Holly and Ivy~From the United Kingdom
2019.11.01
クリスマスに子どもたちに読んであげたいお話をご紹介しましょう。
願いごとをすればかなうというこのクリスマスのお話は、英国の作家ルーマー・ゴッデンによって1958年に書かれました。原題をThe Story of Holly and Ivy、日本では「クリスマス人形の願い」として出版されました。子ども向けにルーマー・ゴッデンが書いた6作めのお話になります。
身よりのない少女Ivyはクリスマスイブによその施設に向かうところ、思いついた地名と同じ名の駅に出会い、突然汽車を降りてしまいます。思いついた地名、思いついた祖母。私のおばあちゃんに会いにいく、そうIvyは願いました。そして人形のHollyは子どもに遊んでもらいたいと、おもちゃやのウィンドウで待ちますが、イブの夜は過ぎてしまいます。Ivyはひと晩を温かさの残ったパン屋さんの倉庫で眠り、クリスマスの朝を迎えます。
願ったことのさまざまなエピソードが紡がれてお話は進みます。Ivyは子どもがほしかったジョーンズ夫妻と出会い、おもちゃやのピーターは失くしたお店の鍵をIvyに見つけてもらい、そのお礼にHollyをジョーンズさんの家にこっそり届けます。そしてHollyとIvyはクリスマスをジョーンズさんの家で迎えるのです。
願いと奇蹟がクリスマスの朝に結ばれるこのお話を、小さい頃に読んだ記憶があり、大人になって再び出会うことができました。
作家ルーマー・ゴッデンはイプセンと同じ題の「人形の家」という本も出しており、小学校の時に図書館でくり返し読んでいたことがあります。図書館の本の「人形の家」には、扉絵に英国のドールハウスがあり、飽きることなくその間取りを眺めていました。英国のお家の居間、ベッドルーム、キッチンが詳細に描かれ、その世界に憧れましたっけ…
「人形の家」はまだ出版されており、今でも読むことはできますが、扉絵の本は再版されていません。でも国会図書館には昔の本が残っていて、扉絵は見ることは可能です。