Noblesse Oblige~From the United Kingdom
2020.01.08
異文化理解
Noblesse Oblige
これは何でしょうか…フランス語から派生した英語のようですが…
さあ、何と読むのでしょうか。元はフランス語ですが、英国貴族たちの言葉にもなりました。
19世紀にフランスの作家、バルザックの「谷間の百合」で引用され有名になった言葉です。これは、上流階級や経済的に豊かな者は、貧しい者に恩恵を施すこと。この精神は、やがて英国貴族たちの義務となり、自分の存在や財産を積極的に使うことになりました。
たとえば英国王室の慈善活動は、その最たるものと言えるでしょう。キャサリン妃は子どもたちのホスピスや、障害者を含んだスポーツ選手の育成、薬物やアルコール依存者たちとその家族たちの支援などを行っています。
王室洗足式は、女王が貧しき者たちの施しをするためのもので、実際に赤い袋にお金を入れて参列者に配ります。大聖堂で毎年行われる女王の行事のひとつです。在位60年の2012年にはヨーク大聖堂で、王室洗足式は行われました。でも、エリザベス女王から直接現金を受け取るというのも、何か不思議な感じがしますね。
ちなみにノブレス・オブリージュのこの言葉を引用したバルザックの「谷間の百合」の訳ですが、英語ではlily of the valleyで、本来はすずらんのこと。日本語のそのままに訳された「谷間の百合」にはなりましたが、かえって余韻のある美しい響きになりました。
※写真はナショナル・ポートレート・ギャラリーのエリザベス女王の肖像です。