英語学習をやり直したい! 社会人が初めにすべき基本の勉強法
2021.04.15
中学の頃の英語の授業って、段々と楽しくなくなってきていました。いつの間にか英語に挫折。その理由はなぜだろうと考えた時、英語は受験勉強の一貫だったからだと思っていました。でも大学の外国語の授業もやはり、テストのことばかりで楽しくはありませんでした。
学生時代の英語学習に失敗しても、でも英語で話したい、もっと相手の話す英語がわかりたいと思う大人の方々、多いようです。大人になった今、英語学習をやり直したいと思っている方に、そのための英語の学習法について考えてみましょう。
英語のやり直し学習をする際のポイント
中学英語には英語の基礎が全て詰まっていたはずです。基本文型、基礎文法はまだ覚えていそうです。ではそれをどうやってコミュニケーションにつなげていくか、考えてみましょう。
学習の目的を明確にする
最初に、今の自分にどうして英語が必要なのか、目的を明らかにすることが上達に結びつきます。仕事で英語が必要、趣味に英語をもっとわかりたい、英語を身につけたいいろいろ理由があります。
でも仕事でTOEICのスコアアップしたい人より、洋画や海外ドラマ、音楽を英語でわかりたい人の方が、ピンポイントな目的です。テストでスコアを上げることだけではなく、その英語を使って何をできるかを目標にしましょう。それが英語学習者のモチベーションになり、英語学習の楽しみにもつながるはずです。
基礎からさかのぼって学ぶ
中学や高校で学んだ英文には、コミュニケーションの全てが詰まっています。ただその参考書だけだと、テストのトラウマで楽しくないかもしれません。
見方を変えて、音読することをおすすめします。声に出して英語を読むことで、忘れていた単語も思い出せるかもしれません。例文を数多く読むようにして、発音を思い出し、英語に慣れる練習をしましょう。英語は単語だけ覚えても、どんな動詞とつながるか語順を確認できません。例文を音読することは、英語を丸ごと覚える最適な練習です。目で読むだけではなく、声に出す、音声にすることが肝心です。
学習環境を整える
自分の英語学習の目的に合わせて教材を探します。日常英会話、旅行英会話、ビジネス英会話とさまざまな教材が売られています。またアプリで学習できるものもありますので、毎日コツコツと英語学習できるものを選びます。英語はまずリスニング力を高めなければなりません。たくさんの英語を耳にすることで、英語のリズム、ネイティブがよく使う英語表現を覚えます。自分に合った英語学習の環境をまずは作ってみましょう。
英語学習を一からやり直しする基本の流れ
学生時代の英語の授業は好きになれなかったかもしれませんが、英語のスキルを高める王道でもあります。少し工夫をしながら自分流の学習法を探し出します。
基本文法を押さえる
英文法と考えると嫌気が差してしまいそうですが、よく使われている口語表現を覚えるつもりで身につけていきます。例えば、letは使役動詞として使え、よく使う英語表現。これは使い方を丸ごと覚えていきましょう。
Let's go さあ行くよ
Let me check 確認します
Let me see ちょっと拝見
Let me know ~ ~を知りたいのですが
Let it be そのままにして
Let it go 放っておいて
Never let me go けして私を行かせないで
ビートルズの名曲も、大人気のアニメの歌、ノーベル文学賞の作家作品、気軽な口語表現から、メールでの書き出しまで、letは万能です。
使役動詞などと習わず、使い方を知れば英語を楽しめます。イギリスに行くと、ビルの看板によく
To Let
と書かれているのを目にします。レンタルのRentではなくLetを使うのがイギリス流ですが、貸し家とすぐにわかりました。英語を英語のままで文法項目も含めて、丸ごと覚えていくことをおすすめします。実際日本語を介さずに学ぶことが、英語習得の近道。知識としてではなく、解説も聞かず、英語を丸ごと受けとめることにチャレンジしてみましょう。
語彙を増やす
英語を丸ごと覚えていくことから、よく使う単語もわかってきます。それでも間違った動詞と名詞を組み合わせると、変な英語表現になります。例えば日本語でも、「お湯を沸かす」と日常的に使っています。本来、日本語も「水を沸かす」、英語で「boil water」なのですが、それも日本語の習慣で「お湯を沸かす」で通じています。長く伝わる言葉が活きていくので、英語も単語だけではなく、コロケーションで覚えていきます。
特にhaveとtakeの使い分けが面白いところです。辞書を引きながら、そのコロケーションをイメージとして、覚えるのもひとつ。絵にしてその意味を覚えることは、英語学習にはとても有用です。シェーンのレッスンで使っているvocabulary builderという副教材も、絵と単語とその使い方を学ぶためにはとても役立つ副教材です。
リーディング学習をする
英語は母語のように耳から覚えるのが理想的ですが、第二言語として習得するのですから、たくさんの英語表現に触れることも大切です。
英語を読みながら、その文に何が書かれているのかを、英語のままで理解をしていきましょう。わからない単語があっても、文脈から推測し理解できるトレーニングを積みます。日本人は読むことから英語学習を始めていますので、比較的やりやすいかと思われます。英語のベースとなるリーディングですので、しっかりと身につけていきましょう。リーディングのコツはわかることだけ吸収する、そのスピードが大切です。海外のニュースサイトのテロップを読むのも、わかりやすいセンテンスで効率的に学べます。
リスニング学習をする
目で覚えるリーディングから、次は耳で覚えるリスニング学習についてご紹介しましょう。人間は自分が発音できない音は、雑音としてしか感じられず、その音を記憶できないと言われています。これはスピーキングの学習にも関わってきますが、わかった英語は口に出してすぐに発音してみましょう。聴き取れた英語をすぐにコピーするシャドーイング。この学習法もとても有用です。わからなかった、聴き取れなかった英語は何度も聴いてみます。
最近のYouTubeなどの映像は、字幕も生成されますので、目安ですが何を言っているか知ることもできます。それをまた真似してシャドーイングしながら、その表現を自分のものにしていきます。
ライティング学習をする
ライティングは自分で英語の文章を組み立てる練習です。なかなか日本語も文章として書けないのに、英語なんて無理と諦めてはいけません。最初に書けそうにないなら、誰がお手本になるような文章を書き写してみましょう。海外ドラマなどのセリフが聴き取れたら、書く。まずは英語を書くことに慣れましょう。
シェーンの副教材のひとつにLesson Notesというものがあり、このノートに日々のレッスンでの気づきや、日記を書くことをおすすめしています。なかなかタイピングばかりで、文字を書く機会がなくなっていますが、学習は本来手で書くことが大切。リスニングの復習としても効率よく学べるはずです。
スピーキング学習をする
とっさに英語で訊ねられ、応えられなかったご経験ありますか?
私事ですが毎日毎日、ああ返せばよかったと後悔していますので、これはスピーキングの練習が足りないものだと痛感しています。シャドーイングで聴き取れた英語、使いたい英語表現はいつも声に出して、発音することを心がけます。声に出さずに頭の中だけではなかなか実用できません。英語で表現できる自分の意見と、言葉を使いこなすことが、究極の目標。頭を英語に切り替え、日本語で考えないようにして、スピーキング練習を心がけます。
英語のやり直し学習を効果的に進めるには?
学習を効果的に進める方法はなかなかありません。英語に毎日触れることが重要だと思われます。日々の英語に役立つ教材を探してみましょう。
学習アプリを効果的に活用する
スマホで楽々簡単に英語学習できるアプリもかなり出ています。でも義務的にこなすのではメリットはありません。必ず自分のためになるものだと思って、興味のあるアプリを選びましょう。映画や海外ドラマを勉強できるもの、海外のニュースを聴き取るもの、状況別に役立つ英語表現が学べるものなど、いろいろ探せそうです。何が一番好きなのか、何を学びたいのかを考えて、自分に合った教材で日々英語のシャワーを浴びてみましょう。
アウトプットを強化する
インプットしたものを効率よくアウトプットするには、記憶の定着が肝心です。昨日見たアプリの表現、さて今日は覚えているでしょうか。言語を習得するには過程があります。それが次のように進んでいきます。
input
noticing
comprehension
intake
integrating
output
耳や目に入れたインプットが認識から理解へ、そしてintake(内在化)がintegrating(統合)し、アウトプットされるまで時間は要しそうです。つねに英語学習を続けることが大切だと思われます。
英語が難しいと感じる理由 初心者が無理なく上達する方法は?実際に英語を使う場所や環境を作る
英語を使わなければ、いつまでも経っても自分のものにはなりません。英語を使うことができる環境を探してみます。
オンラインを試す
今やオンライン英語はたくさんあり、1回レッスン100円以下のものも出回ってきています。オンラインでは、なかなかコミュニケーションをはかることが難しいと感じるかもしれません。対面とは違って五感を通して会話できないことに隔たりを感じることあります。でもコミュニケーションにチャレンジするには気軽なオンライン。使わないわけにはいきません。自信を持って話せるよう画面の中の英語に耳を澄ませましょう。
英会話スクールに通う
英会話スクールには通いたいけれど、費用面が心配ですね。でもほんとうは対面のレッスンには、記憶を定着させる作用があるのです。コミュニケーションは実践から学ぶべきなのですが、今のご時世の理由もありますので、無理はできません。英会話スクールに通うことよりも、海外体験と語学研修がもっと効果的なところですが、なかなか実現は難しいところです。でも全てを英語の環境に置くことが、一番の英語学習。日本語でのスイッチが入らないよう学べる環境が理想的です。
Trial & Error 多くの英語に触れ間違いを重ねて上達
最後に私事ですが、今英語を使う仕事に就いて早◯◯年。朝から山のような英語のメールに、苦労して返事を書き、とんちんかんな答えをして焦ったことも、今は楽しい思い出になりました。間違えることは覚えることだと言い聞かせました。
またコミュニケーションの達人と英語で話していると、自分がこんなに英語が話せた?と、思うほど会話が続きます。それは相手もこちらの言うことをわかろうとしてくれているからだと思います。テニスのラリーが続くような、いいコーチに習えれば英語学習も楽しくなります。毎日、いろいろな人の英語に触れて、たくさんの英語表現を身につけましょう。