Florence Nightingale~From the United Kingdom
2022.07.20
英国史雑学
フローレンス・ナイチンゲール。クリミア戦争の戦地で負傷した兵士たちを看護し続けた「クリミアの天使」と呼ばれています。看護師と言えばナイチンゲールと、その名は世界中に知れわたっています。
フローレンスの名の由来は、両親の長い新婚旅行先のイタリアのフィレンツェで生まれたので、その地の名をつけられました。両親が何年間も旅行に出かけられるほどナイチンゲールは、裕福な家庭に生まれ育ちます。英才教育を受けながらも、慈善事業で垣間見た貧しい人々の姿が忘れられません。やがて看護の道に進むことになります。
ナイチンゲールはただ献身的な看護をしただけではありません。幼い頃からの教育で学んだことを活かしていきます。衛生、統計を理論的に実践しています。病気の蔓延の予防は清潔な状態を保つこと、病気の原因を数値化しそれをグラフにしてひと目でわかるようにしたこと。それは従来の医療にはなかったことです。ナイチンゲールの画期的な発想が、新しい治療につながっていきました。
看護師の仕事はクリミア戦時下の時だけだったナイチンゲール。 30代半ばで病に倒れた後は、そのほとんどの時間をベッドの上で過ごすことを余儀なくされました。フローレンス・ナイチンゲールは1910年この世を去ります。数年後に起こるヨーロッパを悲惨な戦場にした、第一次世界大戦を見ることなく、90才の人生を終えました。
※写真はロンドン中心地にあるクリミア戦争記念碑。奥のナイチンゲール像は亡くなってから4年後に建てられました。