手紙の書き方 よく使われる書き出しと締めの挨拶・結びの例文
2020.10.15
最近は便箋で手紙を書くことは少なくなりました。メールやSNSで、海外の友人と十分やりとりできています。
でも昨年、昔撮った動画を送ってほしいとロンドン在住の友人に頼まれ、久しぶりに便箋を使って手紙、と言っても送り状でしたが、書きました。
その動画、YouTubeに載せればいいのにと言われそうですが、あえてメディアで送ることにしました。と言うのも、同封物(enclosure)に、彼女の子どもたちへの日本のおもちゃを送ってあげたいと思ったからです。便利な世の中になりましたが、モノをインターネットで送ることはできませんから。親しい友人と言っても真面目に、英文レターを書いてみました。
英語の手紙の書き方の見本
では手紙の書き方の日付と宛名の書き方からご紹介します。
日付の書き方
英語での手紙には決まったフォームがあります。最初に正式なフォームを覚えましょう。
右上に日付を記載します。イギリス式とアメリカ式と日付の記載もいろいろありそうです。以前見たホワイトハウスの書簡は日付が真ん中にありましたが、今回は右寄せとしました。日付の表記もイギリスとアメリカでは違います。
イギリス/8th October 2020 8/10/2020
アメリカ/October 8, 2020 10/8/2020
数字だけの日付はカジュアルな時に使います。アメリカ式の場合、フォーマルな書簡には日付の後に、カンマが要るようです。いろいろ知っているとマナーを遵守できそうです。
宛名の書き方
宛名はDearまたはToを使い、宛名は左寄せにします。名前の最後はカンマで、フルストップは使いません。
相手が決まっていればDearかToを使えばいいのですが、ビジネスレター等で担当者に届けるためには、
To whom it may concern,
ご担当者様
と記します。最後のカンマは必要ですので、忘れずに入れます。
以前使っていたDear Sir/Madamは敬称として今はNG。トランスジェンダーの配慮で、Ladies and gentlemanのアナウンスも使われなくなりました。言葉の表現は時代とともに変わりますので、留意しましょう。
英語の「敬具」の書き方
用件を書き記した後は、名前の上に日本語の「敬具」に当たる英文が入ります。敬具も日本語の口語表現ではなく、ただのルールのように書き記していますが、「拝啓」「敬具」で対になり、相手を敬う意味を持っています。
Sincerely yours,
Sincerely,
フォーマルに伝えたいならSincerelyを使った表現がベターです。ちょっと慣れてきたら、
Best regards,
Kind regards,
Yours truly,
今回は友人ですので、
Best wishes,
と、カジュアルに記しました。この締めの表現は、全て右寄せが決まりです。手紙なのでその下に直筆の署名をしてタイプした自分の名前を入れて完了です。
フォーマルな英文レターには、その組織のロゴがレターヘッドに置かれ、やはり最後に手書きの代表者のサインが記されます。ロゴの入った手紙は公式文章らしく素敵です。
住所の書き方
封筒には書く住所の表記も、英語では逆。相手の名前の下に、部屋番号、建物名、次に丁番号、町名、市区名、県名、郵便番号、国名と、住んでいる一番手前のところから書き進めるようになっています。部屋番号があれば#(シャープ)を入れるとわかりやすいようです。
海外から日本に手紙を送る際は、もちろん住所は漢字でいつもの書き方でOK。ただし国名はJapanと英語で表記、そうすれば日本の配達の手配に回ります。
手紙に使える例文【書き出し編】
では次は手紙の書き出しの例文をご紹介します。
友人にはHiでOK
手紙の書き出しはカジュアルな手紙なら、HelloやHiを口語で話すように手紙でも使えます。近況を訊ねるなら定番の、
How are you doing?
ご機嫌いかがですか?
I haven't seen you for a long time.
ご無沙汰しています。
また何かおめでたいことがある場合も、冒頭にそのことを入れるとよいかもしれません。
Congratulations on winning the competition!!
優勝おめでとうございます!!
Congratulations on the birth of your new baby.
お子さまのお誕生おめでとうございます。
Congratulations on getting a job.
就職おめでとうございます!
季節のご挨拶
日本では時節を入れるメッセージが手紙に多いのですが、それは日本人が四季を感じる習慣があるからだと思われます。海外では四季はひとつの季節の中にもあり、昨日は蒸し暑かったのに、今日は肌寒いと、ロンドンでは感じたことがあります。
衣替えという習慣も、日本特有のもので、真夏でもニットのセーターや、トレンチコートを来ている人たちを見かけます。ということで、季節のメッセージは個人的には入れませんが、クリスマスは例外かもしれません。その例文はご紹介します。
Winter is already here in Japan.
日本はもう冬です。
寒くなったことを伝え、いかがお過ごしかと続けてみましょう。
It's already December!
12月になりました。
誰もが大好きなクリスマスの季節になったことを伝えます。
英語の手紙に使える例文【締めの挨拶・結び編】
手紙やメールの締めの表現をご紹介します。
Keep in touchは接触を保つ??
友人たちとのメールのやりとりではよく、keep in touchを使います。接触を保とうと直訳してはいけません。いつも連絡してね、またはひき続きよろしく、といった意味合いで使っています。またこれは口語表現では使わない、書き言葉になります。また他にも、
I can't wait to see you.
また会えるのが待ち遠しいです。
やはりカジュアルな表現です。待てないは、楽しみと訳せます。またお会いできることを楽しみにしています、という日本語の表現と同じです。フォーマルな手紙の場合は、
I'm looking forward to seeing you.
お目にかかるのを楽しみにしています。
またご主人によろしくと言いたい場合は、
Please give my best regards to Mr. Smith.
スミス氏によろしくお伝えください。
これはビジネスの表現でも使えそうです。Give my regards to JohnとカジュアルにしてもOK。
またこの頃難しいMr.とMs.やMrs.の使い方ですが、Mr.には姓しか使えないようです。Mr. David LeeとフルネームではOKですが、Mr. DavidはNG。Mr.とMs.やMrs.は、フルネームかファミリーネームで使った方が無難です。
また日本語でもよく使う表現で、
Please take care of yourself.
どうぞお身体をご自愛ください。
例えば相手が病気だった場合に、お見舞いの気持ちをこめても使えそうです。
Please send me some pictures of you.
どうかあなたの写真を送ってください。
youをyour dogと変えれば、犬が見たいなあ、と伝えることができます。他にpictureではなく、movieやbookと変えても使えます。
そして結びは、最初にご紹介したいくつかの表現を使って締めくくります。
1行開けて署名、1行開けてタイプした自分の名前を入れて完了です。
手紙で伝えることを明確にする
手紙を書く時には何か目的があるはずです。その件名(subject)を、本文で明確に表現していきましょう。それがお礼状なのか、謝罪文なのか、それぞれの言葉のスタイルが変わります。
フォーマルな手紙では、ビジネスマナーに則った表現を使い、自己流の表現を避けた方が間違いはありません。
以前ロンドンの本社とメールでやりとりをしていました。社内の連絡なので、それなりのフォーマルさ加減でしたが、拙い英語だからこそ、わかりやすい英語表現を心がけていました。
案件は、ロンドン本社のPR部門との原稿手配促だったのですが、それを知らせる文章に加え、先々のスケジュールまで案内していました。例えば、3月の社内報の原稿は2月中旬まで、6月の原稿は5月の中旬までと、インデントを増やし字下げして記載し、年間の予定を知らせていました。
しかしなかなか待っていても原稿は来ません。なので、次のようにメッセージを変えました。
We would like to receive the Spring manuscript by the middle of February.
2月中旬までに春の原稿をいただけると助かります。
↓
The Spring manuscript deadline is the middle of February.
春の原稿締め切り2月中旬
端的にdeadline(締め切り)と記すようにしました。前もって挨拶を兼ね原稿の進捗を訊ね、そろそろ欲しいのでと催促も続けていました。そんなやりとりを重ねるに連れて、その担当者とのコミュニケーションはスムーズになりましたが、その後担当者が変わったりすると、また一からやり直し。やれやれ、だった経験がありました。
感謝の気持ちは世界共通
手紙やメールの最初には、
Thank you for your letter.
お返事ありがとうございます。
とお礼の挨拶をこめます。もし返事が遅くなった場合は、
Sorry for the late reply.
お返事が遅くなり申し訳ありません。
と一筆いれましょう。コミュニケーションの基本は、挨拶と感謝です。ビジネスもカジュアルな表現も同じです。最後にはいつもこう記しています。
Thank you for your cooperation.
ご協力感謝いたします。
これは口語ではない手紙やメールの常套句です。機会があれば使ってください。メッセージはリップサービスも必要です。締め切りを守らないロンドンのPR部門の担当者にももちろん、何百回も使いました。