Come and visit TATE BRITAIN-Joseph Mallord William Turner (1775~1851)

2019.12.29

英国史雑学

英国の画家と作品をどのくらい知っていますか?
最初に絵画を見た時の無垢な感動。それを大切にして美術館に足を運んでみましょう。
ここではロンドンにあるテート・ブリテンが収蔵する作品をご紹介します。詳細はhttps://www.tate.org.ukをご覧ください。

  • Come and visit TATE BRITAIN-Joseph Mallord William Turner (1775~1851)

フランスの印象派より早く、その技法の先駆者は17世紀英国に生を受けました。フランス近代の印象派の画家、クロード・モネの描いた1872年<印象-日の出>。その画のタイトルが元になって印象派が19世紀後期に登場しました。色彩を印象でとらえ、配列した輪郭線のない技法は、当時画期的なものでした。

しかしそれより以前に英国ではジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナーが印象派たちより早くその技法の作品を残しています。ターナーは多くの風景画を描いています。しかし風景をありのままに描くだけではなく、「終わり」を感じさせるものが多いのも特徴です。たとえば、鮮やかな夕映えの中、解体される戦艦が小船に弾かれてゆく画。時代の終わりや死をどこかに秘めています。

では「Light and Colour (Goethe's Theory) - The Morning after the Deluge - Moses Writing the Book of Genesis」をご紹介しましょう。長いタイトルですが、「光と色(ゲーテの理論)-洪水の後の朝-創世記を書くモーセ」と日本語に訳されている1枚です。

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まばゆい光の中に多くの人影らしいものが蠢いています。中心にモーセらしい影と杖。すべてがのみ込まれてしまった洪水の後の新しい朝。輝く黄色、黄赤を人の視覚と同じように見事に再現しています。

まさに終末思想の1枚。実際の風景ではないけれど、人の目で見える色や色彩を忠実に表現しつつ、想像の世界を視覚化した作品です。
神々しさをも感じるこの油彩はロンドンのテート・ブリテンのターナーコレクションにあります。

Light and Colour (Goethe's Theory) - The Morning after the Deluge - Moses Writing the Book of Genesis
Joseph Mallord William Turner (1775~1851)