コモンウェルスデイとは何の日?? 英連邦ってイギリスとどこの国??? 知っているようで知らない英連邦についてご紹介します
2022.01.11
毎年3月にウエストミンスター寺院で行われるService of Celebration for Commonwealth Day、英連邦の日。その日は王室のメンバーたちも一堂に会します。イギリスのかつての領土だった国々、オーストラリア、ニュージーランド、カナダをはじめ、現在53もの国々が英連邦に加盟しています。英連邦の長はエリザベス女王。コモンウェルスは1949年のロンドン宣言によって、「自由で平等」な加盟国となりました。法の支配はお互いせず、かつての大英帝国とは違い、対等な関係を保ちながら、連合関係を維持しています。
英連邦の国々
実にたくさんの国々が英連邦に加盟しています。内戦などで脱退したり、再加盟したり、国名が変わった国もありますが、あらゆる場所の国々が加盟しています。2021年の加盟国をご紹介しましょう。
オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・南アフリカ・インド・ジャマイカ・シンガポール・マレーシア・パキスタン・バハマ・バングラデシュ・バルバドス・ボツワナ・ブルネイ・カメルーン・キプロス・ドミニカ・アンティグアバーブーダ・ベリーズ・エスワティニ・フィジー・ガンビア・ガーナ・グレナダ・ガイアナ・ケニア・キリバス・レソト・マラウイ・モルディブ・マルタ・モーリシャス・モザンビーク・ナミビア・ナウル・ナイジェリア・パプアニューギニア・ルワンダ・セントクリストファーネイビス・セントビンセントグレナディーン・サモア・セーシェル・セントルシア・シエラレオネ・ソロモン諸島・スリランカ・タンザニア・トンガ・トリニダードトバゴ・ツバル・ウガンダ・バヌアツ・ザンビア・イギリス(順不動)
バングラデシュ・ブルネイ・キブロス・モルディブ・モザンビーク・スリランカ以外は英語を公用語または準公用語とする国
英連邦の国々は民族も文化も、宗教も違います。エリザベス女王があらゆる国々の理解を深めようとしているのは、この加盟国の人々への思いもあるのでしょう。加盟国の人々のほとんどが英語を公用語としているのもわかります。皆がファミリーという思いも強いのでしょう。
コモンウェルスデイって何をするの??
コモンウェルスデイのこの日は、ウエストミンスター寺院でミサを行います。ロイヤルファミリーが順番に寺院に入り、最後にエリザベス女王が登場、ファンファーレが鳴り響きます。英国国教会主席司祭の案内で参列される人々と挨拶を交わし、エリザベス女王は寺院の奥に進まれます。全員立ったまま、ファンファーレに続き、イギリス国歌を斉唱。ひき続き、Hymn-Praise to the Lord, the Almighty、讃美歌の「造り主の主」が流れ、女王陛下たちが席へと向かいます。司祭の言葉、祈り、讃美歌、選ばれた人々のスピーチや楽器の演奏と歌など、ミサは1時間ほど続きます。このミサには、多くの子どもたちも招待されていました。最後にLove divine,all loves excellingの讃美歌とともに、加盟国の国旗が退場します。讃美歌を一生懸命に歌う子どもたちの姿が健気です。ミサなので英国国教会に則って進行しますが、荘厳な寺院にルワンダの太鼓の音も響き、異なる民族たちが楽しむ要素も盛り込まれています。コモンウェルスデイは3月の第2月曜に設定され、一部の地域では祝日となります。
以上がBBCで放送された2019年のコモンウェルスデイ。この様子はBBCで毎年生放送されます。ロイヤルファミリー、特に女性たちのドレスや帽子が注目される日でもあります。キャサリン妃の赤いドレス、ご懐妊中だったメガン妃の白いドレスに引きつけられます。そしてエリザベス女王の鮮やかな紫のドレスは圧巻でした。荘厳なミサとともに、ロイヤルファミリーのお召しものを楽しめる日です。
イギリスの歴史と繁栄
イギリスは王室とともに歩んできた立憲君主制の国です。17世紀の大航海時代には海を越えて、さまざまな国に渡り、 イギリス東インド会社を作り、交易をはかってきました。アメリカ大陸が発見されてから100年以上過ぎて、イギリスから新天地に移民する人々を乗せて、メイフラワー号が出航しました。それから155年後にアメリカはイギリスから独立し、新しい国家を築きました。アメリカを失ったと同じ頃、イギリス国内では産業革命が起こり、大英帝国としての繁栄はヴィクトリア女王の時代へと引き継がれます。1851年にはロンドンで最初の万国博覧会が開催され、さまざまな技術革新の産物に人々は驚きます。圧倒的な工業力を誇ったイギリスの繁栄は続いていきます。
エリザベス女王は1952年2月6日、25才で若き君主となります。それから70年。在位最長の君主となり、ヴィクトリア女王の63年7カ月をとうに超えました。20世紀から21世紀の歴史に、エリザベス女王の名を、世界一の女王として残します。イギリスを訪れるほとんどの人が、伝統あるイギリスの歴史と、王室に魅かれてやって来ています。その大きな存在は簡単でできるわけではなく、だからこそ、それがイギリスの最大の魅力でもあるのだと思われます。イギリスと王室、英連邦はともには、これからも歩んでいくことでしょう。