英語と日本語の違いは?文法やアクセント、文化的な背景を比較

2022.11.30

お役立ち情報

英語はとても必要なスキルだとわかってはいるのですが、なぜこんなに不得意になってしまったのでしょう。学生時代から長い時間英語を勉強してきたのに、英語力がついている実感はありません。特に相手とのコミュニケーションとなると、「???」の連続になってしまう時があります。こんなに英語って、難しかったのでしょうか。その理由は英語と日本語の違い、文法やアクセントなど、言葉のルールが全くと言っていいほど違っていたからのようです。

英語と日本語の文法・文章表現の違い

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では英語と日本語の何が違うのか、文法事項から考えていきましょう。思えば英語は、日本語とは全く違う英文の作り方だったようです。

語順が違う

日本語は基本的にSOV(主語+目的語+動詞)という語順で文章が構成されています。日本語は結論より先に説明や具体例を話すような構成が多い傾向ですが、英語はSVO(主語+動詞+目的語)という語順で文章が構成されます。そう、英語は結論から先に話が進みます。

例えば、

日本語
(私が)寿司を好きなのは和食がとても好きだからです。
語順:(主語)+目的語+動詞

英語
I like sushi because I like Japanese food very much.
語順:主語+動詞+目的語

語順通りの日本語訳だと、(私は)寿司が好きです。なぜなら和食がとても好きだからです。

日本語は主語も省略しがちです。

否定疑問文の答え方が違う

否定疑問文の答え方、これも学校でやりましたね。否定の形で質問する疑問文のことでした。でもこの答え方は日本語とは逆だったのです。

例えば、

日本語
あなたは学生ではないですよね?
いいえ、学生です。

英語
You aren’t a school student, are you?
Yes, I’m a student.

もうひとつの例文をご紹介します。

日本語
イタリア料理は好きではないですか?
いいえ、好きです。

英語
Don’t you like eating Italian food?
Yes, I do.

なかなか英語の否定疑問文の答え方は日本語で考えると混乱しがちです。でも英語のルールは明確です。否定されて訊かれていても、そうなら、Yes、違うならNoで答えます。英文和訳していてもこんがらがってしまう否定疑問。答え方のポイントはそうなのか、違うのか、日本語独特の言葉のあやに騙されてはいけません。英語のコミュニケーションはシンプルでわかりやすいものです。

英語は主語を必ず入れる

そして最初の例文でもご紹介した主語も必ず必要です。日本語の場合は主語がなくても文章は成り立ちますが、英語は主語の省略はできません。英語では「誰が」という部分を常に明確にしないと、コミュニケーションとして伝わりづらいからです。

日本語
ラッキー!

英語
Lucky me!
(私は)ラッキー!

必ず「私が」、「あなたが」が英語には必要です。相手がラッキーだったら、

日本語
やったね!

英語
Lucky you!
(あなた)はラッキー!

日本語ではついつい省略されがちな主語。英語では誰がそうなのか明確にするのがルールです。

英語と日本語の音やアクセントの違い

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そして日本人がとても苦手な英語の発音。「お勘定してください」と伝えるつもりでいたら、ビールが来てしまったという、The bill, please。簡単な発音なのですが、きちんとその英単語を発音しないと伝わらないという一例です。

音の数の違い

英語は日本語と比べて音の数が多く、母音の数については日本語は5音、英語は約15音とも言われています。子音の数は日本語は13音、英語は24音もあるようです。英語の音は私たちの母国語とは違ってとても複雑な音節で成り立っています。

母音と子音については、シェーンのお役立ち情報のライブラリーでもご紹介しています。併せてご覧ください。

ネイティブに伝わる英語を発音するコツ|母音と子音の使い分け方
●情報はこちら
 

開音節、閉音節の違い

開音節は母音で終わる音節のことで、閉音節は子音で終わる音節のことを言います。日本語は開音節が多い言語で英語は閉音節が多い言語なので、まさに真逆。英語の発音は重要なので、耳から覚えていくことを心がけましょう。日本人はどうしても英語を目で追い、単語の意味を知ることばかりしてしまいがちですので、英語のアクセントやリズムは耳で体感することをおすすめします。

アクセントの違い

英語は音の強弱で意味が変わってしまいます。名詞のrecordは前半を強調しますが、動詞で使う場合は後半部分を強く発音するようになります。Halloweenも日本語の発音と英語は違います。最近はテレビのアナウンサーも英語のアクセントにしているようです。日本語では強調したいことがある時や、意味を変える時は音の高低を変えています。音の強弱も大切です。例えば柿と牡蠣、神と紙などがそうです。箸・橋・端も「はし」の発音は日本人でもおかしい発音の人もいるようですので、どうぞご注意ください。

英語と日本語の単語の文化的な違い

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また英語には英語の文化や習慣がわからないと、コミュニケーションに支障をきたす場合があります。文化と習慣の違いを理解することは、言葉の理解を深めることも大切なことです。言葉は文化の一部。そこに住む人の文化や考え方に理解しないと、円滑なコミュニケーションをはかれることから遠ざかっていきます。

また日本は集団を重んじる傾向。周囲との協調を大切にするため、周りの意見を尊重して自分の意見を主張しない傾向もあります。奥ゆかしさの美学みたいなものは、英語のコミュニケーションの妨げにつながります。大切なことを最後に言う、答えをはっきりさせない、主語を言わないなどの文構造、これでは英語のコミュニケーションではあり得ません。逆に英語圏の人々は個人を重んじる傾向。自分の意見や意思を表現する時もはっきりと主張を行う傾向です。大切なことを先に言ったり、答えをはっきりさせたり、必ず主語を言ったりするなどの文構造で、英語のコミュニケーションに努めていかなければなりません。

余談ですがかつて連れ合いと映画を観ていたら、ブラウニーという言葉が出てきて、「それは何?」と訊かれました。チョコレートブラウニーの名で今ではそこそこ伝わってはきましたが、ブラウニーは濃厚なチョコレートケーキのこと。チョコレートブラウニーだと、海老と帆立のシーフードグラタンみたいなものでしょうか… いや頭痛が痛いでしょうか。意味の重なりを作ってしまいます。英語の元々の意味をしっかりと知って使っていくことも大切です。でも昨日も「濃厚チョコレートブラウニー」と書かれたお菓子を見つけました。思わず笑ってしまいましたが、超濃厚で超チョコレートのブラウニーなのでしょう。

英語は英語だけの環境で

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英語を母国語とする人たちが日本語を習得するには、軽く2000から3000時間かかかると以前調べたことがあります。FSI(The Foreign Service Institute:アメリカの外務職員局)の発表によると、英語のネイティブスピーカーが日本語を習得するには、2200時間を必要だそう。まさに英語と日本語は真逆の言語を物語っています。

音は簡素な日本語ですが、漢字を含めると日本語は確かに難解な言語だとわかります。シェーンの講師たちで漢字までマスターしている人もいます。完璧な漢字を使ってメールをくれたりするのは驚きです。完璧な日本語をマスターしている講師は天才的な語学力です。

26字の英語を音は難しくても、文法が逆でも、やればできる!の精神で頑張らなければと思います。でも担当の講師が日本語を話せると、レッスンも緊張感はなく確かにこれではいけないと八つ当たりしたくもなります。語学の達人は日本語をマスターする前に、フランス語イタリア語ラテン語はできて当たり前だったそうです。羨ましい限りです。

英語を習得するためには、やはり英語だけの環境に自分を置くことです。日本の学校の授業では他動詞がどうとか、助詞はこう使うとか、やたら文法ばかりの内容でしたが、身につけたいのは使えるコミュニケーション能力。そのためには海外で勉強するのが早道のようです。

でも留学には費用と時間がかかります。簡単に実現することではありません。それでもイギリスへ旅行する時は、なるべく1人でどこかに行く習慣をつけて、英語でのコミュニケーションを試しています。道がわからなければ誰かに訊く、疑問に思うことも訊いてみる、何度かの1人歩きで英語への度胸はついたと思いますが、まだまだ込み入ったコミュニケーションは無理です。

また海外旅行もそう度々行けるものではないので、日本にいても英語だけのニュースを耳にし、海外のソーシャルメディアには毎日触れるようにしています。洋画も英語だけで観るようにし、2度めに英語字幕で英語を確認しています。日本にいても英語だけの環境を作ることはできます。ただ長時間続けるには無理がありますが。

英語に触れる時間を少しでも多く設けて、毎日の英語の積み重ねにこれからも努めます。英語への興味をいつでも持ち、英語圏の生活への関心が増えたことで、シェーンの講師たちの話もすぐにわかるようになりました。それはコテージパイとシェパースパイの違いを知って、この間もこの会話を交わせることができました。シェーンのお役立ち情報でも、食事やお菓子、イギリスの歴史などもコラムで挙げていますので、時間があったらのぞいてみてください。