Well~From the United Kingdom
2021.08.18
英国コラム
Well、さてこれは何でしょう… ロンドン郊外のあるお家で見つけました。
副詞としてのwellはよく知っています。「よく眠る/sleep well」、「よく知られている/well known」は確かによく使いました。でも名詞のwellって何でしょう。何のことだか思い当たりません。でもロンドン郊外のレッドハウスに出かけた時、庭にあるアレ、あれが wellと知りました。レッドハウスの庭にひときわ目立つwellは井戸のことでした。
レッドハウスは工芸家・意匠家のウィリアム・モリスが新婚時代に暮らした家。赤い煉瓦のとても美しい外観、モリスの求める美と暮らしを盛り込んだ内装で、今でも多くの人々がレッドハウスを訪れます。玄関から見える吹き抜けの階段、階段の踊り場からは庭の緑、2階の廊下の丸窓はステンドグラスで装飾されています。天井の細工や、モリスのテキスタイルデザインのソファや、椅子にも目がいきます。ひと通り邸内を回って下りてくると、庭に出る扉があります。陽を避けて座れるこのスペースをモリス自身、「巡礼者の休息所」と呼んでいたそうです。陽光あふれる屋外とこの日陰の対比。内と外の境目と思われます。
そして明るい陽ざしの外に出ると、well、井戸が待っていました。大きな三角に積み上げた井戸の屋根はまさに魔法使いの帽子。階段の吹き抜けの三角屋根にも負けない存在感があります。レッドハウスの邸内の庭にある井戸、well。機会があればぜひお出かけください。
※写真はレッドハウスの井戸、別名「魔法使い帽子」と「巡礼者の休息所」の入口です。