Tom's Midnight Garden~From the United Kingdom
2019.10.22
英国コラム
英国の児童文学の傑作のひとつ、「トムは真夜中の庭で」のご紹介しましょう。
高校生の頃とてもはまった英国のお話があります。それがTom's Midnight Garden、邦題は「トムは真夜中の庭で」。アン・フィリッパ・ピアスはケンブリッジ出身の児童文学者で、この作品は1958年に発表されました。
慣れない土地で暮らすことになったトムは、ある晩時計が13時を打つのを聞きます。そこで実在しない庭が現れ、ここからこの庭が過去と未来をつなげます。ハティという少女に出会うのですが、どうやら少女は昔の姿。現実のトム世界では、預けられた先のおじさんはちょっとめんどくさい人で、気難しい大家の女主人が階上にいて、新しい生活にはトムはなかなかなじめません。でも夜中にハティと出会います。ハティも両親と別れ、ここに住んでいて、トムはハティに親近感を覚えます。
時を超えたこのお話は、英国では何度もドラマや映画になったそう。Tom's Midnight Gardenは発表して間もなく、カーネギー賞をとります。
お話に出てくる庭は、ピアスが幼い頃に育ったケンブリッジ郊外の庭を、思い出して執筆したそうです。英国の児童文学の傑作のひとつでもあり、機会があればご一読ください。英語に自信のある方は、原書もおススメです。