Queen Elizabeth II Platinum Jubilee Pudding~From the United Kingdom
2023.01.22
2022年のプラチナジュビリーは、エリザベス2世の即位70周年をお祝いするものでした。エリザベス2世はそのわずか3カ月後に突然ご逝去されてしまいましたが、6月のプラチナジュビリーではパレード以外にもいろいろなイベントが行われました。その1つが「ジュビリープディング」- The Jubilee Pudding: 70 Years in the Baking。英国放送協会BBCがプラチナジュビリーのためのプディングの優秀な作品を募集していたのです。
BBCの「ブリティッシュ・ベイクオフ」は今では日本でも放送されているので、ホームベイカーたちの輩出を見るのは楽しみになりました。お菓子作りが好きな人たちが、与えられた課題に挑戦し、有名ベイカーになっていきます。審査員の1人、料理研究家のメアリー・ベリーのお上品な物腰も人気になりました。自然と年齢を重ねたメアリー・ベリーは、85歳を過ぎても時折厳しい発言もしますが、それがちっとも不快に聞こえないのは、料理に対する長年の確固たる矜持があるからなのでしょう。
そしてプラチナジュビリーのプディングを選考します。エリザベス2世にふさわしいオリジナルのケーキ、タルト、プディング。プディングは日本語のプリンとは違い、もっと広い意味を持っています。食後に出てくるスィーツを指していますが、イギリス独特のプディングもあります。クリスマスプディング、ブレッドプディング、クィーンオブプディング、ジャムーローリーポーリー、スティッキートフィープディング、アップルクランブルと「ブリティッシュ・ベイクオフ」の番組内でも紹介されていました。プディングの定義、それは元々ソーセージだったそう。羊や豚の腸に詰め物をしていたものが、次第に食後の甘いものに変わっていきました。プディングに大切なのは水分、食感、味。そして温かく提供されるものもプディングにはあります。温かいカスタードに、固くなってしまったパンを細かくして作るパンプディングは手軽に美味しく作れる一品。プディングにはいろいろなアレンジがありそうです。
さてプラチナジュビリーのファイナリストたちはどんなプディングを作ってきたのでしょう。ファイナリストはキャサリン、ジェマ、サム、シャブナム、スーザンたち。プラチナジュビリーにふさわしい華やかなものを作ってくれたようです。
サムのジュビリーバントケーキは、ケーキの上にケーキを飾ってエリザベス女王がお好きなジャムを使っています。シャブナムのローズファルダ―ケーキは、ピンクのクリームと食べられるエディブルフラワーを飾り、バニラとローズの絶妙な風味に仕上げました。スーザンのフォーネイションズプディングは、ホワイトチョコレートムースに鮮やかなフルーツのコンポートを組み合わせます。キャサリンのパッションフルーツとタイムのプルメリアタルトは、フルーツとハーブのタルトにプルメリアとクリームチーズをサンドしてパッションフルーツのゼリーをトッピングしたものでした。
そして最優秀賞はジェマのレモンロールとアマレッティのトライフル。レモンロールを底に沈めて、艶やかなプディングの層を作り上げました。エリザベス女王の結婚式で供されたものをヒントに作られたそう。大きなプディングを取り分けながら、ストリートパーティを楽しみたいですね。
※写真は優秀作品のレモンロールとアマレッティのトライフルのレシピで作られたもの。レモンの黄色はイギリス人のスィーツの定番です。プラチナジュビリーにふさわしいプディングができ上りました。