Come and visit TATE BRITAIN-John Singer Sargent(1856-1925)

2024.06.10

英国史雑学

英国の画家と作品をどのくらい知っていますか?
最初に絵画を見た時の無垢な感動。それを大切にして美術館に足を運んでみましょう。
ここではロンドンにあるテート・ブリテンが収蔵する作品をご紹介します。詳細はテート・ブリテンのサイトをご覧ください。
 

  • Come and visit TATE BRITAIN-John Singer Sargent(1856-1925)

ジョン・シンガー・サージェントはフィレンツェで生まれたアメリカ国籍の画家。フランスで画を学び、肖像画家としての地位を確立しました。しかしあまりにも艶っぽい人妻像を発表し、醜聞に巻き込まれた後は、ロンドンに住むようになり、やがて肖像画を描くことはなったようです。

ここでは、提灯を持った少女たちの姿を描いたをご紹介しましょう。日本で開催された美術展に彼のこの画が展示されていましたので、実物をご覧になったことがあるかもしれません。

夏らしい夕刻、花々に囲まれて少女たちは提灯に火を点けています。手にしているのはランタンではなく、日本の提灯。草いきれを感じる庭、目線は画家が現実に立つ位置のようです。画家は少女たちを見守るように描いています。サージェントは生涯独身だったので、少女たちは子どもではありません。友人のイラストレーターの娘たちで、11才と7才の姉妹。いくつもの提灯に火を入れているので、これから何か催しがあるのでしょうか。画のタイトルは英国で人気の歌、「Ye Shepherds Tell Me」のくり返しの歌詞から採られています。薄暮に浮ぶ提灯の灯りの温かさと、その薄暗い中に漂うカーネーションと百合、薔薇の香りも感じさせてくれる1枚です。この油彩画はロンドンのテート・ブリテンにあります。

Carnation, Lily, Lily, Rose
John Singer Sargent(1856-1925)