「f」の発音方法や注意点|「f」と似ている「v」の発音との違い
2023.03.02
英語には子音のみを発音する音があり、「f」はその子音のみ発音するアルファベットです。この「f」の英語の音も日本人にとってあまり馴染みがない発音で、読み方にも意識が必要です。日本語の50音は基本的に、母音だけか母音+子音で発音され、子音だけで発音することはありません。日本語の発音方法は母音が5つ、英語発音の母音は短母音、長母音、二重母音、三重母音とまたまた複雑です。
英語学習はリスニング力やスピーキング力向上も大切ですが、英会話には単語の持つそれぞれの発音の勉強法も必要です。そこで今回は、日本語にはない「f」の音をご紹介していきましょう。意外と苦手な「f」。でもよく登場するのも、「f」の入る英単語です。「f」が上手に発音できるコツを解説できればと思います。
「f」の発音とは?
日本語にはない「f」の発音。簡単にできそうでできないのには理由がありそうです。子どもたちが英語学習で活用するフォニックスでは「f」は、/éf/・/f/・flowerと習います。
「f」の音は摩擦音
「f」の音は摩擦音になります。英語の音声で摩擦音とは、唇や舌、歯などのわずかな隙間から息をはいて、発音する音のことを言います。肺から上がってきた空気が歯や舌、唇などの隙間を通るときに内側から生じる音で、日本語ではあまり使われない音のため、日本人にとって発音が難しいアルファベットと言われています。
「f」の音は無声音
「f」の音は無声音。この無声音とは何でしょうか。これは声帯を振動させずに出す音のことです。喉に手を当てて発音しても、喉の振動を感じられないのが特徴です。無声音のアルファベットは他に、「c」、「h」、「k」、「p」、「q」、「s」、「t」、「x」がそうです。
この「f」と同じ発音をするつづりは他にも、「gh」や「ph」があります。英単語のgraphとphotographの発音で使われています。これらもよく使われる英単語です。
「f」の発音の方法とコツ
ではどうやったらネイティブに伝わるような「f」の発音と、その発音の仕方を手に入れることができるのでしょうか。その発音方法とコツを説明していきます。
発音方法
まずは軽く口を開けて上の前歯を下唇に当てます。上の前歯と下唇の隙間から空気を出し、その空気を出する音が自然な「f」の音になります。
発音のコツ
「f」の後に続けて母音を発する場合は、下唇を上の歯から離して開く動きになります。息を出しながら下唇だけを少し突き出すようにすると発音しやすいようです。例えばfoodなどの単語で発音練習を続けてみてください。上唇、舌先、上の歯茎と同時に意識するわけではないので、難しくはありません。くれぐれも「h」との発音の違いを理解してみてください。発音に似ていますが、異なる音になります。Foot/ fˈʊt /と、hot / hάt /で練習してみましょう。
また冷蔵庫は英語で何というのでしょうか。最近よく日本語でも使うfreezerは冷凍庫だし、英語の冷蔵庫が思いあたりません。実は英語の冷蔵庫、なかなか難しい発音です。でもここにもfの音が入っていたのです。
冷蔵庫/refrigerator/rɪfrídʒərèɪṭɚ
ネイティブスピーカーたちもこの面倒な発音はせず、普段は略して、
fridge/ frídʒ
と呼んでいるようです。この機会にfの発音とともに、冷蔵庫のfridgeも覚えてください。
「f」を発音する際の注意点
では「f」を発音する際には、どんなことに気をつければいいのでしょうか。
「f」は日本語の「ふ」と発音が異なる
日本語の「ふ」の発音は、どうやら「hu」ではなく、「ɸɯ」になるようです。日本語の県名、福井の英語表記は「Fukui」と書き、これが「f」の発音になっています。英語を話す人たちにとっては、「hu」の発音が難しいので、「f」を使っているそうです。日本語の「ふ」と英語の「f」と、「ふ」の「ɸɯ」は、音を出す口の形や音が鳴る場所が異なることになります。
上の前歯で下唇を強く噛まない
上の歯と下唇の隙間から空気が出ることで発音されるため、上の前歯で下唇を強く噛むと空気の通り道がなくってしまいます。おすすめの「f」の発音は、軽く押さえて唇を意識するだけの発音でよさそうです。
「f」の発音と似ている「v」の発音
「f」に続いて似ている、「v」の発音もご紹介していきましょう。「f」と同じく、「v」も摩擦音です。
「f」も「v」も摩擦音
「f」も「v」もどちらも、上の前歯と下唇の隙間から空気を出して発音する音です。発音するときの口の形が、「f」と「v」は同じになりますが、その違いは有声音。「v」は発音するときに喉が震えます。
「v」は有声音
有声音とは声帯を振動させて出す音のことで、喉に手を当てて発音すると、手が喉の震えを感じます。「f」の口の形のまま、/víː/と音を出すようにして発音してみましょう。上の前歯と下唇の隙間から発音していきます。
ネイティブに通じる英語の発音を手に入れるために
英語の発音の練習は、普段意識して使わない唇や歯を使いますので練習には気を遣い、とても疲れてしまいます。これらの発音ルールを意識しながら自然に英語のフレーズに取り入れていくのは、なかなか技が必要です。シェーンではお子さまのレッスンでフォニックスを取り入れて行っています。フォニックスとは、アルファベットの音とつづりのルールを学んでいくもので、英語圏の子どもたちもこれで英語の音を身につけています。
シェーンの小学校低学年では、アルファベット1文字が表す音から習い始め、次第に子音の2字1音、子音連結、長母音、支配母音、長母音の2字1音、二重母音、あいまい母音、語尾のy、単語のアクセントとだんだんと複雑になりますが、例文などを交えてわかりやすく指導していきます。
英語の発音も長い時間、耳で聴いたものを音にし、そして文字にして身につけていくものです。それは日本語も同じです。私たちも幼稚園では、子どもなりの日本語で聞いて話すことはできても、漢字で自分の名まえを書くことまではたどり着いてはいません。言語を習得することは簡単ではありません。習得するには時間が必要です。
シェーンのお子さまたちは、このフォニックスのルールで学んだことで、アルファベットには名まえと音があり、口のカタチの指導などを通して英語の音が日本語とは違うことを知っていきます。また音の足し算をし、フォニックスの学習を進めていくと、自分で英単語を読んだり書いたりできるようになるのです。やはり英語の発音を手に入れるのも時間が必要です。
さらに英語は発音だけではなく、ストレスやイントネーションのパターンもあります。それもアメリカ英語とイギリス英語でも違いがあり、また英語を母国語としない人たちのサバイバルイングリッシュと呼ばれる英語、それを話す人たちの英語があります。なかなか英語の発音の奥は深そうです。それでも英語の基本の発音を手に入れれば、何とかコミュニケーションは可能です。ネイティブたちに通じる英語の発音を手に入れるには、ネイティブたちの英語の音を聴き続けることが大切なことです。
シェーンの日常英会話のレッスンは、日本人が発音しにくい音、区別しづらい音、英語の音の変化(単語のつながり方による音脱落、同化、連結等)、単語や文のストレス、イントネーション、英語特有のリズムなどを毎回のレッスンで学習していくようにデザインされています。聞き手にわかりやすい自然な英語の発音を意識することで、リスニングの際に留意することにも気づけます。シェーンのオリジナルテキスト‟Time to Talk”に沿ったレッスンで、実際に使える会話表現を身につけていくことを目指していきます。
英語の発音はルールなどを頭だけで覚えるのではなく、ネイティブスピーカーの英語の音を聴き続けて、アウトプットにつなげられるのが理想的です。シェーンのレッスンでは発話の練習をしながら、発音の指導も適宜にしていきます。また英語は発音だけではなく、単語や文のストレス、イントネーション、リズムなど、まだまだ身につけるスキルはたくさんあります。
シェーンの日常英会話のレッスンは、日本人が発音しにくい音、区別しづらい音なども毎回のレッスンで学習していくように行っています。聞き手にわかりやすく、自然な英語の発音を意識できる、シェーンの日常英会話レッスンをぜひ一度ご体験ください。