ネイティブに伝わる英語を発音するコツ|母音と子音の使い分け方

2022.08.31

勉強法

海外でちょっとした簡単な英語が通じないご経験はありますか。ネイティブスピーカーの英語の発音方法は、私たち日本人とは確かに違います。スペルも英文もしっかり学校で学んできているのに、なぜか私たち日本人の英語力が向上しないのはなぜでしょうか。その理由はまだまだリスニング力とスピーキング力が足りないからのようです。日本人の英語学習法に一番必要なネイティブに伝わる英語。相手に伝わる英語学習の解説ができればよいのですが… 今回はネイティブに伝わる英語を発音するコツを探っていきたいと思います。最初に英語の発音のコツからご紹介していきましょう。 

英語の発音のコツは?

  • ネイティブに伝わる英語を発音するコツ|母音と子音の使い分け方

どうして発音した英語が伝わらないのか、それは日本語と英語の音は全く違うからです。ネイティブが発音する日本語もどこか違うように、言語の元々の音声が違うのですから仕方がありません。私たち日本人の英語の発音がネイティブに近づくためには、具体的にどんな発音練習ができるのか、その方法を考えていきます。

母音と子音の発音の言い分けがコツを掴む鍵

英語の母音と子音の言い分け、聞き分けができると発音のコツを掴みやすくなります。と簡単に言われても、そもそも英語の母音と子音って、どんなものだったでしょうか。思い出してみます。英語の母音は15個、子音は24個あります。ただし教え方により異なりますので、母音がもっと多い場合もあります。アメリカ英語とイギリス英語でもその数は違うようです。さらに母音と子音を組み合わせると400個以上あると言われています。日本語は母音が5個、子音が13個なので、英語の音の複雑さはやはり違ってきます。

英語と日本語の母音・子音の違い

・英語
 

英語の単語ごとには1つだけはっきり読む母音があると言われています。アクセントマーク[′]がついている箇所ははっきりと読むことを示しています。例えばJapanの発音記号は「dʒə pǽ n」なり、pǽの音だけハッキリ発音する指示されています。また英語は子音で終わる単語が多く、2語以上の単語を話す場合、強弱をつけてつなげて話すようにします。単語で区切らないのも日本語とは違い、やはり慣れるまで難しいところです。

・日本語
 

日本語の単語では2つ以上の母音が強く読まれることもあります。ほとんどの日本語の単語は母音で終わります。また2語以上の単語を話しても強弱の差が少なくなります。

と言葉で羅列しても、よく理解できませんね。以前シェーンのお役立ち情報でご紹介した勉強法も一度参考にしてみてください。

英会話を練習するポイント|上達させるための勉強法やコツは?
●情報はこちら

 

【英語の発音のコツ①】英語の母音の言い分け

  • ネイティブに伝わる英語を発音するコツ|母音と子音の使い分け方

英語の母音は日本語の母音[あ・い・う・え・お]に近いかもしれません。でもけして[あ・い・う・え・お]の音ではないことを念頭に、日本語英語の脱却をはかりながら、まずは母音から英語発音練習を始めてみましょう。

「あ」に近い母音[æ][ɑ][ə][ʌ]の発音

英語の発音では「あ」に近いだけで、けして同じように発音してはいけません。日本語の音は完全に忘れてください。4つの母音のそれぞれの音の発音の仕方をご紹介していきましょう。口のカタチや舌の位置のルールがたくさんあります。母音の発音は口の中を大きく開けるのが原則です。

[æ]は口を指が縦に2、3本入る程度に広げ、舌を上げて発音する音です。アルファベットの「A」はこの発音になることが多く、日本語の「ア」と「エ」の中間のような音になります。「ア」の口で「エ」と発音してください。[æ]を使う単語はanswer/cat/gasなどがあります。

[ɑ]は指3本分程度、口を縦に開けます。母音で一番大きく顎が下がる発音。日本語の「あ」の発音にならないように注意しながら、舌を反り上げて喉から響かせます。[ɑ]を使う単語はbox/hot/aroundなどがあります。

[ə]は指1本分程度口を開けて、力を入れないで発音します。唇は軽く開けるだけです。[ə]を使う単語はadvisor/again/acquireなどがあります。

[ʌ]は口をあまり開かず、喉の奥から声を出して発音します。「ア」の音をはっきりと発音させます。[ʌ]を使う単語はcup/fun/upなどがあります。

「い」に近い母音[I][iː]の発音

[I]は舌も浮かないようにしながら、「エ」というイメージで発音します。日本語の「イ」と「エ」の中間のような音になり、[I]を使う単語はhit/pin/sitなどがあります。

[i:]は口を横にして顎を下げ、口内の前で音を響かせ発音します。記号の[ː]は「音を伸ばす意味になります。[i:]を使う単語はeat/teeth/meなどがあります。

「う」に近い母音と子音[w][u]の発音

[w]は、唇をすぼめ、唇の力を抜きながら発音し次の単語の音を出します。[w]を使う単語はway/we/weekなどがあります。

[u]は、口をとがらせて「ウ」と発音、唇を前に突き出すイメージで発音すると、より英語らしい発音になりそうです。[u]を使う単語はgood/look/poolなどがあります。

「え」に近い母音[e]の発音

[e]は、日本語の「エ」と同じように発音します。ややあいまいに「イ」の音を入れると伝わりやすくなります。[e]を使う単語はany/cake/petなどがあります。

「お」に近い母音[ou]の発音

[ou]は顎を下げて唇を軽く開いて発音します。2つの母音の二重母音なので、最初[o]は長く、次の[u]は短く発音します。[ou]を使った単語はgo/okay/knowなどがあります。

さらに2つの母音を1音節にした音の二重母音、[ei]、[ou]、[au]などもあり、母音の発音だけでも口が曲がってしまい、疲れてしまいそうですね😢

またここに挙げた単語例は、アメリカ英語とイギリス英語を織り交ぜています。アメリカ英語とイギリス英語では発音が違うので、その点ご留意ください。次に挙げる子音の単語例も同様です。

【英語の発音のコツ②】違いがわかりにくい子音の言い分け

  • ネイティブに伝わる英語を発音するコツ|母音と子音の使い分け方

次は子音です。日本語にはない音もあり、発音のマスターにはなかなか苦慮するところです。日本人の苦手な区別のできない子音を中心にご紹介していきましょう。

[b]と[v]

[b]は有声音で声帯の振動を必要とします。[p]と口の動きは同じで、唇の上下をしっかりとつけて閉じながら息を吐き出して声にします。[b]を使う単語はbaby/bed/pubなどがあります。

[v]は[f]の有声音で、上の歯を下唇にあてながら息を出し発音します。声の振動と息の摩擦音で[v]にします。[v]を使う単語はgive/live/voiceなどがあります。

[l]と[r]

[l]は上の歯茎あたりに舌をつけて発音します。息と声を舌があたっているところにぶつけるようにします。「ラ」の音を上顎につけてと覚えてください。[l]使う単語はlight/like/valleyなどがあります。

[r]は舌を持ち上げますがどこにもつけずに発音します。「ラ」の音を口の中のどこにもつけずにと覚えてください。日本語にはない音のため発音が難しく、[l]と[r]の 発音矯正はよく話題にのぼります。[r]を使う単語はfree/read/rightなどがあります。このlightとrightが上手に発音できると、ネイティブには確実に伝わります。Sorry?と語尾を上げて、疑問文で訊き返されることもなくなります。

[θ]と[s]

[θ]は舌を歯の間に軽くはさんで、息の摩擦音で発音します。日本語にはない音なのでこれも難しい発音の1つです。[θ]を使う単語はthank /think/mouthなどがあります。

[s]は上と下の歯を閉じて舌先を上の歯に近づけて発音します。こちらも日本語にはない無声音で息が作る音。[s]を使う単語はcity/mister/seeなどがあります。

[z]と[ð]

[z]は[s]と同じ口の動きですが、こちらは声にして発音します。[Z]を使う単語はeasy/music/zooなどがあります。

[ð]は[θ]と同じ動きです。軽く舌をはさみ振動させるのがコツです。[ð]を使う単語はthe/this/smoothなどがあります。

英語の1つひとつの音は口と舌の動きの使い分けが肝心なのですが、日本語を発音する時に口や舌の使い分けなんて考えて発話していません。それは耳から覚えている母国語だからでしょう。アナウンサーともなれば正しい音をトレーニングで手に入れるのでしょうが、日常会話にその正確性は求められることはありません。「橋、端、箸(はし、はし、はし)」のイントネーションが少しおかしくても文脈から類推はできます。

余談ですがかつてNHKのアナウンサーのトレーニングで、「銀狐(ぎんぎつね)」の発音を聞いたことがあります。最初の「ぎ」は濁音の「ぎ」、次の「ぎ」は鼻濁音の「ぎ」で、明確に発音する濁音の「ぎ」と、鼻に抜けるように優しく発音する「ぎ」と使い分けるそうです。そう言えば「眼鏡(めがね)」の「が」も鼻濁音でした。意識しないで発音できるのも母国語だからこそ、というわけです。

では次になぜフレーズになると聴き取れなくなるのか、それにも理由はありました。その理由を次でご紹介していきましょう。

【英語の発音のコツ③】音声変化を知る

  • ネイティブに伝わる英語を発音するコツ|母音と子音の使い分け方

文章で見た英語と実際に聞く英語が違うことはよくあります。それは英語には音声変化をすることがあるからです。何度聞いてもわからない例文が、スクリプト(台本)になるとわかったりするのは何とも残念です。ネイティブが話すナチュラルスピードには、次の3つの音声変化のルールがあるようなのです。

連結(リンキング・リエゾン)

音がつながる 連結(リンキング・リエゾン)は、2つの音がつながって発音される音声変化。母音(a/i/uなど)で始まる単語が後ろに来ると、前の単語の最後の音と次の母音が一つながりで発音されます。例えば、an egg(n egg)/can I(n I)/believe in(ve in)などでは( )の部分はne/na/viとそれぞれ発音します。

同化(アシミレーション)

音が似る 隣り合った音が相互に影響して別の音になったり、前後の音と似た音に変化したりします。例えばdid you(d y)/that you(t y)/does she(s sh)などでは、( )内の2つの音が影響しあって別の音に変わります。ten picturesのnの音は、後ろのpの影響を受けて、発音するときの口の形が似ているmになります。

脱落(リダクション)

音が抜ける 後ろに来る単語の最初の音の影響で、前の単語の最後の音が省略されます。例えばsit down では、sitのtの音、good day では、goodのdの音を発音しません。

さらに英語にはpやbのように風船が割れるようなわかりやすい破裂音と、tやd、c、k、gなどの破裂音もあります。例えばp bは上下の唇を閉じて一気に発音します。t dは上の前歯の歯茎に舌先をつけて一気に発音します。c k q ck gは 軟口蓋(ソフトパレット)と舌の奥をつけて一気に発音します。

その他にも摩擦音、鼻音と英語には日本語とは違うことが多く、これらの発音をいちいち考えて発話していたら、会話が進まなくなります。自然と発話できるよう時間をかけて、耳からの練習法で身につけていくことも大切です。この発音記号は何???と考えていくことも大切ですが、体得していく力もつけていきましょう。

英語の発音のコツを身に付けるためにおすすめの練習方法

  • ネイティブに伝わる英語を発音するコツ|母音と子音の使い分け方

では実際に体験学習で発音をモノにするためには、どんなことをしていけばいいのでしょうか。楽しく英語の発音を身につけるには、やはりネイティブたちの自然な英語を耳にしていくことです。

海外ドラマや洋画、洋楽から学ぶ

ネイティブの発音を楽しみながら聞くことができる海外ドラマや洋画、洋楽は英語学習の必需品。動画や音楽の配信サービスを利用すれば、練習したいフレーズや会話を何度でも聞き返せます。録音された音は字幕の英語を見比べると、意外な英語の音について気づくことも多いようです。ただ観て聴いても英語学習には結びつかないこともありますので、発音記号や母音、子音の聞き分け、音声変化を意識してみてください。

英会話スクールに通う

ネイティブが指導する英会話スクーは講師が自分の発音について適切に指摘してくれます。ネイティブたちの英語の発音を身につけることも可能です。

また英語の音を聴いて、すぐにくり返すシャドーイングの学習も発音の練習に期待できそうです。耳から口、from ear to mouthの感覚はくり返すほど英語の音を確実にしていきます。

英語学習を継続させる練習法については、シェーンの「お役立ち情報」のライブラリーからご紹介しましょう。

英会話の発音スキルを高めるには?効果的な練習方法と継続のコツ
●情報はこちら

英語は耳から覚えること

  • ネイティブに伝わる英語を発音するコツ|母音と子音の使い分け方

英語にはさまざまな音があります。長母音、複合母音、あいまい母音と母音だけでもいろいろです。英語と日本語の音の作りは全く違うものと何度もお伝えしているように、別物なのです。聞き慣れない音の洪水、その口真似だけでもいけません。実践でネイティブたちとコミュニケーションしないと、いつまで経っても英語の習得はかないません。英検やTOEICのテストで発音の勉強を続けても、実践で使えなければ意味はありません。

逆の話でイギリスからやって来た俳優に、日本で観たいものがあるとリクエストされます。それも少し混んだ電車の中で、きれいなレビューで、ほら、タクタクタクタクとそれを言い表しているのですが、さて??? 頭が働かず思いつきません。すると電車内の近くにいた男性から、「宝塚」と声がかかります。イキリス人俳優は大きくうなづき手を打ちます。想像力を働かせれば、言葉の壁は超えられると思った瞬間です。「た・か・ら・づ・か」と、一音一音と発音するのは英語話者には逆に難しいようです。

また英語の発音記号通りに発音し矯正できても、相手には通じないこともあります。英語の発音は、音素(母音・子音など個々の音)、音の変化、リズム、ストレス(音の強勢)、イントネーション(高低・抑揚)で成り立っています。コミュニケーションとして、意味を伝えるには重要な要素です。単語の綴り通りに話せても、英語の感覚を丸ごと身につけないと相手には伝わりづらいこともあるようです。

アメリカ英語とイギリス英語でも部分的に読み方も変わりますが、いずれにしても、英語は辞書や単語帳、発音記号で覚えるばかりでなく耳から入れていくことをおすすめします。活きた英語は今やインターネット上のオンライン英会話やアプリやソーシャルメディアにあふれています。英語学習者は目で文字を見て書くより、耳で聞いてその音のパターンの真似して話す。ネイティブたちの英語を耳にして、丸のままの英語に取り込むことがネイティブに伝わる英語を発音するコツのようです。口と舌、耳と頭を英語に変え、日本語の音も忘れてください。英語の早口言葉も有用な手段になります。

早口言葉については、シェーンの「お役立ち情報」のライブラリーも併せてご覧ください。

英語の発音の学習は早口言葉がおすすめ!言いづらい言葉を練習しよう
●情報はこちら
 

また英会話スクールの講師たちは、レッスンの中で生徒さんたちの発音に注意し、正しい発音をチェックしながらレッスンを進めていきます。英語初心者にもわかりやすく、耳から学びながら英語のコミュニケーションを高めるメリットも見出せます。ぜひ無料体験レッスンでご確認ください。