Bacon~From the United Kingdom
2023.07.25
英国食生活
イングリッシュブレックファストの定番のベーコン。塩漬けにした豚肉の加工食品です。加熱すると脂が解けて、これが好きな人と嫌いな人と分かれそうですが、実はイギリスのベーコンは脂っぽくないのです。イギリスの朝食では必ずと言っていいほど食べるベーコンですが、意外とあっさりしています。
アメリカのベーコンの製法に習った日本のベーコンが少し脂っぽいのは、ばら肉を使っているからだそう。豚肉でも脂身の多いお腹のばら肉を燻製にしているから仕方ありません。イギリスのベーコンはバックベーコンと呼ばれ、背中の肉を使ったもの。脂身を取り赤身の味を生かしたものだからだそうです。確かに赤いベーコンをよく見かけます。イギリス料理では豚肉は加工食品で使うことが多く、ベーコンやハム、ソーセージがよく出ます。味があまりしないイギリス料理ですが、ベーコンにはしっかりと塩味がついています。元々ベーコンも冬の間に保存食として加工されていますから、塩分濃度は高いはずです。
かつてのイギリスの労働者階級の食事はチーズとベーコン、もっと貧しくなるとじゃがいもに切り刻んだベーコンというものだったそうです。それでも動物性たんぱく質を摂ることができるベーコンは、優秀な食物だったのでしょう。偉大なるイギリスの哲学者、フランシス・ベーコンから名を取ったと言われるベーコン。さてベーコンを食していれば、哲学の世界も見えてくるでしょうか…
※手前がベーコン、奥がハムの朝食です。