Islay~From the United Kingdom
2019.11.15
英国食生活
英国のある島のお宝。
それは気の遠くなるような長い年月で作られていました。
英国の北、スコットランドの小さな島、アイラは、ウィスキーの蒸留所で有名な島です。
アードベッグ・カリラ・キルホーマン・ブナハーブン・ブルイックラディ・ボウモア・ラガヴーリン・ラフロイグ等の蒸留所はおもに海岸沿いに建ち、この地でしかできない独特のウィスキーのシングル・モルトを作り続けています。
一朝一夕ではできないのがこのシングル・モルトづくり。その独特な原酒を生み出すには理由があります。過酷な風土の北国の小さな島には、ウィスキーを生み出すための諸条件が揃っていたのです。
水・風・土。特にピート(泥炭)と呼ばれる土の財産が決め手でした。ピートは元々ヒースの花々や苔などが長い年月をかけて積み重なっていった土のこと。大麦を乾燥させる時にこれを焚いて、独特の香りをつけていきます。
煙臭いと思われますが、チャールズ皇太子の愛飲の品として、英国御用達に認定されました。
アイラ島のあるスコットランドやアイルランドの、その雄大な自然と長い歳月を蓄えた琥珀の酒を、口にする。
氷も水も何も足さないのがシングル・モルトの流儀。「氷は要らない、ただ水だけ」と、作家の村上春樹氏の随筆にも書かれていました。そんな台詞と佇まいが似合うようになれば、バーでの作法は完璧ですね。