電話はcutではなくhang upして切りましょう「定番の言葉の組み合わせ」に注目しよう

2019.10.10

英会話フレーズ

英語の4技能、その土台になるのが語彙力です。しっかりした土台に高い建物が建つように、しっかりした「使える語彙力」は高い英語力を培う強力な武器になります。単語の意味を知ることは「知識」を得ること、「知識」を「使えるボキャブラリー」に変えるためのカギとなるのが「単語と単語の自然な組み合わせ」を知ることです。
日本語には日本語の、英語には英語の定番の組み合わせがあります。いくつか例を挙げてみましょう。

  • 電話はcutではなくhang upして切りましょう「定番の言葉の組み合わせ」に注目しよう

薬を飲む ⇔ take medicine
電話を切る ⇔ hang up the phone
頭痛がする ⇔ have a headache
風邪をひく ⇔ catch a cold
利益を出す ⇔ make a profit

「頭痛を持つ」「利益を作る」「薬をとる」、日本語として違和感がありますね。「薬を飲む」時にはdrinkではなくtake、「電話を切る」のはcutではなくhang up、一つ一つの単語を直訳するのではなく、「名詞+動詞」のひとかたまりで覚えてしまいましょう。

名詞と動詞だけでなく形容詞と名詞にも自然な組み合わせがあります。紅茶を例に考えてみましょう。

「濃い紅茶」と「薄い紅茶」はよく使う表現です。直訳してthick teaやthin teaと言っても意味は察してもらえるかもしれませんが、ネイティブの耳には不自然に聞こえます。strong tea(濃い紅茶)weak tea(薄い紅茶)が定番の組み合わせです。

I like my tea strong/weak.(濃い/薄い紅茶が好きだ)

「紅茶をいれる」は動詞make を使います。

The host mother made tea for me.(ホストマザーが紅茶をいれてくれた)

余談ですが、イギリスでteaと言えば紅茶を指しますが、ハーブティや日本茶などと区別して言いたい場合もありますね。
緑茶はgreen tea、紅茶は赤いからred teaかと思いきや、英語ではblack teaあるいはEnglish teaと言います。軟水の水を使う日本では紅く見える紅茶もヨーロッパの硬水でいれると黒くみえるのだとか。black teaがあるならwhite teaはあるのでしょうか。はい、ミルクティをwhite teaと言うことがあります。ただし、ほとんどの人がwith milk(ミルク入り)の紅茶を飲むイギリスで、わざわざwhite teaと言うことはあまりないようです。ちなみにmilk teaは和製英語、正しくはtea with milkです。

余談ついでに「色」の話を続けましょう。以前、色を使った慣用句、white lieと「真っ赤な嘘」をご紹介しました。

white lieとは「悪意のない嘘」のこと。「白い嘘」と直訳しても何を意味しているかわかりません。ただし、「白」は日本語でも「清らか」や「善」のイメージがありますから、意味がわかればなるほどと納得できる気がします。

一方、「真っ赤な嘘」や「赤の他人」の「赤」は「全く」や「あきらか」を表します。この「赤」の持つイメージはredでは伝わりません。「真っ赤な嘘」をあえて英語にするならabsolute lie、あるいはちょっと難しい単語ですが、 outright lieでしょうか。一方、「見え透いた嘘」はtransparent lieと言うことができます。transparentは「透明」の意味ですから、日本語の語感と少し近い感じがしますね。

それぞれの文化で、色に対する感じ方はさまざまです。青信号はgreen light、白髪はgray hair、青ざめるはturn pale、青二才はgreen youth等々、ずいぶん日本語とイメージが違いますね。ここでも直訳は役に立ちません。collocation ルール同様、こうした表現は「出会ったら覚える」、「覚えたら使ってみる」ことで「使えるボキャブラリー」を増やしていきましょう。