Waterloo Place~From the United Kingdom

2022.04.05

英国史雑学

ロンドンの街の中心に広がる銅像たちは…

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ロンドンのジャーミンストリートを抜け、ナショナルギャラリーに歩いて向かっていると、視線を感じます。見上げるとあら不思議なお顔の彫像。縦に大きく口を開けて、下を通る者たちを威嚇しているようなお顔です。その道の先を見ると、銅像が建ち並ぶ広場が開けています。不思議なお顔の下にはウォーターループレイスと書かれていました。

列を作って並ぶ銅像たち。手を広げて立つ像の先には、トラファルガースクエアのネルソン提督の像がそびえています。それはネルソン提督の像に向かって、静かな行進をしているようです。手を広げている像はクリミア戦争の記念碑。このクリミア戦争で黒海周辺の領土を巡って、ロシアとトルコが対立し、フランス、イギリスを巻き込んで熾烈な闘いを強いられました。闘いは4年にわたって続き、多くの犠牲者を出しました。ナイチンゲールのこの時行った理にかなった看護のお話も有名です。このウォーターループレイスのクリミア戦争の記念碑には、ナイチンゲールも後に加わったそうです。そのナイチンゲール像の横に腕を組み考え込む政治家シドニー・ハーバート像、後の国王エドワード7世の騎馬像もその先に続きます。明るい6月の陽ざしの下でしたが、ヴィクトリア時代の像たちが、まるで葬列のように並んでいました。

ロンドンには戦争の記念碑があちらこちらにあります。多くの犠牲を強いた戦争は、もう起こりませんように。ロンドンの街角で、多くの銅像たちがこれからの私たちを見守っています。