2022年はプラチナジュビリー エリザベス女王の在位70年の記念の年です
2022.02.01
2022年2月6日、エリザベス女王は在位70年を迎えられます。70周年のプラチナジュビリーのお祝いの式典が着々と、イギリスでは進行しているようです。どんなイベントがあるのか、実際にロンドンに行きたいところですが、それはまだ無理そうなので、英国王室のウエブサイトをのぞいてみましょう。その前に、エリザベス女王のエピソードと、前回のダイヤモンドジュビリーの60周年の式典の模様をご紹介します。
エリザベス女王は25才で即位されました
1926年4月21日にエリザベス・アレクサンドラ・メアリー・オブ・ウィンザーは、ロンドンでお生まれになりました。父君のヨーク公アルバート王子は、映画「英国王のスピーチ」の主人公、バーティです。エリザベス王女が誕生された時には、父君がまだ国王になるとは夢にも思わず、1936年の伯父上エドワード8世の退位を受けて、エリザベス王女の運命は変わります。
1947年にエディンバラ公フィリップ殿下とご結婚されますが、その5年後、父君のジョージ6世が崩御。エリザベスは25才の若き女王、エリザベス2世として即位されます。同じ名の女王、エリザベス1世も1558年に25才で即位し、大英帝国の礎を築かれています。先の偉大なるエリザベス1世は国と結婚したと言われ、その子孫は残すことはなかったのですが、19世紀のヴィクトリア女王はあえて多くのお子さまたちを出産されます。そのお子さまたちの血脈は、ヨーロッパの王室に売れ継がれ、エリザベス女王のご夫君、フィリップ殿下公にもつながっていきます。フィリップ殿下の曾祖母アリスは、ヴィクトリア女王の次女に当たります。13才のエリザベス女王がフィリップ殿下に魅かれていったのは、自由でしなやかな振る舞いだったように思われます。若き日のフィリップ殿下は、スコットランド伝統のキルトをつけて釣りをしていても、颯爽としていて絵のようです。女王となったエリザベスを支え、長い時間をお過ごしになられました。大きな笑顔と、仲睦まじいお2人のご様子は数多く報道されました。特に1963年の軍のキャンプを訪れたご夫妻の写真が印象的です。公務を忘れているような、軍の若い兵士が披露した何かがよほど面白かったのでしょう。大きな笑いのフィリップ殿下と、思い切り失笑されているエリザベス女王の微笑ましい一瞬が残されています。
君主としての確固たる思い、その責務を果たそうといつも研さんを積まれていらっしゃるエリザベス女王。2020年のCOVID19の世界的な流行の兆しに、エリザベス女王はいち早くメッセージを発します。医療従事者たちへの感謝、そしてイギリスの子どもたちが虹の絵を描いて、窓に飾り医療従事者たちを励ましている様子を、エリザベス女王は「子どもたちの虹の絵は、パンデミックに対抗する私たちの精神を象徴するものになる」とお言葉を寄せ、メッセージの最後には力強く、こう結んでいます。
We will meet again
在位されて68年で5度目の特別のメッセージでした。感染症は人と人を近づくことを許しません。家に籠ったままの長い時間を私たちは強いられることになります、それでも暗い闇の先には必ず光があり、私たちは必ずこの危機から脱却し、成功すると鼓舞してくださいました。このメッセージをいち早く送ってくださったこと、それは人々の励みになりました。この力強いメッセージと迅速な行動力は、エリザベス女王の君主としての大きな輝きだと思われます。
今までの記念式典を振り返ってみましょう
1977年には在位25周年のシルバージュビリー、1992年は在位40周年のルビージュビリー、2002年は在位50周年にはゴールデンジュビリーを迎えられます。しかし1992年のルビージュビリーでは、チャールズ皇太子とダイアナ妃関係悪化、アン王女の離婚にアンドリュー王子の別居、そして11月にはウィンザー城が火災に見舞われてしまいます。女王自身の「酷い年」のお言葉を残します。ゴールデンジュビリーの2002年には、悲しい出来事が続きます。妹君のマーガレット王女と、母君エリザベス皇太后を相次いで亡くされました。それでも5月から7月にかけて祝賀の式典は執り行われます。ゴールドに輝くタワーブリッジや、ロンドンアイ、2階建てのロンドンバスが市内を彩ります。エリザベス女王とフィリップ殿下は、英連邦の国々へ訪問され、各国の祝賀式典にも参列され、国内外でのお祝いが続きました。
2012年ロンドンオリンピック開催の年に、エリザベス女王はダイヤモンドジュビリーの即位60周年迎えられました。本来ダイヤモンドジュビリーは75周年の祝典なのですが、ヴィクトリア女王が60周年で式典を執り行われたので、その慣例に従うようになりました。2012年6月2日から5日まで「Central Weekend」と銘打たれたさまざまな記念行事。特に3日めの6月4日に行われた「Queen’s Diamond Jubilee Concert 2012」では、ビートルズのメンバーだったポール・マッカトニーがバッキンガムパレス前の特設ステージで、「Magical Mystery Tour」、「All My Loving」、「Let It Be」、「Live and Let Die」、「Ob-La-Di, Ob-La-Da」を披露。「Ob-La-Di, Ob-La-Da」ではエルトン・ジョンをはじめ多くのゲストがステージに上がり、歌って踊り、盛り上がりました。さらにその後のチャールズ皇太子のクローズイングスピーチがなかなか楽しいものでした。
Your Majesty, mummy. 女王陛下、ママと呼びかけてスピーチを行い、最後に、 Hip, hip, hurray! とみんなで唱和しています。この「Hip, hip, hurray!」は、「フレー、フレー」と応援する時に使える表現でした。
2022年6月の特別な4日間
気候の一番穏やかな6月に、プラチナジュビリーのイベントが行われます。6月2日から週末にかけて、5日の日曜までの4日間が記念の祝典になります。
Thursday 2nd June/6月2日(木)
この日は女王の誕生日パレードの日。エリザベス女王は4月のお生まれですが、王室の公式行事の誕生日は、毎年6月に設定されています。この誕生日パレードはトゥルーピングザカラーと呼ばれ、衛兵たちとともにロンドンのバッキンガムパレスから、ホースガースパレードまで移動します。華やかな馬車にロイヤルファミリーたちを乗せてのバレード。衛兵交代式どころではない、1400人の衛兵たち、馬と楽団の伝統的なパレードは圧巻です。
また国内と英連邦諸国では、ビーコンと呼ばれるかがり火を点け、祝意を表します。
Friday 3rd June/6月3日(金)
6月3日の金曜日は、ロンドンのセントポール大聖堂で感謝のミサが開催されます。まだ内容はお知らせされていませんでしたが、荘厳なセントポール大聖堂での式典も見逃せません。
Saturday 4th June/6月4日(土)
場所をエプソムタウンズに移し、女王の大好きな競馬、ダービーの開催です。競馬場に集う大勢の観客とともに、女王の誕生日を祝します。またロンドンのバッキンガムパレスでは、特別なライブコンサートを計画しているようです。最高の音楽とパフォーマンスで女王を祝福します。
Sunday 5th June/6月5日(日)
毎週のお楽しみのサンデーランチが、在位70年のお祝いのビッグランチに。家族や友人たちが大勢集まって楽しむビッグランチは、2009年に考案されました。2022年は特別なビッグジュビリーランチを楽しめそうです。
バッキンガムパレス周辺でもイベントは計画されているようです。ストリートアート、音楽などに興じる日曜日になりそうです。