小学校の英語教育に期待できる効果は?親がサポートできることを解説
2020.10.01
2020年度本格的に小学生の英語学習が始まろうとした矢先に、コロナウィルスの感染拡大で子どもたちは学校へ行けなくなりました。英語の授業のスタートも遅れ、そのうえ2020年の東京オリンピックも延期されてしまいました。
そんな状況で英語への熱が奪われてしまっている今日この頃ですが、ここが英語力をつけられるか、つけられないかの境目。従来の教科の授業の遅れもありますが、英語学習も忘れずに教科化の一つとして進めていきましょう。ご家庭でも英語の環境を作りながら、英語への関心を高め、お子さまの学習をサポートしていける方法を考えていきます。
小学校の英語教育の現状
児童英語の教育改革は2002年からもありましたが、英語でのコミュニケーション能力をつけるまでいたりませんでした。日本人がこんなに英語を学んでも話せない実情。それは教育内容に問題があるようにも思えます。
一国のトップの首相が英語をきちんと扱えないこの日本。国際社会において、自国のトップが英語でのコミュニケーションスキルがしっかり持てないことは残念です。では2020年度文部科学省はどんな英語の言語活動を登用しようとしたのか、もう一度確認してみましょう。
「まずは英語を楽しむ」
2020年度、小学校3年生から英語の授業を開始、会話を中心にまずは英語嫌いにならないよう、楽しむことを目標に位置付けています。週に一度の必修化となり、担任が授業を行っていきます。
小学校高学年の5年生からは週に2度の授業になり、教科書を用い通知表にも成績がつけられます。今まで中学生から始まっていた英語活動を早期化した感もありますが、一番の目的は英語でのコミュニケーションができるように。
担任教師以外に、外国人の教師の授業も取り入れる学校もあるようです。以前の教材よりも会話の表現に特化しているようですので、お子さまの英語への興味が持てることを期待したいところです。
「遅れを取り戻せるかが課題」
2020年3月から学校は長期の休校を余儀なくされました。6月には分散登校、消毒と換気の徹底などの環境を整え、全国で学校が再開。この3ヵ月の間に失われた授業時間は最大200時間との報道もありました。
お子さまたちにとって経験をしたことのないこの長期休校。学習態度も乱れがちになり、そのうえに夏休みも縮小され、今は遅れを取り戻すために、詰め込み授業となってしまいがちな状況です。
こんな状況でどこまで英語の授業が進んでいるか、保護者の皆さんにとっては不安なところです。
公立小学校でも自粛期間中には、オンラインの授業を教員自ら制作し送っていたようです。地域や先生の才覚で差は出そうですが、コロナ禍でも着々と小学校段階の英語教育は始まっていました。
また新しい教育内容のアクティブ・ラーニング。これはお子さまたちが主導して学びを取れいれていくことです。主導してできる子と、できない子の格差を生まないように、ご家庭での家庭学習の必要性は高まりそうです。
小学校の英語教育に期待できる効果と課題
小学生で英語を始めるとどんな効果があるのでしょうか。今の日本、結構英語の文字やアナウンスがあふれています。昔よりはずっと子どもたちは英語に触れる機会は増えています。
でも聞いているだけでは英語ができるわけではありません。まず子どもたちは英語という言語があることを理解し、それを話す人たちがいるということからわからなければなりません。なので、小学校3年生からの英語授業の開始は理に適っているようです。
ただ英語の発音は、日本人の先生の発音だけだと疑問は残ります。また授業が日本語と英語で行われることが多いので、やはり頭を全て英語に切り替えることは難しいかもしれません。
「バイリンガルの2つのスイッチ英語脳」
バイリンガルではない限り、私たち日本人は第二言語として英語を習得することになります。
バイリンガルと何が違うかと言うと、両親のどちらかが英語を母国語としているお子さまは、元々日本語は日本語で考え、英語は英語で考えてその言葉を獲得しているのです。スイッチが日本語と英語の二つあるので、スムーズに語学を切り替えることができるのです。何ともうらやましいスイッチですが、第二言語として英語を習得する私たちには、それ相応の時間と学習を要しそうです。
「日本人の英語力の現実」
かつては中学で3年、高校で3年、大学の基礎課程で2年、およそ8年間の英語教育を受けながらも、英語でのコミュニケーションスキルを持てなかった自らの経験は、今でも通用しているのかもしれません。
英語でコミュニケーションできない日本人の汚名。もちろん最近は日本人の英語力は高まっていると感じます。しかし英語ができる人とできない人の格差はますます深まっているように思えます。
TOEIC® L&Rテストの日本人の平均スコアと500点あまり。韓国の700点近いスコアと大きく差が出てしまっています。
「ご家庭での英語導入」
そしてコロナ禍という想定外の事態。
ある自治体では英語教育に力を入れ、グローバル社会で生き抜く人材育成のための、一大プロジェクトが組まれています。その中には英語漬けのイングリッシュ・キャンプの実施、英語劇の開催等を予定していましたが、今の密を避ける状態では当面の実施はなさそうです。
そして新学習指導要領の全面実施にどんな影響をもたらすのか。お子さまたちの英語の技能を身につける機会を先送りにさせないためにも、ご家庭での英語の導入をどうぞご検討ください。
小学校の英語教育に備えて親ができること 子どもの英語脳を伸ばそう
ではどうやってご家庭で英語を取り入れていくのか、おすすめの方法をご紹介します。まずは簡単なやり方です。
毎日英語に触れさせる時間を作りましょう。同じ音声教材を流して聞かせ続けます。歌などが入っているものはよりお子さまの興味をひくはずです。
「いっしょに英語の勉強をする」
次に、これは少し大変ですが、学校の教材の予習・復習に目を配ります。保護者の方々もごいっしょに英語を習うつもりで、教科書を開く時間を作りましょう。
その際にしてはいけないことが、強要したり叱ったりしないことです。英語嫌いになってしまっては元も子もないのですから、楽しく英語のスキルを身につける、環境を作ることを重視してあげましょう。
「テレビやオンライン動画を活用する」
そして英語のテレビ番組の活用です。NHKも年代別に英語教育プログラムを制作していますので、これを活用しない手はありません。またオンラインのアニメーション動画を、英語だけで観る習慣をつけること、これはありです。
アニメの世界には言語を超えたコミュニケーションがあります。かつてNHKで放送していたスヌーピーのアニメでその仲間の名を覚え、ハロウィンを知った覚えがあります。その時の放送はもちろん英語ではありませんでしたが、異文化に触れた感がありました。
テレビを見ているだけでも英語の世界を見る好い機会になります。今ではインターネットで英語だけのアニメチャンネルも充実していますので、お子さまに英語の世界を見聞きする機会も作ってみましょう。
「英会話教室のお子さまたちの英語力」
幼い頃から英語教室に通っているお子さまたちは、英語の音とリズムをしっかりと耳に刻んでいます。初めて英語を聞いたお子さまよりもずっと英語の耳を作っています。
でもだからといって、もしその差があったとしても、今始めないよりは始めた方が、お子さまの英語の力を充実させる世界を開くはずです。迷わず英語の扉を開きましょう。
英語を話住む人々と、その世界を見聞きするチャンスはどこにでもあります。強制するのではなく、自然と英語の世界にお子さまを誘ってみてください。そしてご家族で、英語を楽しむ時間を作りましょう。