Order of the Garter~From the United Kingdom
2023.04.07
英国史雑学
エリザベス女王が晩餐会などで、青いリボンを肩からかけていらっしゃるのを見た方も多いと思います。これがOrder of the Garterの大綬(たいじゅ)。ガーター勲章は通称、ブルーリボンと呼ばれ、14世紀のエドワード3世によって創設されました。
英国では最高位の勲章になります。元々は騎士団勲章で、十字軍の時代の中世キリスト教徒に与えられるものでした。異教徒には与えられなかったはずのものが、今では日本の皇室、天皇に叙勲されています。それはヴィクトリア女王の治世、大英帝国は当時の時勢を鑑み、イスラム教徒の方に与えたことが始まりです。日本の皇室、天皇にも1906年の明治の時代に日本でガーター勲章が授与されました。その後も大正、昭和と引き継がれ、現在の上皇様まで、ガーター勲章は受け継がれています。
なぜガーター?? 女性のストッキングなどの留め具がその名の由来になったのでしょう。舞踏会でさる伯爵夫人が、着用していたこのガーターを不作法にも落としてしまったところ、エドワード3世がそれを拾い、Honi soit qui mal y pense (悪しき思いを持つ者に、災いがあるだろう)と、騎士道に則って伯爵夫人をかばったとの説があるようです。
毎年6月ウィンザー城で開催されるセレモニーでは、エリザベス女王が颯爽と、濃紺のマントの騎士団の正装で登場するお姿は、いつも輝いてまぶしいほどでした。もうあのお姿を見ることができないのがとても残念です。