Penny Black~From the United Kingdom
2020.01.08
英国史雑学
英国発祥の切手のお話。
郵便が始まると間もなく、切手のコレクターも登場したと言われています。世界で初めての切手は、英国で誕生しました。それがペニーブラック。でもこの切手、印刷技術の未熟さから、消印をなかったことにできることが判明し、間もなくペニーレッドに変わります。
でも、世界最初の切手のタイトルはそのままです。1840年5月1日がペニーブラックの発行日ですが、日本ではまだ江戸時代です。
世界最初の切手ですから、まだ目打ちはなく、はさみで切り分けるようになっていました。でも裏の糊はあったのです。じゃがいもの澱粉で作られた糊がつけられていました。
発行された枚数が多いものの、ペニーブラックの人気は高く、コレクターズアイテムには欠かせません。何しろ世界初の英国の切手なのですから。でも、このペニーブラックには、ヴィクトリア女王の横顔の肖像画が描かれていたため、当時の雑誌には、「女王の首集め」と揶揄されてもいたようです。
オードリー・ヘップバーンの映画「シャレード」で、盗まれた多額の金塊を、小さな箱に収まる高額切手に替えていたオチがありましたが、これにペニーブラックはあったのでしょうか。
調べてみたらペニーブラックは、未使用でも10万円くらいの価値なので、金塊の価値には及びません。金塊でもお金でもなく、切手にして隠し持っていた映画のトリックは、斬新なアイディアでした。切手に精通していないとできない技ですね。