イギリスの結婚式事情とは?参加時のマナーとお祝いに使える文例

2021.05.01

異文化理解

イギリスの結婚式と言えば、やはりロイヤルウェディングのイメージでしょうか。ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式は、2011年4月29日にロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われました。最近では、弟のハリー王子とメーガン妃の2018年5月19日にウィンザー城で行われた結婚式が記憶に新しいところです。

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女性誌では、王室をはじめ華やかな世界に暮らす海外セレブのウエディングドレス特集が組まれます。花嫁のドレスがUKブランドだとか誰のデザインによるものかなどニュースに事欠きません。

それでは、一般的なイギリス人の英国式結婚式はどんな感じなのでしょうか? 映画やドラマで結婚式の場面を目にして気づいたかもしれませんが、いくつか日本とは違う点があります。今後、イギリス人の結婚式に招待されることがあるかもしれないので、知っておいて損はないでしょう。

イギリスの結婚式の流れ

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日本では婚姻届を提出するとそれだけで結婚となりますが、イギリスの場合、挙式をしてはじめて婚姻届の発行が可能になります。なおプロテスタントでない場合など、市町村や認可されたレストランなどの結婚登記場で簡単なセレモニーを経て婚姻届が発行となります。
ここでは、教会の結婚式の様子を紹介しましょう。

結婚式(儀式)

近頃は海外ウエディングも珍しくないイギリスではありますが、カップルに一番人気なのは伝統的な英国国教会の教会での結婚式です。会場の教会は好きな教会を選ぶのではなく、住んでいる街の教区の教会です。
結婚式では、宗教上の式が執り行われます。家族や友達が参列するなかで、新郎新婦は、誓いの言葉を述べる、キスを交わす、結婚指輪を交換するなどをし、2人が選んだ賛美歌を皆で歌います。

披露宴(レセプション)

結婚式が済んだあとは、大きな邸宅やホテル、レストランなどで披露宴が開催されます。
食事は着席式や立食など、形式はさまざまです。屋外の広い庭園でガーデンパーティーをすることも多くあります。花が咲き乱れる初夏のイングリッシュガーデンは最高のロケーションでしょう。
近頃はイギリスのウエディングも多様化してきたようですが、新婦側が費用を出すのが伝統で、新婦の意向が強く反映されます。
新婦は独自性を重視して、自分の好きなように母親とウエディングプランナーの手を借りながら準備を進めます。

スピーチ

イギリスでは一般的に、新郎、新婦の父、ベストマンの3人がスピーチをします。
ベストマンとは結婚式の責任者で、新郎の友人や兄弟から選ばれます。なかでもベストマンのスピーチは結婚式の中でも注目されやすいパートです。
新郎新婦の思い出話やユーモアのある話をして、笑いや出席者がホロリとするような感動を与えることが求められます。

アフターパーティ

披露宴(レセプション)が終わったら、アフターパーティが行われます。
イギリスの結婚式では参列者が夜まで参加することが通例で、このアフターパーティで談笑したり、ダンスをしたりして最後まで楽しみます。披露宴よりもカジュアルな雰囲気で、DJを雇うこともあります。
アフターパーティは日本での2次会にあたりますが、披露宴の出席者が全員参加すると考えると不思議に感じるかもしれません。2次会のために場所を移動することなく、同じ会場で開かれます。
このようにイギリスの結婚式は日本の結婚式のように2時間~3時間といった時間では済まない長丁場のイベントです。しっかり体調を整えてから望みましょう。

海外でのマナー違反に注意!日本人が知っておきたい外国の常識

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イギリスでの結婚式に参加するときのマナー

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結婚式といえば、まず考えるのが何を着て出席するかでしょう。
これを間違えるとマナー違反で気まずい思いをするだけに留まらず、失礼になってしまうことがあります。
イギリスの結婚式のしきたりの中でも重要ポイントとなります。そのほかのマナーも一緒に見てみましょう。

真っ黒や真っ白の服は避ける

服装選びで気をつけたいのが、真っ黒と真っ白を避けるということが基本にあります。
日本では黒いスーツを着て出席することも多いですが、イギリスでは黒は葬式で着る「悲しみの色」という認識がある人が多くいます。また白は、主役=新婦のウエディングドレスと重なるので避けられています。
そのため、男性はダークブルーやチャコールグレーなどのスーツを着用するのがよいでしょう。
女性は露出の少ない明るい色のフォーマルドレスを着用すると良いというのが服装選びのアドバイスです。
また女性については、イギリスのフォーマルの場面では、帽子が一般的。華やかなものを選ぶと、イギリスらしい雰囲気に仕上がるのではないでしょうか。

ちなみに、ブライズメイドたちはお揃いのドレスを着用します。
「ブライズメイド」という名前だけは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。新婦の姉妹や友人から選ばれた付き添いを意味します。
ブライズメイドのドレスの色、ベストマンのネクタイは、新婦が決めたテーマカラーに合わせます。

新郎新婦に贈り物をする

イギリスでは、日本のご祝儀にあたる習慣はありません。一般的に、新郎新婦が用意した「Wedding List」の中から贈り物をすることが多いです。
デパートなど指定のお店にいくと、「Wedding List」という、新郎新婦が自分たちが欲しいものを登録したリストがあります。その中から招待客は予算に合ったものを贈ります。
このWedding Listもオンラインで手配するのが一般的になりました。近年では現金を贈るケースもあるそうです。

結婚式(儀式)中は写真撮影禁止であることが多い

イギリスでは一般的に、参加者の結婚式(儀式)中の写真撮影は禁止されています。その間は、カメラマンのみが撮影することになっています。
レセプションが始まると、撮影が可能となるので、そのときまで待ちましょう。

結婚式のお祝いに使える英語フレーズ

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普段使うことがない特別なときのための英語は、文法を学ぶチャンスでもあります。また雰囲気だけでも覚えておくと、書けなくても、目にしたときに理解ができるでしょう。

フォーマルな場面で使えるお祝いフレーズ

・Wishing you a lifetime of love and happiness.
∟和訳:永遠の愛と幸せをお祈り申し上げます。
∟解説:「Wishing+you+名詞」で、あなたに○○をお祈りします、という意味になります。名詞の部分を変えればアレンジが効きます。

・On this good important day I wish you to have a wonderful and happy life filled with laughter and joy.
∟和訳:この佳き日に、お二人が笑いと歓びに満ちた、素晴らしく幸せな人生を送ることをお祈りします。
∟解説:日本人にとって見慣れた文型であるので、馴染みやすいかと思います。

・May the love you share today grow stronger as you grow old together.
∟和訳:お二人の分かち合う愛が、年を重ねるごとにより強固なものになっていきますように。
∟解説:「May+名詞+動詞」で、○○が●●しますようにという祈願の表現になります。

・Warmest congratulations and love.
∟和訳:非常に温かい祝福と愛を込めて。
∟解説:「congratulations」だけだとカジュアルな印象も与えかねませんが、ちょっとした修飾をすることでフォーマルな表現になります。

・Best wishes on this wonderful journey, as you build your new lives together.
∟和訳:お二人が共に築いていく新生活という新しい門出をお祝い申し上げます。
∟解説:「Best Wishes」は、メッセージカードなどで見かけたこともあるかと思いますが、ご多幸をお祈りしますという意味です。様々な場面で使われます。

親密な友人に向けたお祝いフレーズ

・Best of luck in married life!
∟和訳:幸せあふれる結婚生活を送ってね!
∟解説:「Best of luck」は見慣れた表現である「Good luck」を強めた表現です。

・Congratulations on your wedding!
∟和訳:結婚おめでとう!
∟解説:簡単でシンプルな表現なので、実践的でしょう。

・Happy Ever After.
∟和訳:いつまでもお幸せに!
∟解説:見慣れた単語の組み合わせですが、響きのかっこいい表現です。

・I wish hope your love grows forever.
∟和訳:二人の愛が永遠にありますように!
∟解説:「Wish+名詞+動詞」です。Wishはお祝いフレーズに頻出です。

・My heartiest congratulations to you both.
∟和訳:二人に心からのお祝いを!
∟解説:「heartiest」は形容詞「hearty(心からの)」の最上級です。

招待されたら、特別な機会を満喫しよう

イギリスの伝統的なスタイルの結婚式にはシンプルな良さがあり、日本人からすると新鮮で素敵に感じられるかもしれません。アメリカの結婚式も細かいところは違えど、基本的にはイギリスの流れを汲んでいます。

結婚式という特別な行事には、その国の文化が濃縮されています。
もし招待されるという光栄なことがあれば、人々が実際にどのようなお祝いフレーズを使ったのかに耳を傾けながら、その場を堪能しましょう。

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