Bath~From the United Kingdom
2020.12.01
英国史雑学
お風呂の名の由来は、イギリスのこの地から始まりました。
火山のない英国なので、温泉なんかあるわけないと思っていましたが、由緒正しきバースがあるではありませんか。そうお風呂の意味にもなったバースは、ローマ帝国の支配下にあった時代には、すでに温泉としてその場所は有名でしたが、それ以前の逸話も残っています。
古代王子のプラダットがハンセン病になり、見るも惨い姿になって追放されてしまいます。豚とともにさすらい、バースにたどり着きました。湧き出る湯に同じ病気を患った豚がつかると、そのただれた皮膚が治っていくことに気づいたプラダットは、その近くに居を構え、とうとう病いを治し、城に戻ることができたそうです。
古くからバースは温泉場として街を発展させてきましたが、エリザベス1世の統治の時代には寂れ、女王は惨憺たるバースから逃げ出してしまうほどでした。18世紀になって、オックスフォード大学中退のやくざものに身をやつしたリチャード・ナッシュという人物が、街を整え、バースを再生。また上流階級の人たちの社交場となり、街は発展し、今に続いています。
1987年ユネスコの世界遺産にも登録されました。
エリザベス1世がそのお湯に浸かれなかったのは、永遠の美を追求する女王としてはつくづく残念なことでした。もっと美貌と若さに磨きをかけたら、歴史はもしかして変わっていたかもしれません。