の英会話の中で使うことができないので、スピーキングを学ぶ土台を着実に築くためにも単語を着実に身につけることを心がけます。

英語を聞く練習を行う

一度も聞いたことがない表現は、会話では使えません。よりや多くの英語のフレーズや短文を聴き、インプットを続けていきます。毎日の生活にできるだけ英語を聴いたり、観たりする時間を取り入れることをおすすめします。オンライン英会話などを利用して、しっかり集中して聴くこと、聴き流すことを続けて、英語独特のリズムを自然に身につけることに努めていきます。

シャドーイングを行う

シャドーイングは英語の音源を聞きながら、それを追いかけるようにして発音する練習方法のことです。聴いた英語をすぐに発話するためスピーキングの学習にもなり、言葉を発話する機会を持てます。文章中のどこで区切るべきか、どんなリズムで読めばよいか、どこにアクセントを置くかを耳にして、口にして身につけることができます。

シャドーイングについてはシェーンの「お役立ち情報」を併せてご覧ください。

シャドーイングのやり方とは?コツをつかんでネイティブ並みの発音に
●情報はこちら
 

英語で独り言を言う

5W1Hを意識して、相手に伝えるように独り言を言う習慣もつけてみてください。いつも英語を口にすることで、スピーキングの上達を目指します。Thank you.と何度もつぶやいて、ありがとうの感情をいろいろと表現してみましょう。さらにいろいろと短いフレーズをご紹介します。

Here you are.
これです。

It’s OK.
大丈夫です。

Me, too.
私も。

Sure?
ほんとに?

Are you sure?
ほんとうですか?

That's true.
その通りです。

I couldn't agree more.
全く同感です。

You must like it.
あなたはきっと好きになるはずです。

独り言では主語を抜かしても、面接ではきちんと主語を入れていくことを心がけてください。

Here you are/これです、のフレーズは面接官に面接カードを渡す時の答え方で使えます。無言で渡すより英語を話す積極性を感じてもらえそうです。

          ****************************************************************************************************

英検のスピーキングテストについては、英検公式サイトで体験版の「バーチャル二次試験/バーチャルスピーキングテスト」をぜひのぞいてみてください。本番の流れがわかり、面接官との挨拶、やりとりが順を追って紹介されています。

例えば面接室では次のようなことが行われています。

入室→面接カードを手渡す→着席→挨拶→印刷された問題カードの手渡し→パッセージの黙読→パッセージの音読→パッセージの質問→イラストの質問他→退室

動画で実際の二次試験を体験することができます。また面接官の英語の指示や、受験者の解答例の音声を聴くことができます。

First, please read the passage silently for 20 seconds.
最初に、バッセージを20秒間黙読してください。

どんな指示語が質問に入っているかも耳にすることができ、さらに受験者がどんなアティチュード―姿勢で臨んでいるかもわかります。過去問などのサンプル問題に取り組むことで、英検の試験のコツをつかむことができます。予想問題としての勉強に活用できそうです。

英語のコミュニケーションに馴れ、リラックスした練習を続けましょう

  • 英検Ⓡのスピーキング対策どうする?1級~5級の試験内容と勉強法  

面接では英語を発話しなければ始まりません。沈黙していては採点に響きます。緊張して頭が真っ白になることがあっても、英語で話すことを忘れてはいけません。

Let’s see…
ええと…

Could you say that again?
もう一度それを言っていただけますか?

など、英語を話す時のつなぎの言葉や、訊き直すフレーズも覚えていきましょう。

またお子さまのスピーキング練習には、レッスンや特訓まではいかなくもご家庭でお父さまやお母さまと、英語で話す機会も作ってみてはいかがでしょうか。自然な会話表現を楽しくリラックスした雰囲気で覚えていくことも、記憶の定着を促します。アプリなどの動画の教材で二次試験対策もあるようですので、無料なら試してみたいところです。

シェーンでも日本人講師による英検対策のコースを行っています。受験生の合格の級に合わせて対応、準備時間をかけて学ぶレッスンと短期集中で学べるレッスンをご用意しています。どうぞお気軽に無料体験レッスンをお試しください。


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最近の英検はCSE (Common Scale for English)で、世界で通用するスコアと連携しているようです。3級レベルで満点なら、CSEの2300から2600レベルに手が届きそうです。この3級の点数を着実に積み上げていけば、英語習得も夢ではありません。大学受験対策で英文法を積み上げ、英会話を実践で使えるスキルをぜひ身につけてください。

Let's have fun in English!

面接官も同じ人間です。臆せず、焦らず、相手の英語に耳を傾けて、英語のコミュニケーションを楽しむつもりで臨むと、高評価を得られると思います。