サバイバルイングリッシュ I need the loo.
2019.07.01
海外旅行に行く時、一番に覚えていきたい英会話のフレーズはなんでしょうか?
道のきき方?メニューのオーダーの仕方?はたまた買いものに使えるフレーズでしょうか。役に立つフレーズは沢山ありますが、海外旅行に行く時にまず覚えておきたいのがトイレにまつわる表現です。
さて、トイレの呼び方は同じ英語圏でも違いがあります。
イギリスでは、toiletと言う単語が日本と同じ感覚で使われますが、アメリカでtoiletは「便器」そのものを指し、ダイレクトすぎて下品に響きます。代わりにbathroom(家庭内)やrestroom(ホテルやレストランなど)がよく使われます。
例:May I use the bathroom?(トイレを貸してください)
英語では、トイレはborrow(借りる)ではなくuse(使う)です。ご注意を。
アメリカと違い、イギリスでは、toiletは「トイレのある部屋」も指し、Where is the toilet?のような言い方も普通にします。ただし、イギリスの友人は「toiletという言葉は普通に使うけど、直接的な感じがする、品良く話したい時には避けるかもしれない」と言っていました。
イギリスでよく使われるのはthe loo という単語。イギリス英語に慣れていないとloo=トイレとは結び付きませんね。ちょっと耳慣れない単語ですが、頭に入れておきましょう。toiletよりも婉曲的で女性にも使いやすい表現です。
例:I need the loo.(トイレに行きたい・トイレはどこですか)
Ladies' room、Gentlemen's roomのroomを略したLadies'(ご婦人用)やGents'(紳士用)もよく使われます。家庭内ではなく、公共の場にあるトイレを指すときに使える品の良い言い方です。一方、アメリカやカナダでよく使われるrestroomはイギリスではあまり使われないようです。
例:I need to go to the Ladies'/Gents'(トイレに行きたい・トイレはどこですか)
さて、「トイレに行きたい」をそのまま英語に訳すとwantを使いたくなる方が多いのではないでしょうか。wantでももちろん通じますが、needもよく使われます。
wantは主観的な欲求「そうしたいという気持ち」を、needは客観的な必要性「そうしなければならない状態」を表します。「~したい」と自分の感情を伝えるのでなく、「~しなければならない」と必要性を訴える英語の思考は、日本語のそれと違って面白いところです。皆さんの感覚はどちらに近いでしょうか。
ともあれ、直訳を感じさせない英語らしい表現なのでぜひ使ってみてください。
ところで、トイレに行きたい時、直接的に「トイレはどこ」「トイレに行きたい」と言わずに曖昧に、婉曲に言うことが好まれるのは日本だけではありません。古典的なもので思い浮かぶのはNature calls.と言う表現。日本語の「お花を摘みに」のようなもので、流石に今では使われないようです。切羽詰まった時でなければ、ちょっとした笑いが取れるかもしれません。
そんな話はさておき、お勧めは次の二つです。
例: I'll go to wash my hands (I have to wash my hands).(手を洗ってきます)
Excuse me (for a moment).(ちょっと失礼)
最後に困ったときのお助けフレーズです。 トイレのトラブルと言えば「流れない」、「詰まった」ですね。
The toilet is clogged up.(トイレが詰まっています)
The toilet won't flush.(トイレが流れません)
The toilet doesn't flushでも通じますが、won't = will not を使うことで「(流れるはずのものが)どうしても流れない」と言うニュアンスがでます。ここでのwon'tは「未来形」ではなく「意思」を表します。もちろん、トイレは無生物なので意思はないのですが、あたかも意思をもって拒んでいる、手に負えないという感じでしょうか。
英語の無生物主語には面白いものがたくさんありますので、また次の機会に改めてご紹介しましょう。