I hope this e-mail finds you well. 英文メール、日本語の決まり文句は伝わりません
2019.10.03
「お世話になっております」「よろしくお願いします」など、日本語のビジネスレター・メールには定型化されている決まり文句がたくさんあります。
フォーマルなビジネスレターは「貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」で始め、「よろしくお願い申し上げます」で締める。日本語のビジネスレターの基本ですね。逆に言うと、ここをきちんと抑えておけば、なんとなく形が整う安心感があります。しかし、こうした日本語の決まり文句はなかなか英語で表現しにくいものです。
ビジネスの場面でもカジュアルな場面でも、頻繁に使われる便利な表現、「よろしくお願いします」を例に考えてみましょう。
「よろしく」は形容詞「よろしい」の連用形、「ちょうど良いぐあいに=うまいぐあいに」あるいは「適切に」と言う意味です。
「よろしくお願いします」の根底に流れているのは「何かが起こった時には(あなたの判断で) 一番良いようにしてください」ではないでしょうか。相手を立てている表現ではありますが、あなた任せともとれますね。
自主性を重んじる英語圏には馴染まない考え方かもしれません。英語で表現する時にはちょっとした発想の転換が必要です。
初対面時の「これからよろしくお願いします」なら
Nice to meet you.
あるいは、(I’m) pleased to meet you. In an email it’s a bit strange to say “nice to meet you” so how about “I’m looking forward to working with you.”
ビジネスメールの最後の締めとして使うなら
Thank you for your continued support/cooperation.
I really appreciate your support.
「(あなたに)サポートをお願いします」と依頼を投げるより、「サポートを(私が)感謝します」とする方が主体的に感じます。
同様に、「お返事ください」など依頼する時も、「あなた」を主体にせず、「自分」を主体にして以下のように書いてみてはいかがでしょうか。
I look forward to hearing from you soon.(お返事待っています)
We would appreciate your prompt reply.
or “Thank you in advance for your response.”
or “I look forward to hearing from you at your earliest convenience.”(迅速なお返事をいただけると嬉しいです)
さて、結びの文の紹介が先になってしまいましたが、書き出の表現「お世話になっております」も考えてみましょう。
この表現、本当にお世話になっているわけでなくても、日本語ではメール冒頭の定型文として挨拶的に使われています。そのまま直訳して「you always help me」ではいかにも不自然です。
英文メールではこのような書き出しの決まり文句はありません。その時々に応じた簡単な挨拶のあと、すぐ本題に入ります。挨拶が省かれ、いきなり用件に入ることもあります。
とはいえ、日本式ビジネスメールに慣れている私たちは、何かしらの挨拶文を書きたくなるもの。「お世話になっております」の代わりに使える表現をいくつかご紹介しましょう。
メールの面識のある人なら「ご機嫌伺」を
I hope all is well with you.(すべて順調であることを願っております)
I hope this e-mail finds you well.(お元気でいらっしゃいますか)
初めてのメールなら自己紹介から
I’m Yoshiko Suzuki, a sales manager at ○○ [Company name].
(○○会社、セールスマネジャーの鈴木美子です)
お礼を述べる
Thank you for your inquiry. (お問い合わせありがとうございます)
Thank you for your time last week. (先週はお時間いただきありがとうございます).
「お世話になっております」の代わりに「○○の件で連絡しています」とメールの目的から書き出すこともできます。
I am writing to tell you about our new products.(新商品のご紹介です)※introduceは人を紹介するとき
英語でのビジネスメールの基本は「簡潔に用件を伝えること」。その上で、「よろしくお願いします」「お世話になっております」のニュアンスを上手に取り入れて、円滑なbusiness relationshipを目指しましょう。
Thank you for your continued support.