Come and visit TATE BRITAIN-Elizabeth Eleanor Siddal(1829-1862)

2019.10.29

英国史雑学

英国の画家と作品をどのくらい知っていますか?
最初に絵画を見た時の無垢な感動。それを大切にして美術館に足を運んでみましょう。
ここではロンドンにあるテート・ブリテンが収蔵する作品をご紹介します。画はhttps://www.tate.org.ukからご覧ください。

  • Come and visit TATE BRITAIN-Elizabeth Eleanor Siddal(1829-1862)



エリザベス・エレノア・シダルは最初、画のモデルでした。婦人用の帽子店で働いていたところを画家のデヴァレルに見出され、画のモデルを務めるようになりました。ラファエル前派の画に数多く登場し、やがてそのグループのひとりの画家、ロセッティと親密な関係になっていきます。

伏し目がちで、腺病質な佇まいの彼女の画が残されていますが、ほんとうは行動的な女性ではなかったかと今では思われます。美術評論家のラスキンの援助を受けながら、自らも画と詩を学び始めます。

エリザベス・エレノア・シダル、通称リジーはロセッティと同じ屋根の下で暮らしながら、彼から画と詩の手解きを受ける日々を続けます。人物たちの硬い姿勢、動きのない彼女の画力ではありますが、19世紀半ばにモデルの女性が、絵筆を、ペンを、持って、自己表現をするということは当時画期的なことだったと思われます。

  • Come and visit TATE BRITAIN-Elizabeth Eleanor Siddal(1829-1862)



では自己表現を始めたリジー作の1枚をご紹介しましょう。

「Lady Affixing Pennant to a Knight's Spear」は、ペナント(三角旗)を騎士の槍に指す女性が描かれた1枚。ペナントの鮮やかな赤が目を惹きます。女性の着る青いスカートと中世の騎士の服の青さがそのペナント赤を際立たせ、その彩色に特有の力を感じます。

彼女の詩作にも、鋭い感覚と伝える力が光りますので、一度読んでみてください。水彩とパステル描かれたリジーのこの1枚は、ロンドンのテート・ブリテンにあります。

Lady Affixing Pennant to a Knight’s Spear
Elizabeth Eleanor Siddal(1829-1862)