Princess Alice of the United Kingdom
2022.12.14
英国のヴィクトリア女王には9人もの王子と王女がいらっしゃいました。長女のヴィキー(ヴイクトリア)、長男のエドワード7世、次女のアリス、次男アルフレッド、三女ヘレナ、四女ルィーズ、三男アーサー、四男レオポルド、五女ベアトリスのご兄弟姉妹。王子と王女たちはヨーロッパの王室とつながり、ヴィクトリア女王の血縁は広がります。
その中でも次女のアリス王女、ヘッセン大公妃をご紹介しましょう。アリス・モード・メアリー王女は1843年にバッキンガム・バレスでご誕生。その2年後にヴィクトリア女王はワイト島の離宮を持ち、そこのキッチンガーデンで野菜を採ったり、料理をしたりして、アリス王女は少女時代を過ごされます。気立ての好い娘としてヴィクトリア女王の評価も高かったようです。17才で現在のドイツにかつてあったヘッセン大公国、大公̪子と婚約されますが、翌年の18才の時に父君のアルバート公を見送ります。アリスが献身的に父君のベッドに寄り添っている画が残っています。そんな心優しいアリス王女は、父君を亡くした半年後にヘッセン大公国に嫁ぎます。その婚礼はまだ喪が開けていないだけに、ヴィクトリア女王はとても不憫がったそうです。「かわいそうなアリス、お通夜のような結婚式になって」と。
アリス王女は、福祉や医療に尽力したと言われています。アフリカで生贄にされそうになった少女を、ヴィクトリア女王が助けて娘として養育されますが、アリス王女も生涯を通してそのアフリカの少女と交友を続けました。お子さまたちが病床に伏せられた時に看病されますが、ご自身も罹患し、父君アルバート公と同じ日に神に召されます。35才の若さでした。アリス王女の長女、ヴイクトリア王女はミルフォード・ヘイヴン侯爵夫人となり、そしてエリザベス女王のご夫君、エディバラ公の曾祖母となります。そう言われるとどことなく、アリス王女とエディンバラ公は、目元の面差しが似ているようです。英国王室はヨーロッパ国々の一族と、脈々とつながっているのですね。