Ha-ha~From the United Kingdom
2022.08.24
英国コラム
イギリスにはガーデニングを愛する人たち必見のイエローブックという冊子があります。これは期間限定でオープンをしている庭園をご紹介している冊子です。選ばれし庭園たちはどちらも美しいところばかりです。その中でもグロスターシャーにあるストーンハウスのガーデニングがとても素敵でした。庭に出ると羊。羊も借景として楽しめるガーデニングをされていました。羊の庭の間にはハーハ。これは羊を入れないための石垣です。段差があれば羊たちは庭へは入れません。庭を柵などで遮ることなく、ハーハを使いながらベストガーデンを作り上げていました。でもなぜ、ハーハなのでしょうか…???
ハーハは、はーっと驚く言葉が由来だそうで、フランス語ではオオカミジャンプとも呼ばれています。牧場や公園、庭園に壁を作れば、風景が遮られてしまいます。そのために見栄えを悪くしないよう、段差を作って、囲いを設けるようになりました。ハ-ハに近づかないと、そこに溝や段差があるとはわからないように造られています。
イングリッシュガーデンは風景式庭園。風景を自然と取り込みます。自分の庭から見渡せる農場や公園まで、自然な流れで見えるように計算してガーデニングをされているようです。風景を邪魔する柵は考えられなかったようです。イギリスではハーハは牧草地でよく見かけることができます。広大な草原に群れる羊たち。それもイギリスの原風景の1つになっているのでしょう。
※ハ-ハは反対側から見るとよくわかります。羊や牛たちはこの段差のために囲われています。