Red House~From the United Kingdom
2020.02.12
英国コラム
ロンドン郊外にあるRed Houseはその名のとおり、赤い家。
美しい外観とこだわりの内装は、一見の価値があります。
ここまで来るのにどれほど時間がかかったことでしょう。意匠家・工芸家のウィリアム・モリスが、結婚のために造った新居がレッドハウス。世界でも有数の建築物のひとつです。
モリスは画家を目指し勉強を続けていました。そこで先輩の画家ロセッティに誘われ、オックスフォードの図書館の壁画制作に加わります。その壁画は褪色し、結局失敗に終わるのですが、そこで得たものがあります。オックスフォードで、後の妻になるジェーンと出会うのです。
モリスはジェーンをモデルに油彩を残していますが、これがモリスのたった1枚の画。美を追い求める道が絵画ではなく、生活にまつわるものになっていきます。
その結集がレッドハウス。建築家ウェッブが設計し、内装にモリスとその周囲の人たちのこだわりを集めた家の完成を目指します。壁紙、カーテン、ベットカバーやタイルなどのパターンデザインを生み、家具、窓にステンドグラスと、美と機能性を追求します。
遠い昔にレッドハウスの文献を読みながら、どこにあるかもわからず、行くことも思いつかなかったのですが、便利な時代になりました。インターネットで検索でき、英国のガイドブックにも載るようになりました。
※レッドハウスはベクスリーヒース駅から徒歩20分ほど。