ファウンテンペンはイギリス生まれ その歴史についてご紹介 ペンを使って書くことで英語の上達をはかりましょう

2022.07.07

英国史雑学

このfountain penの意味わかりますか? この英単語は万年筆。最近は手で字を書く機会もなかなか少なくなりましたが、手を使って文字を書くことは記憶の定着をはかるとも言われています。なかなか英単語を覚えられない時、ノートにペンで英語を書いてみませんか。それもイギリス発祥のfountain pen、万年筆で書いてみるのはいかがでしょうか。万年筆はイギリス生まれ。英語が上達できる気がしてきました。

万年筆の誕生

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ペンを使って書くことで英語の上達をはかりましょう
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昔は羽ペンで書くたびにインクを付けて書いていました。1809年イギリスのフレデリック・バーソロミュー・フォルシュが、インクを貯めたペンを発明。さらに同じ年にイギリスのジョセフ・ブラマーがファウンテンペンを考案しました。インクを替えるのが簡単になったのは、さらに後のアメリカでのこと。交わす契約書にインクを落とし汚してしまった、保険外交員のルイス・エドソン・ウォーターマンはインクが漏れない万年筆を考案してしまったのですから、怪我の功名です。契約は逃してしまったけれど、この発明によりその名と優れた製品を後世に残すことになりました。

1888年ジョージ・サッフォード・パーカーがインク漏れを防ぐシステムを開発、数年後アメリカで製造を始めます。第一次世界大戦中、兵士たちのためトレンチペンを作り好評を得ます。1962年エリザベス女王からロイヤルワラントを認定され、英国王室御用達となりました。アメリカ人のパーカーが起こした事業なのでアメリカのブランドだと思い続けていましたが、イギリスのブランドだそうです。1990年にはエリザベス女王に続き、チャールズ皇太子からもロイヤルワラントを認定されました。

万年筆の日

9月23日は万年筆の日。これは1809年にイギリスでフレデリック・バーソロミュー・フォルシュが考案したファウンテンペンの特許を取得、それが9月23日で、この日が万年筆の日となったそうです。最初日本では万年筆(まんねんふで)と呼ばれ、その名づけ親は丸善とも言われていますが、定かではないようです。日本はまだ硯に墨をすって筆で書いていた時代ですから、泉のようにインクが湧き出る万年筆に驚きを隠せません。それでも輸入品は大変高価で誰もが使えるわけではありませんでした。やがて筆が筆(ふで)となり、輸入品だけではなく、セーラー万年筆やプラチナ萬年筆が日本製万年筆の製造を始めます。

ちなみにシャープペンシルは和製英語ですが、それもそのはず。家電メーカーのシャープが考案したのですから、驚きです。元々の輸入品がエバーシャープと呼ばれていたのですが、芯を繰り出す金具を受注した早川徳次氏が、自らシャープペンシルを製造販売し、やがて家電へと事業展開をしていったそうです。社名もシャープの名を取り、世界的にも有名なメーカーに発展していきました。

万年筆のおすすめ

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日本の万年筆は、セーラーかプラチナかパイロットか。昔は万年筆を入学祝いにいただいたりしました。自分で買うことはなかったのですが、お土産をロンドンで求めたのが最初です。拙い経験からですが、おすすめの万年筆、ファウンテンペンをご紹介しましょう。

●ウォーターマン

以前ロンドンでお土産の万年筆を買いに、リージェントストリートにあったペンショッブに出かけたことがあります。飾られていたペンで青の細工がとても美しいものを見つけ、お店の人に出してもらいました。金額もそれほど高くなく、それに決めました。そのファウンテンペンがウォーターマン。今の万年筆の基本構造を作り出したウォーターマンのものでした。イギリスで考案されて、75年経ったアメリカで、今のカタチのファウンテンペンが作られたそうです。お店の人もウォーターマンが一番よと勧めてくれました。最近のウォーターマンのペンはカラフルなものも多く、楽しく使えそうです。

●パーカー

放送界の重鎮だった久世光彦氏が書かれた文章に、作家向田邦子氏に万年筆を略奪されたと書かれています。パーカーのレディース用を貸したら、そのまま、これちょうだいと取られたとのこと。使いこなしたペン先は癖がなければ、書き始めよりいいに決まっています。パーカーの滑らかな書き味には覚えがあります。中学生の時に父の香港土産で貰ったパーカーの万年筆。もうどこかに紛れてしまいましたが、優れていました。エリザベス女王もお使いのパーカーのペン。2002年の即位50周年には記念のモデル、ゴールドに輝く「デュオフィールドアクセッション」を販売しています。

●オノト

あまり聞き慣れないブランドですが、イギリスの有名な万年筆。文豪夏目漱石が愛用していたと言われると、ついつい興味が募ります。元々デ・ラ・ルー社が製造していたのですが、60年以上も前に製造をやめてしまいました。漱石が使っていたオノトはもうアンティークでも入手困難。今はオノト社と丸善の復刻モデルが販売しています。オノト社の万年筆はかなり高価ですが、手が届かないほどではありません。数年前に偶然、オノトの復刻モデルを見つけた時は、高価でしたが購入しました。持ち重り、デザインが美しく、気に入っています。

ペン先は3万円以上の品物は、18金や14金を使用しているそうです。自分を鼓舞するためにも、少しお高い買い物もたまにはよいかもしれません。特に英語学習に願掛けて、これで英単語を覚えるぞと気合を入れてみましょうか。

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ペンを使って書くことで英語の上達をはかりましょう

万年筆はシャープペンやボールペンのように、ノック式でペン先を出すものではありません。ペンを仕舞うキャップをクルクルと回して開け、紙に向かいます。インクの出を確かめながら、紙に文字を滑らせます。ペン先は金の方が滑らかな気がします。またそのペン先に施されている模様も美しいものです。ピンク、イエロー、ホワイトとペン先の金の材質選びも購入する時の楽しみの1つです。

ちなみにキャップを回すよりペンの本体を回す方がよいそうです。擦ると消えるペンも人気ですが、しっかりと文字が残る万年筆を使って、英語ノートを作ってみましょう。新しく知った英単語、今日感じたことを英文で、ドラマで観た英語のセリフを書き留める。英語を万年筆で残す習慣をつけながら、英語力の上達をはかりましょう。その万年筆が書き込まれて使いやすくなる頃に、英語が上達していますように…